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PILAME杯2025 問20解説

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$$$$

前書き

この問題は自信がある...かな?
解答が出てないので間違えてる可能性があります.
(めっちゃ頭いい黄色solverさんと回答一致しました)

PLM2025問題20 (OMC700点級?)

$1$以上$3$以下の整数の組$(x_1, x_2, \cdots , x_{13})$ であって,
$$\sum^1_{k_1=0} \sum^3_{k_2=0} \cdots \sum^{2n-1}_{k_n=0} \cdots \sum^{25}_{k_{13}=0}(-1)^{\lbrack \frac{k_1+k_2+\cdots+k_{13}}{2} \rbrack}x_1^{k_1}x_2^{k_2}\cdots x_{13}^{k_{13}}=0$$
をみたすものはいくつあるか.

解く際に考えたこと

式の見た目がかなり厳ついな~
でも, $(-1)$の厳つい項を取り除くと, 与式は
$$(1+x_1)(1+x_2+x_2^2+x_2^3)\cdots (1+x_{13}+x_{13}^2+\cdots + x_{13}^{25})$$
で表せるよな...となれば,
$$f(t)=(1+x_1t)(1+x_2t+x_2^2t^2+x_2^3t^3)\cdots (1+x_{13}t+x_{13}^2t^2+\cdots + x_{13}^{25}t^{25})$$
と置いて, 代入する数を考えたら元の式の形に持ってけるのではないかと考えられる. 元の式の(-1)の項は4周期で動いているので$i^n$が使えそうだな~と考えられる.
形を実数にするために$(-i)^n$を足し合わせた$i^n+(-i)^n$$2,0,-2,0$となるので, 一つずらしたやつを足し合わせたらうまくいきそうだな~と感じる.
したがって本解答のようにうまく$f(t)$で表すことができる.

解説

$$f(t)=(1+x_1t)(1+x_2t+x_2^2t^2+x_2^3t^3)\cdots (1+x_{13}t+x_{13}^2t^2+\cdots + x_{13}^{25}t^{25})$$
とする.
このとき$a_n=i^n(1-i)+(-i)^n(1+i)$とおくと,
\begin{align*} a_{4m}&=(1-i)+(1+i)=2\\ a_{4m+1}&=i(1-i)-i(1+i)=2\\ a_{4m+2}&=-(1-i)-(1+i)=-2\\ a_{4m+3}&=-i(1-i)+i(1+i)=-2\\ \end{align*}
であるので, $a_n=2(-1)^{[\dfrac{n}{2}]}$
\begin{align*} &(1-i)f(i)+(1+i)f(-i)\\ =&\sum^1_{k_1=0} \sum^3_{k_2=0} \cdots \sum^{2n-1}_{k_n=0} \cdots \sum^{25}_{k_{13}=0}((1-i)i^{ k_1+\cdots+k_{13}}+(1+i)(-i)^{ k_1+\cdots+k_{13}})x_1^{k_1}x_2^{k_2}\cdots x_{13}^{k_{13}}\\ =&2\sum^1_{k_1=0} \sum^3_{k_2=0} \cdots \sum^{2n-1}_{k_n=0} \cdots \sum^{25}_{k_{13}=0}(-1)^{\lbrack \frac{k_1+k_2+\cdots+k_{13}}{2} \rbrack}x_1^{k_1}x_2^{k_2}\cdots x_{13}^{k_{13}}\\ =&0 \end{align*}
となる.
したがって, $(1-i)f(i)+(1+i)f(-i)=0$となるような$(x_1,x_2,\cdots,x_{13})$を見つければよい.
また,
\begin{align*} f(t)&=(1+x_1t)(1+x_2t+x_2^2t^2+x_2^3t^3)\cdots (1+x_{13}t+x_{13}^2t^2+\cdots + x_{13}^{25}t^{25})\\ &=\frac{(1-(x_1t)^2)(1-(x_2t)^4)\cdots (1-(x_{13} t)^{26})}{(1-x_1t)(1-x_2t)\cdots (1-x_{13} t)} \end{align*}
が成立する. このことを踏まえると,
\begin{align*} &(1-i)f(i)+(1+i)f(-i)\\ =&(1-i)\frac{(1+(x_1)^2)(1-(x_2)^4)\cdots (1+(x_{13})^{26})}{(1-x_1i)(1-x_2i)\cdots (1-x_{13} i)}+(1+i)\frac{(1+(x_1)^2)(1-(x_2)^4)\cdots (1+(x_{13})^{26})}{(1+x_1i)(1+x_2i)\cdots (1+x_{13} i)}\\ =&(1+(x_1)^2)(1-(x_2)^4)\cdots (1+(x_{13})^{26})(\frac{1-i}{(1-x_1i)(1-x_2i)\cdots (1-x_{13} i)}+\frac{1+i}{(1+x_1i)(1+x_2i)\cdots (1+x_{13} i)})=0 \end{align*}
(i)$(1+(x_1)^2)(1-(x_2)^4)\cdots (1+(x_{13})^{26})=0$のとき
$k$が偶数のとき$x_k$$1$であれば, $(1+(x_1)^2)(1-(x_2)^4)\cdots (1+(x_{13})^{26})=0$となり, この方程式は成立することがわかる.

(ii)$(1+(x_1)^2)(1-(x_2)^4)\cdots (1+(x_{13})^{26})\neq0$のとき
$$\frac{1-i}{(1-x_1i)(1-x_2i)\cdots (1-x_{13} i)}+\frac{1+i}{(1+x_1i)(1+x_2i)\cdots (1+x_{13} i)})=0\cdots(*)$$
が成立する.
このとき, $x_1,x_2,...,x_{13}$の中に含まれる$m$の数を$a_m$とすると, $a_1+a_2+a_3=13$となる.これにより, $(*)$は以下のように表せられる.
\begin{align*} \frac{i-1}{(1-x_1i)(1-x_2i)\cdots (1-x_{13}i )}&=\frac{1+i}{(1+x_1i)(1+x_2i)\cdots (1+x_{13} i)}\\ \frac{i-1}{(1-i)^{a_1}(1-2i)^{a_2}(1-3i)^{a_3} }&=\frac{1+i}{(1+i)^{a_1}(1+2i)^{a_2}(1+3i)^{a_3} }\\ \frac{(1+i)^{a_1-1}(1+2i)^{a_2}(1+3i)^{a_3}}{(1-i)^{a_1-1}(1-2i)^{a_2}(1-3i)^{a_3} }&=-1\\ i^{a_1-1}\bigg( \frac{-3+4i}{5} \bigg)^{a_2}\bigg( \frac{-4+3i}{5} \bigg)^{a_3}&=-1\cdots (**)\\ \end{align*}
このとき, $a_2\neq a_3$だと左辺が純虚数または実数にならないので, $a_2=a_3$となる.
$a_1+a_2+a_3=13$より, $a_1=13-2a_2$となるので, $(**)$より
$$i^{12-2a_2}(-i)^{a_2}=i^{a_2}=-1$$
よって, $(a_1,a_2,a_3)=(9,2,2),(1,6,6)$
鳩の巣原理により$a_1\geq 8$なら(i)は必ず満たすので, $(1,6,6)$のときのみ考えればよい.

以上より(i)を満たすパターンが$3^{13}-3^7\times2^6$通り. (i)は満たさないが, (ii)を満たすパターンは$7\times{}_{12} \mathrm{C}_6 $したがって求めるべきパターンは$3^{13}-3^7\times2^6+7\times{}_{12} \mathrm{C}_6$通りである.

あとがき

コンテスト後に頭よくなる症候群...
個人的に結構好きな問題です!!!
着実に考察を繰り返すと解けるタイプの問題であり, 一つ一つを見れば解けるレベルですが, すべてをうまく考察できた人は少ないのではないでしょうか.

次回は8,5の解説をすると思います.

投稿日:18日前
更新日:17日前
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kinonon
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