問題は こちら です.
「三角形ABCの内心をI, 内接円をωとする. また, 辺BCの中点をMとする. 点Aを通り直線BCに垂直な直線と, 点Mを通り直線AIに垂直な直線の交点をKとするとき, 線分AKを直線とする円はωに接することを示せ. 」
初等で解くとかなり少ない手順で解けるらしいのですが, 今回は複素平面を使って解いていきたいと思います.
以下, 計算式中に大きな文字の
まず, 問題文中で三角形と内接円が与えられ, なおかつ内心も出てくるということから, 内心を0, 内接円と辺の3つの接点をそれぞれ文字で置いて, A, B, C の座標を求めていくという解法が思いつきます.
(ここらへんのことは『獲得』に載っています. 調べてみましょう. )
ここではBC上, CA上, AB上の接点をそれぞれ
となることがすぐにわかります.
また, 点Kの座標を
この計算を行うと,
が導かれます. これは複素計算の良い練習になるので, 一度やってみて損はないと思います.
これですべての頂点の座標が求まったので, あとは主張を導くだけです. 線分AKを直径とする円の方程式と
「AKの中点(AKを直径とする円の中心)と内心I(内接円ωの中心)の距離が, 二円の半径の差または和になればよい」
とします. これは円の性質からすぐわかることなので, 不安な人は確かめておきましょう.
これを実行するために, AKの中点をNとおいてその座標を求めます. この座標を
また,
となります. ここから
がわかりました. 同様に, 直径をAKとする円の半径, つまり
このとき,
としたときの
ここで,
が導かれます. いま, AKを直径とする円の半径を
と表せる. 先ほど述べた理由から,
「
を示せばよいことになります.
いま
[1]
[2]
[3]
以上より, 題意が示されました
ここまで読んでいただきありがとうございました. 疑問点や不審な点、その他要望等がありましたら, コメントで教えていただけるとありがたいです.