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解説大学数学以上
文献あり

或るハウスドルフ空間の1点コンパクト化がハウスドルフではないこと

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これは, 『ナビエ-ストークス方程式の解の存在と滑らかさの直観的議論および一意性』 の正当化を, バナッハの不動点定理以外の不動点定理で考えていたら発見した.

位相空間$X$の1点コンパクト化がハウスドルフ⇔$X$は局所コンパクトかつハウスドルフ.

無限次元ノルム空間の1点コンパクト化はハウスドルフではない.

無限次元ノルム空間の位相は開球の族で生成される. また, 無限次元ノルム空間の閉球すなわち開球の閉包はコンパクトではない. 然るに無限次元ノルム空間では, 或る点の任意の近傍はコンパクトではない. ゆえに無限次元ノルム空間は局所コンパクトではない. 従ってその1点コンパクト化はハウスドルフではない.

ノルム空間はハウスドルフ空間だが, その1点コンパクト化はハウスドルフではない例がある. ハウスドルフなら研究がうまく行きそうな気がした. 残念. しかし数学の理解が深まったからよしとする.

参考文献

投稿日:2022129
更新日:120

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収入が少ないので, Mathlogのお金を支払う機能で支援してくだされば幸いです. 研究の記事の他に, 発見シリーズ, 行間シリーズ, 超入門シリーズも書いています. 北田均『数理解析学概論』新訂版序文の「ほぼ独学と思われる熱心な読者」, 結城浩『数学ガールの秘密ノート/行列が描くもの』あとがきの「類太郎」. 指摘を受けたり自分で誤りに気付いて, 後から訂正することも多々ある. 寛容な目で温かい目で見て頂きたい. 何かあればご連絡を頂きたい. 悪意のあるきつい言い方をされたことも多々あったが, それさえしなければ指摘には真摯に対応したい. 数式, 特に偏微分方程式が好き. 多変数複素解析のヘルマンダーの方法:複素多様体における外微分 d を d=∂′+∂′′ とするとき‚ 既知微分形式 f と未知微分形式 u について ∂′′u=f (ディーバー方程式)の可解性で諸問題を考える方法, 複素多様体における微分幾何として複素モンジュ-アンペール方程式の解の存在, 代数解析の偏微分方程式への応用でも何かを遺したい.

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