はじめに
こんにちは. kkkaaaです. 私は今日, 暇なので, OMC040のコンテスト中に思いついたF問題の解法を思考過程と共に紹介します. 暇ならもっと別のことをやるべきでは
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問題
を正整数とします. 数列 を
で定めるとき, なる合成数, 素数, 以上の整数 の組の個数をとします. このとき
を求めてください. ただし, いずれも小数第位で四捨五入した値として, 以下が保証されます.
解答
ここからは私がコンテスト中に思いついた解答となります.
まず, について実験します. を決めて考えるのは性質が見えづらいように思うので, をの多項式として表します.
が因数分解できることに注目します. となるを求めてみると, との最大公約数はまたはであるため, となります. このように, 因数分解が可能な場合は最大公約数を利用してを決定しやすいので, 因数分解ができるかどうかについても考えて実験します.
この実験から, がの倍数ならはの倍数になりそうです.
, ならばとなるため, 合同式の法をの約数として考えると, 帰納的にがの倍数であることとがの倍数であることが同値であることが示されました.
よって, がの倍数となるような最小の正整数をとると, ならばの正の約数はの倍数であるか, です. は広義単調増加なので, の,でない正の約数はの倍数です. が偶数かどうかで場合分けして考えると, を素数, を正整数としてまたはとなることがわかります. いずれの場合もならば, が奇素数ならばです.
ここから数列について考えていきたいですが, この方針はあまり上手くできそうにないです. そのため, 数列を直接考察していきます.
でがの倍数でないときを無視したいですし, の関係を探してみます.
ここで, より一般に, , , として数列を考えます. 実験をするとこのようになります.
このような数列を設定した意図は, , とすると, となるからです.
は多項式を用いてと表せます.
と自然に定義可能(漸化式を満たすように定義可能だということ)であることに留意して,
, を代入すると, .
を代入すると, .
よって, , であるため, となります.
よって, , とすると, となりました.
また, 以下の変形も便利そうな感じです.
これらを利用すると, , の値から, の値を考察することができそうです. , とおいて, 式それぞれに, を代入してについて実験してみます.
の変数だと随分見づらいし, 計算ミスもしそうなのでこの辺で止めましょう. のときはの約数だったので, は冪です. そこで, で考えればが消えて, 良さそうです. (はの倍数だから. )
帰納的に, , となることが容易にわかります.
ここからは, の素因数が大きく影響しそうなので, 場合分けをしてから考えます.
- が奇数のとき
上の議論から, 奇素数を用いてとなり, です.
は合成数であるため, はの倍数であるため, , はいずれも冪で, となるため, はの倍数です. よって, がの倍数であることが必要で, はの倍数でないため, , です. より, 簡単な不等式評価で, となるので, 後は個別撃破するだけです.
のときはは冪でないため矛盾.
のときはは冪でないため矛盾.
(もしこれが冪になったときは, などとして同様の議論をして決定させるつもりでした. ) - が偶数のとき
上の議論から, 素数を用いてとなり, またはです.
のとき, はの倍数であるため, , はいずれも冪で, となるため, はの倍数です. よって, がの倍数であることが必要で, はの倍数でないため, , です. よって, で, このとき, より, が冪でないためのみが適することがわかります.
のとき, より, となります.
後は数えるだけです.
のとき. 問題で与えられた値よりのとき, のとき, のとき. のとき, のとき.
よって, これら通りが適するため, 求める値はでした.
おわりに
がの倍数であることとがの倍数であることが同値であることはから示せますが, この記事ではコンテスト中に私が考えた順番を優先しました.
OMC公式の解説
の方が強い結果で, みたいな変なケースも一気に消せています.
この議論におよそ分もかけてしまったので, E問題までで位に分弱の差をつけていても抜かされるのは当然といえば当然でしょう.