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現代数学問題
文献あり

【問題】射影加群・移入加群・平坦加群のなす圏が核・余核を持つのはいつか?

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加法圏の核・余核の定義や、射影・移入・平坦加群の定義は既知とします。核・余核については例えば参考文献の「圏論の技法」を、加群については例えば「環と加群のホモロジー代数的理論」を参照してください。

加法圏が核を持つとは、任意の射に対してその(圏論的な)核が存在するときをいう。同様に余核を持つ加法圏も定義する。

このページのタイトルの問題が予想以上に深くて難しそうなので、簡潔に解いてくれる挑戦者をお待ちしております。

$\Lambda$について、次の4つの圏

  1. 有限生成射影的な左$\Lambda$加群のなす圏
  2. 射影的な左$\Lambda$加群のなす圏
  3. 移入的な左$\Lambda$加群のなす圏
  4. 平坦な左$\Lambda$加群のなす圏

が、それぞれ核・余核を持つのはいつかを、8通りの組み合わせそれぞれについて、$\Lambda$の言葉で(ネーター性などや、ホモロジー次元の言葉で)特徴づけよ。

もちろん上の4個の圏は左$\Lambda$加群のなす圏の充満部分圏として考えます。つまり射は普通の$\Lambda$加群の準同型のことです。

想定している回答は例えば「それは$\Lambda$が右ネーター環で$\Lambda$の大域次元が$5$のときだ」のような特徴づけです。

一応非可換な環を想定していますが、可換な場合に限定した回答もお待ちしております。

例えば「有限生成射影的$\Z$加群のなす圏は余核を持たない!なぜなら$2$倍写像$\Z \to \Z$の余核$\Z/2\Z$は射影的でないからだ!」という議論は誤りです。なぜなら、$\Z/2\Z$$\Z$加群の圏での余核ですが、それとは別に独立して、小さい圏(有限生成射影加群の圏)の中で$2$倍写像の余核が存在する場合もありうるからです。実際、有限生成射影$\Z$加群のなす圏は余核を持ちます

回答はMathlogで記事を書くか、twitterで@henomoto1025にリプをするかなどでお気軽にください。もちろん8通り全部でなくても1つでも歓迎です。組み合わせのうちいくつかは、ホモロジー代数のよい練習演習問題になると思います。

いくつかの組み合わせについてまだ私も簡潔な証明を与えることができていません。みなさんよければ考えて教えて下さい。

参考文献

[1]
中岡 宏行, 圏論の技法, 日本評論社
[2]
岩永 恭雄、佐藤 眞久, 環と加群のホモロジー代数的理論, 日本評論社
投稿日:2021512

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H.E.
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某大ポスドク、詳しくはtwitterまで。自分の分野(環の表現論)でよく使われるfolkloreの解説記事を主に書いています。

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