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解説ネタ・大喜利
文献あり

"x/log(x)→∞ (x→∞)" の3つの証明

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$$\lim_{x \to \infty} \frac{x}{\log{x}}=\infty.$$

オーバーキル

素数定理より
$$\pi(x) \sim \frac{x}{\log{x}} \,(x \to \infty)$$
かつ
$$\lim_{x \to \infty} \pi(x)=\infty$$
だから
$$\lim_{x \to \infty} \frac{x}{\log{x}}=\infty.$$

ロピタルの定理による

$$\lim_{x \to \infty} \frac{x}{\log{x}}$$
$$=\lim_{x \to \infty} \frac{1}{\frac{1}{x}}$$
$$=\lim_{x \to \infty}x=\infty.$$

初等的な証明

$x \gt e$のとき$x=e^y$とおくと$y \gt 1$$x \to \infty$のとき$y \to \infty.$ このとき$\log x = y$であるから$e^y$のマクローリン展開を途中で打ち切れば$$\frac{x}{\log{x}}=\frac{e^y}{y} \gt \frac{1}{y}+1+\frac{y}{2} \to \infty.$$

参考文献

[1]
北田均, 新訂版 数理解析学概論, 341
[2]
邦訳, プリンストン解析学講義Ⅱ 複素解析
[3]
邦訳, 素数定理の進展 上
投稿日:2022119
更新日:114

投稿者

研究の記事の他に, 発見シリーズ, 行間シリーズ, 超入門シリーズも書いています. 北田均『数理解析学概論』新訂版序文の「ほぼ独学と思われる熱心な読者」, 結城浩『数学ガールの秘密ノート/行列が描くもの』あとがきの「類太郎」. 指摘を受けたり自分で誤りに気付いて, 後から訂正することも多々あります. 寛容な目で温かい目で見て頂きたいです. コメント欄は事実でないコメントや侮辱あるいは中傷のコメントで荒らされておりPTSDになったので見ていません. 何かあればXのDMやリプでご連絡を下さい. 悪意のあるきつい言い方をされることが多々ありますが, それさえしなければ指摘については真摯に対応したいです. 普通のご指摘でも私は人間なので必ずしもすぐには対応できないことはご理解ください. 数式, 特に偏微分方程式が好き. 多変数複素解析のヘルマンダーの方法:複素多様体における外微分 d を d=∂′+∂′′ とするとき‚ 既知微分形式 f と未知微分形式 u について ∂′′u=f (ディーバー方程式)の可解性で諸問題を考える方法, 複素多様体における微分幾何として複素モンジュ-アンペール方程式の解の存在, 代数解析の偏微分方程式への応用でも何かを遺したいです.

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研究の記事の他に, 発見シリーズ, 行間シリーズ, 超入門シリーズも書いています. 北田均『数理解析学概論』新訂版序文の「ほぼ独学と思われる熱心な読者」, 結城浩『数学ガールの秘密ノート/行列が描くもの』あとがきの「類太郎」. 指摘を受けたり自分で誤りに気付いて, 後から訂正することも多々あります. 寛容な目で温かい目で見て頂きたいです. コメント欄は事実でないコメントや侮辱あるいは中傷のコメントで荒らされておりPTSDになったので見ていません. 何かあればXのDMやリプでご連絡を下さい. 悪意のあるきつい言い方をされることが多々ありますが, それさえしなければ指摘については真摯に対応したいです. 普通のご指摘でも私は人間なので必ずしもすぐには対応できないことはご理解ください. 数式, 特に偏微分方程式が好き. 多変数複素解析のヘルマンダーの方法:複素多様体における外微分 d を d=∂′+∂′′ とするとき‚ 既知微分形式 f と未知微分形式 u について ∂′′u=f (ディーバー方程式)の可解性で諸問題を考える方法, 複素多様体における微分幾何として複素モンジュ-アンペール方程式の解の存在, 代数解析の偏微分方程式への応用でも何かを遺したいです.