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いろいろな方法でフィボナッチ数の一般項を表現する

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フィボナッチ数列(Fn) は、次の漸化式で定義される数列です。

フィボナッチ数列の漸化式

{F0=0,F1=1,Fn+2=Fn+Fn+1(n0).

初項をF0として初めの方を書き下すとこんなかんじになります。

フィボナッチ数列

0,1,1,2,3,5,8,13,21,34,55,89,144,233,377,610,987,1597,

いろいろな方法でフィボナッチ数の一般項を表現する

フィボナッチ数の一般項を表現する式としてはいろいろなものが知られています。
ここでは有名なものから私が個人的に見つけたものまでいろいろ紹介したいと思います。

よく知られた表現

    Fn=15{(1+52)n(152)n}

ビネ (Binet) の公式と呼ばれています。同じことですが黄金比 φ=1+52 を使うと次のようにシンプルにできます。

    Fn=φn(φ)n5

行列を使った表現

行列を使った表現も面白いです。
    (Fn+1FnFnFn1)=(1110)n

四捨五入を使った表現

四捨五入を使って表すこともできます。
   Fn=φn5で割ってから四捨五入した数

もうちょっと数式らしくしてみましょう。
四捨五入する関数を x とします。床関数(その数を超えない最大の整数を返す関数。例えば3.14=3)を使うと
   x=x+12
となります。これを使うと、次のように表現することができます。
   Fn=φn5

二項係数を使った表現

 二項係数はnCkの形で表現されることも多いですが、ここでは(nk) と表現します。すなわち
    (nk)=nCk=n!k!(nk)!

これを使うと、次のような表現もできます。
    Fn=12n1k=0n12(n2k+1)5k

この式はカタランの公式と呼ばれています。

そのほか色々な表現

そのほか色々な表現を集めました。中には私が個人的に発見したものも含めています(既知かもしれませんが)。見た目は違いますが全部同じ数列になるのは面白いですね!
なお、φ=1+52,φ¯=152 とします。また、1の原始n乗根をζn(=e2iπn)と表します。

    Fn=k=0n12(nk1k)
    Fn=k=1nφnkφ¯k1
    Fn=k=1n(1)nk(φ)1+n2k
    Fn=(φ)1nk=0n1(φ2)k
    Fn=k=0n1e(n12k)logφ+ikπ
    Fn=k=0(e(n12k)logφ+ikπe(n12k)logφ+i(n+k)π)
    Fn=(φ)1nk=1n1(φ2ζnk)
    Fn=k=1n1(φ+ζnkφ)
    Fn=k=1n12(1+4cos2kπn)
    Fn=k=1n12(3+2cos2kπn)
    Fn=2n1k=1ncosk13π5cosknπ5
    Fn=2n1k=1(cosk13π5cosknπ5sinn+k111π10sink3π10)
    Fn=φ¯nφφ¯d|nCd(φ2)

d|n は、dがnの約数全体を動くときの総積を、Cd(x)は円分多項式を表す。

    Fn=1+k=0n33(1)k(n2k3k)2n3k3(n1)
    Fn=1+2n3k=0n33(1)n32k(1)n33kk!(12)3k(n1)

(注)()k はポッホハマー記号。この式は超幾何級数風の表現をしたくて作ったもの。

     

投稿日:2020117
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