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フィボナッチ数の最大公約数が循環する

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どうも,∃数学徒です.
学校の探究の授業で得た結果を晒します.

この記事ではFnでn番目のフィボナッチ数を表すものとします.

gcd(Fn,Fn+1)でnを1から増やしていって数列をつくります.
すると,{1,1,1,,,,}という数列になります.
フィボナッチ数列の隣り合う項が互いに素であるという有名事実からこうなることは分かりますね.
次に,gcd(Fn,Fn+2)で同じことをします.
するとやはり,{1,1,1,,,,}になりました.
最後に.gcd(Fn,Fn+3)で試します.
すると,{1,1,2,1,1,2,1,1,2,,,}となります.

この実験結果をみると自然に予想が出来ると思います.

FnFn+kの最大公約数はk個飛ばしで循環する.

厳密でないので数学的表現に書き直し,証明をします.

kNに対し,数列{Gnk}をGnk=gcd(Fn,Fn+k)で定義すればGnk=Gn+kkである.すなわちこの数列は周期的である.

以下の議論ではフィボナッチ数列の隣り合う項が互いに素であることとmnFmFnFm+n=Fm1Fn+FmFn+1(ここではフィボナッチ数の加法定理という)を認める.
なお,自分はこれらの定理の証明を見ていないのでもしやこの証明は循環論法になっているかもしれない.(流石にこれらの定理の証明に自分のこの定理を使ってるはずはないと思うが)
k,nNを任意にとる.
定義によって,Gnk=gcd(Fn,Fn+k)である.
フィボナッチ数の加法定理によって,
Fn+k=Fn1Fk+FnFk+1であるから,
gcd(Fn,Fn+k)=gcd(Fn,Fn1Fk)
また,FnFn1は互いに素であるからgcd(Fn,Fn1Fk)=gcd(Fn,Fk)
ゆえに,Gnk=gcd(Fn,Fk)
同様にして,Gn+kk=gcd(Fn+k,Fn+2k)=gcd(Fn+k,Fn+k1Fk+Fn+kFk+1)=gcd(Fn+k,Fk)
以上より,gcd(Fn,Fk)=gcd(Fn+k,Fk)を示せば十分である.

n=pk+r (p,rN0)とする.このような(p,r)は必ず存在している.(除法の定理)
n+k=(p+1)k+rが従う.
gcd(Fn,Fk)=gcd(Fpk+r,Fk)=gcd(Fpk1Fr+FpkFr+1,Fk)
kpkよりFkFpkであることとFpkFpk1が互いに素であることによってFpk1Fkは互いに素であるからgcd(Fpk1Fr+FpkFr+1,Fk)=gcd(Fr,Fk)
また,gcd(Fn+k,Fk)=gcd(F(p+1)k+r,Fk)=gcd(F(p+1)k1Fr+F(p+1)kFr+1,Fk)
k(p+1)kよりFkF(p+1)kであることとF(p+1)kF(p+1)k1は互いに素であることによってF(p+1)k1Fkが互いに素であるからgcd(F(p+1)k1Fr+F(p+1)kFr+1,Fk)=gcd(Fr,Fk)
したがってgcd(Fn,Fk)=gcd(Fn+k,Fk)

投稿日:14日前
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