日常では「気分がマイナス」「マイナスの評価」などと言いますが、これらはポジティブの逆、ネガティブの意味です。
数学的にも、マイナスは逆を意味します。
例えば、現在地から東に3歩歩き、西に1歩歩くと、東から2歩の位置にいます。
さらに西に5歩歩くと、現在地から西に3歩の位置にいるはずです。
この時、「東から-3歩の位置にいる」とも言えます。
体重が増えた時にプラス5kg、マイナス5kgなどと言いますが、プラスの場合は体重の増加、マイナスの場合は体重の減少を表します。
ちなみに、全ての物は重量を持つため、重さ自体はマイナスにはなりません。
マイナスになることがあるのは量です。
例えば、次のアンケートを取ったとします。
質問:あなたはコーラが好きですか?
このように書き換えることができます。
質問:あなたはコーラが好きですか?
1~5の場合、平均は3ですが、-2~2の場合は平均が0なので分かりやすいです。
アンケート結果は集計後グラフにすることが多いので、1~5にした方がよさそうです。
ゼロサムとは、合計(sum)が0(zero)になることを言います。
スーツを脱いだサムスのことではありません。
マイナスをうまく使うと、合計を0にすることができます。
特に、1人のプレイヤーがどんな行動をしても、プレイヤー全体の損益が合計0になるゲームをゼロサムゲームと言います。
例えば、AさんとBさんがお金を貸し借りする場合
このとき、マイナスの概念があった方が計算が楽です。
マイナスの概念がない場合、表にまとめると分かりやすいです。
所持金で表にまとめましょうか。
A | B | |
---|---|---|
1000 | ||
3000 | ||
500 | ||
計 | 3000 | 1500 |
この時、所持金を同じにすると公平になります。
Bさんの方が1500円足りないので、AさんはBさんに1500円返す必要があります。
マイナスを使う場合
A | B | |
---|---|---|
-1000 | 1000 | |
3000 | -3000 | |
-500 | 500 | |
計 | 1500 | -1500 |
この時、Bはマイナスなので、Bの方が損していることが一目でわかります。
すると、AさんがBさんに1500円返さなくてはならないことがわかります。
花札に「花合わせ」というゲームがあります。
3人でするゲームで、役を作った人は得点なのですが、その得点分は他の人から引かれます。
例えば、AさんとBさんとCさんでゲームする場合、Aさんが100点を取ったとします。
A | B | C | |
---|---|---|---|
1月 | 100 | -50 | -50 |
BさんとCさんは100÷2=50点分引かれることになります。
すると、合計は必ず0になります。
次に、Bさんが70点とるとこうなります。
A | B | C | |
---|---|---|---|
1月 | 100 | -50 | -50 |
2月 | 65 | 20 | -85 |
この時点での順位はA、B、Cの順です。
合計は必ず0になります。
ちなみに麻雀だと合計が必ず25,000×4=100,000点となります。
このように、マイナスにはプラス分を調整する役割があります。
「マイナス×マイナス = プラス」ということが理解できない人が多いようですが、説明方法をここにまとめておきます。
A4紙に、中心から3cm右の位置に点を打った。
上下をひっくり返すと、中心から3cm左の位置に点を打つことになる。
よって、上下をひっくり返すということは
今度は、中心から3cm左の位置に点を打った。
上下をひっくり返すと、中心から3cm右の位置に点を打つことになる。
上下をひっくり返すことは