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黄金比とフィボナッチ数列

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黄金比

黄金比

$$1:\frac{1+\sqrt 5}{2}$$黄金比という。

$\phi=\frac{1+\sqrt 5}{2}$とします。
$x^2-x-1=0$の解の1つです。
$\phi$はこんな表示もできます。

$$\phi=1+\frac{1}{1+\frac{1}{1+\cdots}}\\=\sqrt{1+\sqrt{1+\sqrt{1+\cdots}}}$$

フィボナッチ数列との関係

フィボナッチ数列

$$F_1=1,F_2=1,\\F_n=F_{n-1}+F_{n-2}$$で定まる数列$\{F_n\}$フィボナッチ数列という。


$$\phi^2=\phi+1$$が成り立つので
$$\phi^3=\phi^2+\phi=2\phi+1$$
となります。
同様にして、
$$\phi^4=3\phi+2,\\ \phi^5=5\phi+3,\\ \phi^6=8\phi+5$$
が求まります。
ここまで計算すれば次の式に気づくと思います。

2以上の自然数$n$に対して、
$$\phi^n=F_n \phi+F_{n-1}$$
が成り立つ。ただし、$F_n$$n$番目のフィボナッチ数とする。

数学的帰納法で示す。
[1]$n=2$のときは明らかに成り立つ。
[2]$n=k(k\geqq2)$のときに成り立つと仮定すると、
$$\phi^{k+1}=\phi・\phi^k\\=\phi(F_k \phi+F_{k-1})\\=(\phi+1)F_k+\phi F_{k-1}\\=(F_k+F_{k-1})\phi+F_k\\=F_{k+1}\phi+F_k$$
よって、$n=k+1$のときにも成り立つ。
[1],[2]から、題意は示された。

フィボナッチ数列の一般項

先ほど示した式から、
$$\phi^{n-1}=F_n+\frac{F_{n-1}}{\phi}\\F_n=\phi^{n-1}-\frac{F_{n-1}}{\phi}$$
となるので、これを繰り返し用いて、
$$F_n=\phi^{n-1}-\frac{1}{\phi} (\phi^{n-2}-\frac{F_{n-2}}{\phi})\\=\phi^{n-1}-\phi^{n-3}+\frac{F_{n-2}}{\phi^2}$$
$\vdots$
$$=\phi^{n-1}-\phi^{n-3}+\phi^{n-5}-\cdots+\frac{(-1)^{n-1}}{\phi^{n-1}} F_1\\=\phi^{n-1}-\phi^{n-3}+\phi^{n-5}-\cdots+\frac{(-1)^{n-1}}{\phi^{n-1}}$$
よって、
$$\frac{F_n}{\phi^{n-1}}=1-\frac{1}{\phi^2}+\frac{1}{\phi^4}-\cdots+\frac{(-1)^{n-1}}{\phi^{2(n-1)}}$$
これは、初項1,公比$-\frac{1}{\phi^2}$,項数$n$等比数列の和であるから、
$$\frac{F_n}{\phi^{n-1}}=\frac{1-(-\frac{1}{\phi^2})^n}{1-(-\frac{1}{\phi^2})}$$
したがって、
$$F_n=\frac{\phi^{n-1}-\frac{1}{\phi}(-\frac{1}{\phi})^n}{1+\frac{1}{\phi^2}}\\=\frac{\phi^n-(-\frac{1}{\phi})^n}{\phi+\frac{1}{\phi}} $$
これで一般項が求まりました!
$\phi+\frac{1}{\phi}=\sqrt5$なので、

ビネの公式

フィボナッチ数列の一般項は
$$ F_n=\frac{\phi^n-(-\frac{1}{\phi})^n}{\sqrt5}$$
と表される。

最後まで見てくださってありがとうございました。

投稿日:20211116

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投稿者

Omicron
Omicron
14
1315
オミクロン株出てくる前からこの名前でした。

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