ベクトル解析についてまとめてみました 第1弾
この記事は初学者を想定としています。ベクトル解析なんてとっくに理解してるよって方にとって目新しいものはないと思います。
このシリーズは数IIIレベルの微分積分の知識を必要とします。そっちの記事がかけたら追記で載せます。それまでは、ごめんなさい。大学数学の知識はどうしても必要な場合のみ解説を入れて使用します。
また、記事に誤植などあった場合、ご一報いただけると幸いです。
これを読んでいる人は初学者が多いと思うので、まず「ベクトル解析とはなにか」を書きます。
ベクトルがなにか理解してる人はこの話はスキップしてください。面白い話は何一つないので。ベクトルがわからない人は読んでください。
そもそもの話、ベクトルってなんだって思ってる方もいるかも知れません。ベクトルとは、端的に言えば「向きと大きさを持つ量」です。高校数学なんかではアルファベットの上に矢印を書きます($\overrightarrow{a}$みたいな感じ。この記事では$\boldsymbol{a}$を用います。個人的に見た目が好きなので)
ベクトル解析を学ぶまではこんな感じの認識で良いと思います。というかそれ以上もそれ以下も多分ないはず。
それでは本題。ベクトル解析とは何か。
ベクトル解析とは、「多次元の場合の物理現象を記述するもの」と考えています。もしかしたら違う解釈もあるかも。その人はごめんなさい。後でこっそり教えて。
なんでこうやって考えたかというと、物理現象を考えるとき大体こいつが絡んでくるんですよね。解析自体が物理の話メインだろとかいう意見は受け付けません。僕も思ってます。でもベクトル解析に関しては特に物理で出てくると思います。体感ですが数学の話ではあんまり聞かないんですけど、物理の話になるとかなーり出てくると思います。電磁気学とか流体力学とか力のモーメントの話とか。例に出すとキリがないってぐらいこいつが出てきます。
まあなんでかって言ったら、物理現象を書き表すためにはベクトルは不可欠だからです。というのも、物理では多次元の現象を扱います。(高校までだと1次元の話が多く、これは物理の中では特殊なケース)
で、多次元を扱うとなると数式に起こす時にベクトルの概念が必要になるんですよね。なのでベクトル解析みたいなものを導入すると思います。
お待たせしすぎました。本当に申し訳ございません。話が1回逸れてしまうと修正するのが難しいですね。ということでベクトル解析のお話を書いていきます。ぜひベクトル解析の世界を楽しんでください
いきなりよく分からないことを書かれてもびっくりしてしまうと思うので高校生までのベクトルを含めた導入の話をします
この分野において欠かせないのが内積、外積です。内積、外積はそれぞれスカラー積、ベクトル積とも呼ばれます。(これは結果がそれぞれスカラー量、ベクトル量になるため。この記事では後者で呼びます)
スカラー積、ベクトル積はそれぞれ以下のように定義されます(スカラー積の|A|、|B|はそれぞれのベクトルの大きさを表しています。)
$\boldsymbol{A} \cdot \boldsymbol{B}:= \left| \boldsymbol{A} \right| \left| \boldsymbol{B} \right| \cos \theta$
$\boldsymbol{A}と\boldsymbol{B}が作る平面に垂直で$
$\boldsymbol{A}から\boldsymbol{B}へ右ネジを回した時に進む向きを持ち、$
$大きさは\boldsymbol{A}と\boldsymbol{B}が作る平面に等しい$
$\left|\boldsymbol{A} \times \boldsymbol{B}\right|:= \left| \boldsymbol{A} \right| \left| \boldsymbol{B} \right| \sin \theta$
スカラー積では交換法則と分配法則が、ベクトル積では分配法則が成立します。
また、成分表示で考えると以下のような式が成立します。
$\boldsymbol{A}=(a_1,a_2,a_3)$
$\boldsymbol{B}=(b_1,b_2,b_3)とする時$
$\boldsymbol{A} \cdot \boldsymbol{B} :=a_1b_1+a_2b_2+a_3b_3$
$\boldsymbol{A}\times\boldsymbol{B}:=(a_2b_3-a_3b_2,a_3b_2-a_1b_3,a_1b_2-a_1b_2)$
ちなみに二次元空間においてベクトル積は存在しません。($\boldsymbol{A}\times\boldsymbol{B}$は$\boldsymbol{A}と\boldsymbol{B}$から成る平面に直交します。平面に直交するということは三次元空間になるとわかりますね)
この章では三重積を扱います。スカラー三重積、ベクトル三重積ですね。慣れてしまえばそこまで難しいものでは無いと思っています。
スカラー三重積、ベクトル三重積は成分表示を使って次のように定義されます。
$\boldsymbol{A}\cdot\left( \boldsymbol{B}\times\boldsymbol{C} \right):=a_1b_2c_3-a_1b_3c_2+a_2b_3c_1-a_2b_1c_3+a_3b_1c_2-a_3b_2c_1$
$\boldsymbol{A}\times(\boldsymbol{B}\times\boldsymbol{C}):=(a_2b_2c_3-a_3b_3c_2,a_3b_3c_1-a_1b_1c_3,a_1b_1c_2-a_2b_2c_1) $
これを見るとわかりますがスカラー三重積はスカラー量、ベクトル三重積はベクトル量になります。こう見ると定義式って長いんですね...(行列式で書けるしそっちのほうがすっきりしますが...本記事では線型代数を履修してない方もいるかもしれないので割愛します。気になる方は調べてみてね)
初めてのことをするって慣れるまでむずかしいですよね。特にベクトル解析とか基礎知識が少ないと戻ることも多いしかなり大変だと思います。
ということで今回はベクトル解析のおはなし その1を書きました。書いてる間に「こっちのほうが良いかな」とか思いながら訂正を繰り返したり、他の人に校閲してもらいながらより良いものを書こうという意志をもって頑張りました。っていう話はあんまり興味がないか。失礼しました。
その1ということでシリーズ化します。書いてる人のモチベが消えなければ。次回はベクトル関数の微分積分、あとは場のおはなしを書くと思います。場といえば電磁気学で登場する電場、磁場なんかが有名ですね。
他にも自分が学んだ分野のはなしとか、数学の雑学か何かを記事にしようと思います。ここまで読んでいただきありがとうございます。ではまたいつか。