本稿は執筆途中である。基本編はあらかた書いたが、応用編はボチボチ続きを書いていく。
呼び方はいろいろあると思うが、特別なカードを用いて相手が思った数を当てる、数当てマジックとかいうものがある。典型的なものとしては、次のような
数当てカードの例 (日付当てカード)
演者は客に「思った日付が含まれているカード以外は裏返してください」と言い、客によるその操作が終わった後、表になっているカードの左上の数の和を「あなたが思った数は◯ですね」と言う、という流れである。
こういう数当てカードをいろいろ作ってみたいと思ったので、考えてみたのが本稿である。
当てるのは数じゃなくてもいいし、使うのがカードじゃなくてもいいのだが、とりあえず、数当てカード、という呼称にしておく。
先に当てる対象のものを「数じゃなくてもいい」と書いたが、これをシンボルと呼ぶことにする。
シンボルの集合
写像
本稿では、「配置」と称した場合、
「日付当てカード」の場合、シンボルの集合
マークの集合
そして、カードそれぞれが配置、すなわち
ここで、ある集合
まず、空列
長さ
再帰的に展開していくと、
となるが、これを次のように略記できるものとする。
また、誤解のおそれがない場合には、
シンボル
この関係を、列を用いてまとめて記述すると次のようになる。
なお、列
「日付当てカード」の場合、5枚のカードひと揃いが配置セットである。
この要素を特定の順番に並べたものが配置列である。
また、これに対応する配置セット
「使える」配置列
また、
この逆写像
なぜ、
「日付当てカード」の場合、
逆配
次に、実際に演技することを考慮して、望しい配置セットの持つべき特徴について考えていく。
数当てカードを使った演技を整理すると次のようになる。
これが手品 (マジック) として成立するためには、すなわち、客にちょっと不思議な感覚を抱いてもらうためには、いくつかの条件がある。
シンボルとして自然数を使うと便利な点が多い。
まず、
草冠の漢字一文字植物の名前になっているものを 16 文字書いた「一覧カード」からひとつ客に選んでもらう。演者は穴開きカードを一枚ずつ一覧カードの隣に置き、選んだ字がその穴開きカードに書かれているか聞く。演者は穴開きカードを裏返して重ねていくが、その際、客が「ある」と言ったカードは「芋」の字が下側になるように重ね、「ない」と言ったカードは「芋」の字が上になるように重ねる。裏向きの穴開きカード4枚をそのまま一覧カードに載せると、客が選んだ字のところにだけ穴が空いていて読めるようになっている。当然「芋」は一覧カードに載っていないので選ばれることはない。
穴開きカードを裏返しながら重ねるとき、持ったカードを左右に返すか、上下に返すかで「芋」の位置をコントロールできるので、自然な動作でやることを心掛ける。また、重ねているときは乱雑に置いていき、最後に手の中で揃えて穴の位置を確認すると不思議さが増すかもしれない。
最後に自分が選んだ漢字ひとつだけが穴から覗いているのを見せる演出でもいいかもしれない。
草wカード