共通テストの数学2Bで二次関数の接線の問題が出題されたのを受けて,その内容と関連して二次関数の係数の符号についての記事を書く。
グラフの概形与えられたとき,二次関数$y = ax^2 + bx + c$の係数$a$,$b$,$c$の符号を求めよ。
というのはよくある問題である。例えば以下のようなグラフが与えられたとしよう。
二次関数概形
下に凸であるから$a>0$,$y$切片が正であるから$c>0$がすぐにわかる。
では,$b$の符号はどのようにして調べるかをここでは話題にする。
上のような二次関数の概形が与えられたときの1次の係数$b$を一目見ただけで判断せよ。
結論から述べると,先のグラフであれば$b<0$である。
実は以下が成り立っている。
二次関数$y=ax^2 + bx +c$の$x=0$における接線の方程式は$y=bx+c$である。
$y=ax^2 + bx + c$と$y=bx+c$について,辺々引き算すると,$ax^2 = 0$となり,これの解は$x = 0$(重解)である。
したがって,これらの2つのグラフは$x=0$において接している。
二次関数と接線
このことを踏まえると$b<0$であることは明らかである。
また,この事実を用いれば共通テストの2B第2問の前半あたりは即答である。