を正の整数,を奇数の素数とし,はで割った余りがである自然数とする。また自然数を
と定める。このときが持つ素因数の個数とが持つ素因数の個数は等しいことを示せ。
例えば,,としますと,
と素因数分解されますので,とはいずれもで回割り切れることが分かります。
問題 1 におけるのとき
を正の整数とし,はで割った余りがである自然数とする。また自然数を
とする。このときが持つ素因数の個数とが持つ素因数の個数は等しいことを示せ。
例えば,としますと,
となります。
解答案
問題1の解答例
を素数とし,はで“きっかり”回割れるとする。このときはと表せる(はと互いに素)。このとき,
である。右辺の分子はさらに次の形に因数分解できる。
なので,
である。とは互いに素だから,はで割り切れない。よって
がで何回割り切れるかを考えればよい。次の等式を利用する。
ここでは奇数の素数で,だったので,はある整数を用いてと表される。式の因数を書き換えると,
となっている。この式を展開して整理すると,次のようになる。
部分についてはで割り切れるので,はきっかりで割り切れる。従ってはきっかりで回割り切れることになり,これはがで回割り切れることに等しい。
問題2の解答案【前半は問題1と同様の議論】
問題1の解答案において,
までの議論はであっても同様である。このはにおいては,
と書き表せる。またとすると,となる。従って式は,
と表され,はの倍数だがの倍数でないため,はできっかり回で割り切れる。よってもできっかり回割り切れる。
この問題は自分が高校生の頃に考えた問題です。答案では,式にセンスが光りました。割り切れる回数を考察するために因数分解を行うという発想は普通ですが,式のように一見自明でない因数分解によって解決できた爽快感は,今でも記憶に残っています。
追記
コメントにて
delta
様から,類題を見たことがある旨を教えてくださいました。
近畿大学理学部数学コースのイベント記事
内のpdf,及びコメントのURLから閲覧が可能です。