この記事は私が1年半ほど前に作成した資料をMathlog向けに再構成したものである。
素数計数関数
の挙動は多くの数学者の興味の対象となってきた。対数積分
を用いると次が示せる。
次なる興味は、絶対誤差
リーマンの時代には、すでに
問題は、この傾向が
Littlewoodは、
本稿では、その証明のおおまかな道筋を辿ることを目的とする。
ゼータ関数のオイラー積表示
から出発する。対数微分をとると、
マンゴルト関数
で定義すれば、
ここで恒等式
を使って次のように変形する。
ただし、
はチェビシェフ関数。チェビシェフ多項式とは別物であることに注意。
メリン逆変換をして(付録参照)、
ただし
ゼータ関数を使って定義される関数
は整関数、つまり複素数平面全域で正則。
ガンマ関数の極(0と負の整数で一位)は
ちなみに、
アダマールの積定理というクソ強定理により、
ただし、
これを
に代入する。
とすれば、積分路は
という周回積分で表せる。これにより、留数定理が使える。
特に、
と見比べると、
と定義すれば、
であり、
である。
気分としては:
スティルチェス積分は、形式的に部分積分のように扱えて、
とできる。ところで、
であるから、
積分項は
から、結局、
以下、リーマン予想が真であると仮定し、
虚部が
を一旦認める(参考文献2,3)。これから、次が言える。
特に、逆数和は発散するが、逆数の二乗和は収束する。ゆえに、
も言える。この辺の議論はかなり厳密でない。ちゃんとした議論は、
代わりに、その積分を考えると、
まず次の補題を示す:
リーマン予想が真ならば、任意の
が成り立つ。
…いかつい見た目をしているが、落ち着いて見てほしい。
左辺を見ると、
右辺の無限和のうち、
また、
こいつのより深い評価を得ることで、リトルウッドの定理は証明される。
これに
これを
左辺第1項を変形していく。(10)式の
(11)の
そこから生じる誤差項のオーダーは
(*)の右辺第1項が実際に符号を変えるような
もし、
の評価に帰着することができる。問題はそんな
以下、
任意の
この時、任意の
リーマン予想が真ならば、
が成り立つ。
2番目の式は1番目の式と補題3からすぐに従う。以下、1番目の式を示す。
正整数
を考えると、補題6が使えて、ある整数
補題5で、
以下、2つの
(*)の右辺は、次のようになる。
ここで、任意の
が成り立つので、任意の
となる。最後の不等号で
となる。この評価を得るために
(#)の
だから、
を評価すれば良いことになる。
あとは
であるから、
ただし、
となる正数
十分大きな
だから、
符号を変えうる
ご唱和ください。鳩の巣原理マジ原理!
これはフーリエ変換の形。フーリエ逆変換をすると、
変数を戻して、
これがメリン逆変換。
とする。(1)より
ここで、
と
より、
であるから、
部分積分により、
最後の積分の評価で平均値の定理を使っている。
補題の仮定
であり、(10)の
ここで、
であって、
合わせて、
(11)の
である。ここで、
だから、
となる。ここで、補題の仮定
(20)の
同様のことが
On the difference
http://eprints.maths.manchester.ac.uk/1524/1/MSCLee.pdf
これが一番詳しいが、割とエラーが多い。Littlewoodの定理の証明の他、Lehmanの方法の証明も載っている。
『素数とゼータ関数』(共立講座 数学の輝き) 小山信也著
ゼータ関数の基本的性質が知りたい方はこちら。
H. L. Montgomery and R. C. Vaughan, Multiplicative Number Theory I.
Classical Theory, Cambridge University Press, 2006.
最終章にリトルウッドの定理の証明があるが、行間が結構空いている。
みんな大好きtsujimotter氏のブログ
https://tsujimotter.hatenablog.com/entry/2014/07/01/201007
ゼータ関数の非自明なゼロ点の計算方法はこちらを参照。