これは別のサイトに以前執筆したものを移植したものです。誤植などのご指摘がありましたらお知らせください。
また、和分差分の定義、表記は様々な流派があることをご了承ください。
定和分の図が間違っていたので修正
高校数学では数列と関数は全くの別物のように扱われているが、数列も主に自然数に対して定義されている歴とした関数である。
そのためここでは微分積分学との関係がわかりやすくなるよう数列を
極限を扱う微分積分よりも以下に述べる和分差分は直感的に分かりやすい為、数列だけでなく微分積分の見方も変わるかも知れない。
関数
なる
なお微分積分学では
なる
ここで
また、差分は微分と同様に
定和分
で表される
この時上図の長方形の横幅はそれぞれ
であり、
差分の逆演算をしたもの、すなわち
を満たす
上述の通り差分は元の関数の定数項に関係ないため、不定和分は不定積分と同様に和分定数が生じる。(なお和分定数は定数だけでなく周期が
なお微分積分学では微分の逆演算をしたもの、すなわち
を満たす
より
となる。
また、
となり、
が成立する。前節のグラフを見ても明らかである。
これらは微分積分学の基本定理に対応する。
正の整数
と定義する。
下降階乗の差分をとると
となり、和分差分学の基本定理より
が従う。(下降階乗は整数全体にも拡張できるが、ここでは省略する。ただし上式が成立するのは
これは
この性質を用いると、
など
指数関数
となるので、両辺和分をとって整理すると
となる。
高校数学で見慣れた等比数列の和の公式もここから導出できる。
積の微分に対して積の差分は
となり、両辺を和分し整理することによって
を導ける。
実際に部分和分を使用して高校数学でお馴染みの和を求めてみる。