$P^{n-1}\subset P^n$を自然な方法で部分多様体とみる。このとき$P^{n-1}$は、任意の$C^1$級関数$P^n\to \mathbb R$の正則レベル集合として実現する事はできない。
ヒントとして、正則レベル集合と部分集合としての$P^{n-1}$の分離性を比較してください、というものがあるので、これで比較します。
$P^{n-1}$近傍の連結性
$f:P^n\to \mathbb R$を任意の$C^1$級関数とし、$f^{-1}(c)(:=N)$をその任意の正則レベル集合とする。
いま、$N$の近傍$U$を十分小さくとると、$U\backslash N$は正則レベル集合の一般論により、$\{p\in U|f(p)>c\}$と$\{p\in U|f(p)< c\}$の二つの成分に分解出来る。
ところで、$N$の十分に小さい管状近傍$T$を取ると、$N$の“上側”の部分は$P^n$の同一視により“下側”にうつるため、$T\backslash N$が連結である事がわかる。(“上側”同士、“下側”同士の点が連結なのは自明)
したがって、$(T\cap U)\backslash N$上でも連結であるが、これは先ほどの正則レベル集合の一般論と矛盾する。
よって、$f$の正則レベル集合として、$P^{n-1}$は実現できない事がわかる。
以下の証明では、交点は必ず“横断的”に交わっていることとします。
(a)正整数$p$に対し、$0$を正則値に持つ多項式函数$f_p:\mathbb R^3\to \mathbb R$で、$f_p^{-1}(0)$が種数$p$の曲面であるものが存在する。
(b)$f_p$の最小次数を求めよ(未解決(?)のため省略)
(a)にはヒントとして、$F(x,y)=0$が$R^2$内の$p-1$個の自己交点を持つ連結閉曲線である2変数多項式$F(x,y)$をとり、$F(x,y)^2+z^2-\epsilon^2$という形の関数を考える、というものがあります。
つまり、図示すれば以下のような感じです。
$p=3$の場合
$\epsilon$を少し振動させると、図のように$F(x,y)=0$を囲うような閉曲線が出来るので、$z^2$を追加してあげれば、滑らかにこれらの閉曲線に沿った曲面が出来るという寸法です。
想像しにくい場合は、自分で関数を描画して考えると良いです。(レムニスケートとか。)
(a)$p=0$の時は自明なものがあるので$p\geq 1$を考える。
$F(x,y)=0$が$R^2$内の$p-1$個の交点を持つ連結閉曲線である2変数多項式$F(x,y)$をとる。$\epsilon>0$を、$\pm \epsilon$が$F$の正則値となるようにとる。(Sardの定理より、そのような点が稠密に存在する事がわかる。)
このとき正則値定理から、レベル集合$F^{-1}(\pm\epsilon)$は、滑らかな一次元多様体(特に、有限個の閉曲線の和)になる。
いま、$G(x,y,z)=F(x,y)^2+z^2-\epsilon^2$とおく。
このゼロ集合$S=G^{-1}(0)$は正則レベル集合であり、求める種数$p$の曲面になっている。
実際、$\nabla G$を計算すると、$z\neq 0$で$z$の微分が消えないので$\nabla G\neq 0$、かつ$z= 0$で$F$は$\pm \epsilon$で正則値となるように取っているので、やはり$\nabla G\neq 0$。
よって点$0$は$G$の正則値であり、正則値定理より$S=G^{-1}(0)$は$\mathbb R^3$の滑らかな閉曲面になっている。
また、$G$の構成法により十分小さい$\epsilon$を取っていれば$F$の種数を引き継ぐので、その曲面が種数$p$である事もわかる。
以上により$f_p$としてこの$G$を取れば良い。