※ここで紹介しているのはあくまで理論上の話です。
常に交通安全を心がけましょう
日本の道路交通法では、車は左側通行となっています。
歩行者から見ると、横断歩道を渡るときに、右から車が来ることになります。
なので、まず右を見てから左を見る、とした方が安全に渡りやすいと思われます。
さて、本当でしょうか?
以下のように考えます。
$→$ | ||||
$←$ | ||||
$○$ |
$○$:人
$←$:右から来る車
$→$:左から来る車
1.人は最初、上から4段目の真ん中のマスから始まり、1段目に行けば終了です。
2.人は、左を見た後のターン、任意のタイミングで1ターンに1マスずつ進みます。
一度進んだら戻ったり、止まることはできません。
3.車は1ターンに、$←$は左に、$→$は右に1マスずつ進み、渋滞は考えないものとします。
4.$→$は上から二段目にしか入れず、$←$は上から三段目にしか入れません。
5.人と車は、同時に同じマスに入ることはできません。
6.車の数には制限がないものとします。
例えば、以下のようになります。
$→$ | ||||
$←$ | $←$ | |||
$○$ |
↓
$→$ | ||||
$←$ | $○$ | $←$ | ||
↓
$○$ | $→$ | |||
$←$ | ||||
↓
$○$ | ||||
---|---|---|---|---|
$→$ | ||||
$←$ | ||||
また、以下の場合もあるかもしれません
$→$ | $→$ | $→$ | $→$ | $→$ |
$←$ | $←$ | $←$ | $←$ | $←$ |
$○$ |
この場合、人は渡れません。
注目すべきは、上から2段目の左から数えて1マス目と2マス目、上から3段目の右から数えて1マス目と2マス目のみを見ていればよいという点です。
なぜなら、もし真ん中の列に車があった場合、人が歩く頃には既に移動しているので、車がいてもいなくても無視できます。
また、通り過ぎた車は数えなくても良いので、無視できます。
つまり、上記の4マスだけ見ればよいのです。
ここで、車がいた場合を1、いなかった場合を0とし、上から2段目を行列の上段、上から3段目を行列の下段として行列に表すと
$$ \begin{eqnarray} \left( \begin{array}{cc} a_1 & a_2 \\ b_1 & b_2 \end{array} \right) \end{eqnarray} $$
$$a_1, a_2, b_1, b_2 \in \lbrace 0, 1 \rbrace$$
この時渡れるのは、$a_1 = b_1 = 0$の時のみです。
例えば、以下の表の場合の行列は以下の通りです
$→$ | ||||
$←$ | ||||
$○$ |
$$ \begin{eqnarray} \left( \begin{array}{cc} 0 & 1 \\ 0 & 1 \end{array} \right) \end{eqnarray} $$
$a_1 = b_1 = 0$なので、無事渡れます。
今、右を見た後に左を見たパターンをしましたが、これは左を見た後に右を見た時も同じことが言えます。
よって、数値だけで見た場合、右から見ても左から見ても安全性は同じといえます。
※もう一度言いますが、ここで紹介しているのはあくまで理論上の話です。
慢心せず、常に交通安全を心がけましょう