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回転面の方程式を求める

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こんにちは。ととといいます。こう書くと「と」が多いのでどうにかしたいですね...
Mathlogにまだあまり慣れていないですが、のんびり書いていきます。

今回扱う問題

昨日ツイートした問題です。

2(1,0,1), (0,1,0)を結ぶ直線lx+y=2, z=0を軸に一回転させた曲面の方程式を求めよ

これについて、色々と書いていこうかと思います。

設定を簡単にした問題

2(0,0,1) (1,0,0)を結ぶ直線lz軸の周りに一回転させた曲面の方程式を求めよ

まずはこれを解きましょう。
回転させる系統の問題の定石として、「切ってから回す」というのがあると私は思っているので、この方針に従って求めていきましょう。

まず、「切る平面」を定めます。当然ですが、これは回転軸に対して垂直に取りましょう。ここではシンプルに、z=tで切ります。今、この平面上かつl上の点は(1t,0,t)です。従って、この平面上で回転させると点の軌跡は円x2+y2=(1t)2となります。これをtをパラメーターだと思って実数全体で動かすと「直線lを回転させた」軌跡が求まるわけです。従って求める方程式は、t=zを代入して x2+y2=(1z)2 となるわけです。

同じ手法で問1を解こうとしてみる

まず、「切る平面」を定めましょう。ここではy=x+tで切ることにします。ハイ、切れました。思ったより柔らかかったです。では次にこの平面上での点の軌跡を考えたいわけですが、これ、どうもうまくいかないですよね。斜め向きの円...?みたいになってしまって。問2はうまくxy平面に平行だったので綺麗に円の方程式が求まりましたが、このようにどの軸にも平行でなければ、少し戸惑うわけです。

問2を同値変形して違う見方をする

ここで一つ、問2の式について見方を変えてみましょう。
{z=tx2+y2=(1t)2{z=tx2+y2+(zt)2=(1t)2
まず、一つ目の式は「円柱かつ平面」でz=t上の軌跡を表していますよね。
そしてこれを同値変形した二つ目は「球面かつ平面」でも同じ軌跡が表されるということを示しています。
ここで、もし回転軸がどの軸にも平行でなかったとしましょう。このとき、「円柱かつ平面」で方程式を出そうとするなら、斜め向きの円柱を考えなくてはいけません(これは大抵面倒です)。しかし「球面かつ平面」ならどうでしょう。球面というのは半径と中心さえわかっていれば特に「向き」のようなものは存在しないので簡単に方程式が立てられます。

円柱かつ平面 円柱かつ平面

球面かつ平面 球面かつ平面

つまり、球面で方程式を求めるメリットとしては、回転軸の向きによらないという点があります。それでは、球面を使って問1を解きましょう。

問1 解答

大学の課題の存在を失念していたので解答だけ書きます。計算は読者への演習とします。
答え : x2+y2+4z2+6xy10x6y+5=0

終わりに

回転軸が軸に平行だった場合は当然円柱でとけば良いです。楽なので。しかし、そうでない場合にはこの記事で見たように、球を使うことが有効になることが多いと思います。余力があれば東京大学2013理系数学の6を解いてみてください。これも斜め軸回転の問題で、球面をつかう解法があります。ちなみに円錐なのでベクトルの内積を使う解法もありますが(電数ではこの方針です)、それらの比較をしてみるのも良いかもですね〜。

投稿日:2021523
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とと
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Mathlogを始めてみました。ところでMathlogってどんな対数なんですか?

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