今回の記事は、三年ほど前に某ブログにて書かせていただいた私の記事の移植です。
読んだことあるぞ?って方もそうでない方も、改めてお楽しみいただければ幸いです!
こんな計算をご存知でしょうか?
$12345679×9=111111111$
この式に初めて出会った時、私は $1$ から $9$ の数字と $1$ が並んでいることに数の神秘を感じました。でも、よーくみるとなんだか違和感。そう、$8$ が抜けてるんです。
うわー、惜しい! かといって試しに $8$ を入れて $123456789×9$ を計算してみると $1111111101$ で、今度は $0$ がジャマ。。゚(゚´Д`゚)゚。
でも待って。ここで私は「抜けてるようで実は抜けてない説」に気付きました! どゆことかと言いますと、「$12345679$」を桁ごとに間をあけて書くと、ホントは小数点第二位まであって「$1~2~3~4~5~6~7~8.~9~10$」なんじゃないかなって思ったんです。
筆算を思い出していただき、一番下の桁から繰り上がりをしていくと
「$1~2~3~4~5~6~7~8.~9~~10$」からの~
「$1~2~3~4~5~6~7~8.~10~~0$」からの~
「$1~2~3~4~5~6~7~9.~~~0~~0$」
ホラ、同じじゃないですか(`ー´) ドヤッ!
とはいえ、これだけではまだ意味がよくわからないかもしれませんので別アプローチで補強しましょう。
数字が順番に並ぶ計算は他にも「$1\div9801=1\div99\div99=0.00010203\cdots$」というのがあります。小数点以下に $00$ から $99$ までの二桁の数が並び、以降は再び $00$ へ戻ってループ…なのですが、なんとこちらも $98$ が抜けてるという共通点。
「$1\div998001=1\div999\div999=0.000001002003\cdots$」もやっぱり同様で、$000$ から $999$ までの三桁の数が並ぶものの $998$ が抜けています。
実はこれらも「抜けてるようで実は抜けてない説」なんです。
例として、一番シンプルな $1\div81=1\div9\div9$ で検証してみますね。
$\begin{array}{l} &~~(1\div9)\div9\\ =&~~(0.111\cdots)\div9\\ =&~~(0.1+0.01+0.001+\cdots)\div9\\ =&~~~0.~0~1~1~1\cdots&\textcolor{#f7c}{\leftarrow0.1\div9}\\ &+0.~0~0~1~1~1\cdots&\textcolor{#f7c}{\leftarrow0.01\div9}\\ &+0.~0~0~0~1~1~1\cdots&\textcolor{#f7c}{\leftarrow0.001\div9}\\ &\quad\quad\quad\vdots\\ =&~~~0.~0~1~2~3~4~5~6~7~8~9~10~11~12~\cdots\\ =&~~~0.~0~1~2~3~4~5~6~7~9~0~~~1~~~2~~~3\cdots \end{array}$
つまり、「抜けてるようで実は抜けてない」というのは「桁の繰り上がりによってあたかも抜けたように見える」というミラクル現象だったんですね!