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高校数学解説
文献あり

対数積分Li(x)のx→0,1,∞における挙動について

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はじめに

 この記事では対数積分
Li(x)=0xdtlogt
x1において
Li(x)=log|x1|+γ+o(1)
と近似できることを示します。ここでγはオイラー定数limn(k=1n1klogn)としました。
 ついでにx0およびxにおいて
Li(x)=xlogx+O(xlog2x)
と近似できることを示します。

オイラー定数の変形

logx=0(etext)dtt

logx=1x1udu=1x0eutdtdu=0(etext)dtt
とわかる。

γ=0(et1etett)dt

γ=limn(k=1n1klogn)=limn(k=1n0ektdt0(etent)dtt)=0(et1etett)dtlimn0(ent1etentt)dt=0(et1etett)dt
とわかる。

対数積分の挙動について

limh0(Li(1+h)log|h|)=γ

 補題2においてet=uと変数変換すると、etdt=duなので
γ=0(11et1t)etdt=10(11u1logu)du=01(1logu1u1)du=limh001+h(1logt1t1)dt=limh0(01+hdtlogt[log|t1|]01+h)=limh0(Li(1+h)log|h|)
とわかる。

 a>0およびa1において
limx0(Li(ax)log|x|)=γ+log|loga|
が成り立つ。

 ax=1+hとおくと
limx0(Li(ax)log|x|)=limh0(Li(1+h)log|log(1+h)loga|)=limh0(Li(1+h)log|h|)+log|loga|+limh0log|log(1+h)h|=γ+log|loga|+log1=γ+log|loga|
とわかる。

おまけ:x0,について

 x0およびxにおいて
Li(x)=xlogx+O(xlog2x)
が成り立つ。

x0について

Li(x)=[tlogt]0x0xt(1tlog2t)dt=xlogx+0xdtlog2t
であって、0<t<x<1において0<logx<logtより
|0xdtlog2t|xlog2x
なので主張を得る。

xについて

Li(x)=[tlogt]2x+2xdtlog2t+Li(2)=xlogx+2xdtlog2t+O(1)
であって、
|2xdtlog2t|2xdtlog2t+xxdtlog2tx2log22+xxlog2x=O(xlog2x)
なので主張を得る。

参考文献

投稿日:20211111
更新日:2024122
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投稿者

子葉
子葉
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主に複素解析、代数学、数論を学んでおります。 私の経験上、その証明が簡単に探しても見つからない、英語の文献を漁らないと載ってない、なんて定理の解説を主にやっていきます。 同じ経験をしている人の助けになれば。最近は自分用のノートになっている節があります。

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  1. はじめに
  2. オイラー定数の変形
  3. 対数積分の挙動について
  4. おまけ:$x\to0,\infty$について
  5. 参考文献