この記事はTwitterの ポテト一郎( @potetoichiro ) さんのツイート「 【話題】1=1を証明して下さい! 」への応募作品として作った記事です。ネタ要素が強いのでそのつもりでご笑覧いただければと思います。
まず、$\cos x$ をマクローリン展開します。
${\displaystyle \cos x=1-\frac{x^2}{2!}+\frac{x^4}{4!}-\frac{x^6}{6!}+\frac{x^8}{8!}\mp\cdots }$
$x$ を $x+2\pi$ に置換すると
${\displaystyle \cos(x + 2\pi)=1-\frac{(x + 2\pi)^2}{2!}+\frac{(x + 2\pi)^4}{4!}-\frac{(x + 2\pi)^6}{6!}+\frac{(x + 2\pi)^8}{8!}\mp\cdots }$
$\cos x=\cos(x + 2\pi)$であるから
${\displaystyle 1-\frac{x^2}{2!}+\frac{x^4}{4!}-\frac{x^6}{6!}+\frac{x^8}{8!}\mp\cdots\\ \,\,=1-\frac{(x + 2\pi)^2}{2!}+\frac{(x + 2\pi)^4}{4!}-\frac{(x + 2\pi)^6}{6!}+\frac{(x + 2\pi)^8}{8!}\mp\cdots }$
この式の両辺の同じ次数の係数を比較することで、次のようにいろいろな無限級数が得られます。
$1$ 次の項の係数を比較すると
${\displaystyle
0=-\frac{{2 \choose 1}2\pi}{2!}+\frac{{4 \choose 1}(2\pi)^3}{4!}
-\frac{{6 \choose 1}(2\pi)^5}{6!}+\frac{{8 \choose 1}(2\pi)^7}{8!}
\mp\cdots
}$
${\displaystyle
\therefore 0=\frac{2\pi}{1!}-\frac{(2\pi)^3}{3!}
+\frac{(2\pi)^5}{5!}-\frac{(2\pi)^7}{7!}
\pm\cdots
}$
$2$ 次の項の係数を比較すると
${\displaystyle
-\frac{1}{2!}=-\frac{{2 \choose 2}(2\pi)^0}{2!}+\frac{{4 \choose 2}(2\pi)^2}{4!}
-\frac{{6 \choose 2}(2\pi)^4}{6!}+\frac{{8 \choose 2}(2\pi)^6}{8!}
\mp\cdots
}$
${\displaystyle
\therefore 1=1-\frac{(2\pi)^2}{2!}
+\frac{(2\pi)^4}{4!}-\frac{(2\pi)^6}{6!}
\pm\cdots
}$
$0$ 次の項の係数を比較すると
${\displaystyle 1=1-\frac{(2\pi)^2}{2!}+\frac{(2\pi)^4}{4!} -\frac{(2\pi)^6}{6!}+\frac{(2\pi)^8}{8!} \mp\cdots }$
この式の右辺は先ほど「$2$ 次の項の係数比較」で得られた式と同じですから $1$ に等しくなります。
$\therefore1=1$
無限級数を作るのと同じ方法で $1=1$ が得られました!
人によっては「自明だな」と思われたかもしれません。
しかし、こんなふうに三角関数のマクローリン展開の $x$ を $x+\pi$ や $x-\pi$ や $-x$ などに置き換えて符号を合わせて係数比較して遊んでみると、変形したはずなのに元に戻ったり、よく見る式になったりして楽しいですので、いろいろ遊んでみてはどうでしょうか。