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数列の漸化式の一般項を求める問題

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$$\newcommand{arccosec}[0]{\textrm{arccosec}} \newcommand{arccot}[0]{\textrm{arccot}} \newcommand{arccsc}[0]{\textrm{arccsc}} \newcommand{arcosech}[0]{\textrm{arcosech}} \newcommand{arcosh}[0]{\textrm{arcosh}} \newcommand{arcoth}[0]{\textrm{arcoth}} \newcommand{arcsch}[0]{\textrm{arcsch}} \newcommand{arcsec}[0]{\textrm{arcsec}} \newcommand{arsech}[0]{\textrm{arsech}} \newcommand{arsinh}[0]{\textrm{arsinh}} \newcommand{artanh}[0]{\textrm{artanh}} \newcommand{cosec}[0]{\textrm{cosec}} \newcommand{cosech}[0]{\textrm{cosech}} \newcommand{csch}[0]{\textrm{csch}} \newcommand{sech}[0]{\textrm{sech}} $$

漸化式$\displaystyle a_1=1,a_2=1,a_{n+2}=\frac{{a_{n+1}}^2+(-1)^{n-1}}{a_n}$で定まる数列$\{a_n\}$の一般項を求めてください。

単純な式変形や変換で等差数列や等比数列などに帰着できる方法がすぐには見つけられないので結構厄介です。
$3$項以降も計算してみましょう。
$a_1=1$
$a_2=1$
$a_3=2$
$a_4=3$
$a_5=5$
$a_6=8$
$a_7=13$
$a_8=21$
ここで、勘のいい人は「漸化式は$a_{n+2}=\frac{{a_{n+1}}^2-(-1)^{n-1}}{a_n}$と分数になっているのに、どうして各項はずっと整数なんだ?」と思うかもしれません。
もっと勘の鋭い人は「もしかして$a_{n+2}=a_{n+1}+a_n$になってる?」「これ、フィボナッチ数列じゃね?」と思うでしょう。
たしかに$a_1$$a_2$が整数で$a_{n+2}=a_{n+1}+a_n$なら、明らかにそれ以降も全部整数です。

実際、本当にフィボナッチ数列なんですが、これを証明してみましょう。

数列$\{b_n\}$$\displaystyle b_n=\frac{a_{n+2}-a_n}{a_{n+1}}$で定義します。

右辺は問題の漸化式から、
$\displaystyle \begin{align} b_n & = \frac{a_{n+2}-a_n}{a_{n+1}} \\ & = \frac{\frac{{a_{n+1}}^2+(-1)^{n-1}}{a_n}-a_n}{a_{n+1}} \\ & = \frac{{a_{n+1}}^2-{a_n}^2+(-1)^{n-1}}{a_na_{n+1}} \end{align}$
と変形できます。

ここで、$b_{n+1}$を計算すると、
$\displaystyle \begin{align} b_{n+1} & = \frac{{a_{n+2}}^2-{a_{n+1}}^2+(-1)^n}{a_{n+1}a_{n+2}} & \\ & = \frac{{a_{n+2}}^2-({a_{n+1}}^2+(-1)^{n-1})}{a_{n+1}a_{n+2}} & \\ & = \frac{{a_{n+2}}^2-a_na_{n+2}}{a_{n+1}a_{n+2}} & \bigg(\leftarrow a_{n+2}=\frac{{a_{n+1}}^2+(-1)^{n-1}}{a_n}なので、{a_{n+1}}^2+(-1)^{n-1}=a_na_{n+2}\bigg)\\ & = \frac{a_{n+2}-a_n}{a_{n+1}} & \\ & = b_n & \end{align}$

よって、$b_{n+1}=b_n$です。
また、$b_1=\frac{a_3-a_1}{a_2}=\frac{2-1}{1}=1$なので、
数学的帰納法から$\{b_n\}$$n$に依らず$b_n=1$であることが分かります。

従って、$\displaystyle 1=\frac{a_{n+2}-a_n}{a_{n+1}}$から、$a_{n+2}=a_{n+1}+a_n$であることが証明できました。$\Box$

$a_1=1,a_2=1,a_{n+2}=a_{n+1}+a_n$であることが分かったので、あとは典型的な$3$項間漸化式です。
これの解き方は調べればすぐに分かるので省略します。

答えは$\displaystyle a_n=\frac{1}{\sqrt{5}} \bigg\{\bigg(\frac{1+\sqrt{5}}{2}\bigg)^n-\bigg(\frac{1-\sqrt{5}}{2}\bigg)^n\bigg\}$です。

※補足
「数学的帰納法とか使わないで、もっと直接的な式変形で
$\displaystyle \begin{align} a_{n+2} & = \frac{{a_{n+1}}^2+(-1)^{n-1}}{a_n} \\ & = \cdots \\[5pt] & = a_{n+1}+a_n \end{align}$
と示すことはできないの?」
と思う人がいるかもしれません。
$\displaystyle a_1=1,a_2=1,a_{n+2}=\frac{{a_{n+1}}^2+(-1)^{n-1}}{a_n}\Leftrightarrow a_1=1,a_2=1,a_{n+2}=a_{n+1}+a_n$が成り立つのは、
たまたま初期値が$a_1=1,a_2=1$であるからであり、
一般の初期値では、$\displaystyle \frac{{a_{n+1}}^2+(-1)^{n-1}}{a_n}\nLeftrightarrow a_{n+1}+a_n$です。
なので、直接式変形で$\displaystyle a_{n+2}=\frac{{a_{n+1}}^2+(-1)^{n-1}}{a_n}=\cdots=a_{n+1}+a_n$としようとするのは無理があるように思えます。。。

以上、読んでいただきありがとうございました。

投稿日:2021710
更新日:429

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SunPillar
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