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分割問題の解答

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自然数$m\ge2$を固定する。自然数$n$であって、ある実数$\alpha\in(0,1)$と分割$\{1,\ldots,n\}=A_1\sqcup\cdots\sqcup A_m$が存在し、
$$ \sum_{k\in A_i}\alpha^k=1\qquad(1\le i\le m) $$
を満たすものをすべて求めよ。

解答

このような分割が存在するための必要十分条件は$(m,n)=(2,7),(3,13)$である。

証明のため、
$$ H_{n,m}(X)=X+X^2+\cdots+X^n-m $$
とおく。

分割が存在するなら、$H_{n,m}$は定数項$-1$のモニック整数係数因子をもつ。

$i$に対して$Q_i(X)=\sum_{k\in A_i}X^k-1$とおき、$\alpha$$\mathbb Q$上の最小多項式を$M$とする。$Q_i(\alpha)=0$であり、$Q_i$はモニック整数係数多項式だから、$\alpha$は代数的整数で$M\mid Q_i$である。また$Q_1+\cdots+Q_m=H_{n,m}$だから$M\mid H_{n,m}$である。
$Q_i(0)=-1$より$M(0)=\pm1$である。一方、$Q_i(t)$$t>0$で狭義単調増加なので、$M$の正の零点は$\alpha$のみであり、$\alpha$は単純零点である。したがって$M$$\alpha$で符号を変え、モニック性から$M(0)<0$である。よって$M(0)=-1$を得る。

多項式$P$に対し、$\deg P=r$として$P^*(X)=X^rP(X^{-1})$とおく。

$H_{n,m}=UV$とし、$U,V\in\mathbb Z[X]$はモニックで$U(0)=-1,\ V(0)=m$を満たすとする。
$$ B(X)=U(X)V^*(X)=\sum_{j=0}^n b_jX^j $$
とおけば、$b_0=-1,\ b_n=m$であり、
$$ \sum_{j=1}^{n-1}b_j(b_j-1)=2(m-1) \tag{1} $$
が成り立つ。また、$1\le k\le n-1$に対して
$$ \sum_{j=0}^k b_jb_{n-k+j}=k-m \tag{2} $$
が成り立つ。

$B^*=U^*V$だから$BB^*=H_{n,m}H_{n,m}^*$であり、
$$ B(X)B(X^{-1})=H_{n,m}(X)H_{n,m}(X^{-1}) $$
が成り立つ。定数項と最高次係数から$b_0=-1,\ b_n=m$を得る。また定数項を比較すると$\sum_{j=0}^n b_j^2=n+m^2$である。
一方、$B(1)=H_{n,m}(1)=n-m$だから$\sum_{j=0}^n b_j=n-m$である。したがって
$$ \sum_{j=1}^{n-1}b_j^2=n-1,\qquad \sum_{j=1}^{n-1}b_j=n+1-2m \tag{3} $$
となり、両式の差から(1)を得る。また、$X^{n-k}$の係数を比較すれば(2)を得る。

$m\ge4$のとき、$H_{n,m}$は定数項$-1$のモニック整数係数因子をもたない。

まず$m\ge5$とする。(2)に$k=1$を代入すると
$$ b_{n-1}=mb_1+m-1. \tag{4} $$
(1)より
$$ b_1(b_1-1)+b_{n-1}(b_{n-1}-1)\le2(m-1) $$
である。$b_1\ge0$なら$b_{n-1}\ge m-1$$b_1\le-2$なら$b_{n-1}\le-m-1$となり、いずれもこの不等式に反する。したがって$b_1=b_{n-1}=-1$である。
ここで$b_j=b_{n-j}=-1\ (1\le j< k)$と仮定すると、(2)から再び
$$ b_{n-k}=mb_k+m-1 $$
を得るので、$k< n-k$なら同じ議論により$b_k=b_{n-k}=-1$であり、$k=n-k$なら$b_k=mb_k+m-1$から直接$b_k=-1$を得る。したがって帰納的に$b_1=\cdots=b_{n-1}=-1$である。(1)から$n=m$となり、$n>m$に反する。
次に$m=4$とする。(4)と(1)から
$$ (b_1,b_{n-1})=(0,3), (-1,-1) $$
に限られる。前者では(1)より他の$b_j$はすべて$0$または$1$だが、(2)の$k=2$から$b_{n-2}=4b_2+2$となり不可能である。後者では(1)における残りの和は$2$だが、$k=2$から$b_{n-2}=4b_2+3$となり、
$$ b_2(b_2-1)+b_{n-2}(b_{n-2}-1)\ge4 $$
となるため矛盾する。したがって$m\ge4$は不可能である。

したがって、残るのは$m=2,3$の場合だけである。

定数項$-1$のモニック因子が存在するとする。このとき$m=2$なら$n=7$$m=3$なら$n=13$である。

まず$m=2$とする。(1),(3)より、成分の順序を除けば$(b_1,\ldots,b_{n-1})$$(-1,1,\ldots,1)$または$(2,0,0,0,1,\ldots,1) $である。
前者は(2)の$k=1$から$b_1=b_{n-1}=-1$となるので不可能である。したがって後者であり、(2)を$k=1,2$に適用すると
$$ b_1=0,\qquad b_{n-1}=1,\qquad b_{n-2}=2b_2. $$
$b_2=0$なら$k=3$から$b_3=b_{n-3}=1$となるが、この場合$n\le7$では必要な係数$2$が現れず、$n\ge8$では
$$ \sum_{j=0}^{n-1}b_jb_{j+1}=n-2 $$
となって(2)の$k=n-1$に反する。したがって$b_2=1,\ b_{n-2}=2$である。
さらに$k=3$から$b_3=b_{n-3}=0$となる。これで三つの$0$と一つの$2$の位置がすべて決まるので、$n\ge8$なら
$$ \sum_{j=0}^{n-1}b_jb_{j+1}=n-4 $$
となり、やはり(2)の$k=n-1$に反する。よって$n=7$である。
次に$m=3$とする。(1),(3)より、成分の順序を除けば$(b_1,\ldots,b_{n-1})$$(-1,-1,1,\ldots,1)$,$(2,-1,0,0,0,1,\ldots,1)$,$(2,2,0,0,0,0,0,0,1,\ldots,1)$である。
最初の二つは(2)をそれぞれ$k=1,2$および$k=1,2,3$とすると矛盾する。したがって第三の場合を考える。(2)を$k=1,\ldots,5$に適用すると
$$ b_1=b_2=b_3=b_5=b_{n-3}=b_{n-5}=0,\qquad b_4=b_{n-2}=1,\qquad b_{n-1}=b_{n-4}=2. \tag{5} $$
これらの添字の重なりから$n\ge11$であり、さらに(2)の$k=6,7$から$n=11,12$も排除される。したがって$n\ge13$である。
(5)ですでに六つの$0$と二つの$2$がすべて現れているので、それ以外の$b_j$$1$である。したがって$n\ge14$なら(2)の$k=8$から$b_{n-8}=3b_8$を得る一方、$b_8=b_{n-8}=1$であり矛盾する。よって$n=13$である。

以上から必要性が従う。二つの例が実際に存在することを確認する。
$$ H_{7,2}(X)=(X^3+X-1)(X^4+X^3+X+2) $$
である。$\alpha\in(0,1)$$X^3+X-1$の零点とすると、
$$ X^2+X^3+X^4-1=(X+1)(X^3+X-1) $$
より$\alpha^2+\alpha^3+\alpha^4=1$である。また$H_{7,2}(\alpha)=0$だから全体の和は$2$であり、
$$ \{1,\ldots,7\}=\{2,3,4\}\sqcup\{1,5,6,7\} $$
が求める分割を与える。
同様に、
$$ H_{13,3}(X)=(X^3+X^2-1)(X^{10}+X^8+X^7+2X^5+X^3+2X^2-X+3) $$
である。$\alpha\in(0,1)$$X^3+X^2-1$の零点とすると$\alpha^2+\alpha^3=1$であり、
$$ X+X^5-1=(X^2-X+1)(X^3+X^2-1) $$
より$\alpha+\alpha^5=1$である。また$H_{13,3}(\alpha)=0$だから全体の和は$3$であり、
$$ \{1,\ldots,13\}=\{2,3\}\sqcup\{1,5\}\sqcup\{4,6,7,8,9,10,11,12,13\} $$
が求める分割を与える。
したがって、求めるものは
$$ \boxed{(m,n)=(2,7),\ (3,13)} $$
のみである。

投稿日:1日前
更新日:22時間前
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