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2次方程式の解の配置

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数学Ⅰで出てくる2次方程式の解の配置(存在範囲)の問題についてです。

ここでは、2次方程式が重解を持つとき、解の個数は2個とカウントします。

$x$の2次方程式$$x^2-ax+b=0 \cdots(*)$$$p\leqq x \leqq q$の範囲に持つ解の個数と定数$a,b$にはどんな関係があるか。$($ただし$a,b$は実定数で、$p\leqq q$とします。$)$

グラフの問題に帰着させる

$(*)$$4$倍して
$$4x^2-4ax+4b=0$$
よって
$$(2x-a)^2=a^2-4b$$
この右辺は$(*)$の判別式$D$に等しいです。

ということで、$(*)$$p\leqq x \leqq q$の範囲に持つ解の個数は、放物線$y=(2x-a)^2$と直線$y=D$$p\leqq x \leqq q$の範囲での共有点の個数に等しいことが分かりました。

共有点の個数を求める

$f(x)=(2x-a)^2$とおきます。$y=D$は定数関数なので、$y=f(x)$のとりうる値の範囲を求め、(その範囲内の与えられたある$y$に対して$y=f(x)$となる)$x$の個数がどんなときに1個になったり2個になったりするか考えます。

$y=f(x)$のグラフは軸$x=\frac{a}{2}$,下に凸の放物線なので、
軸が定義域内にあるかどうかや最大値をとる$x$の値が$p$$q$かを考えることで、次の4通りに分けることができます。

$[1]a< 2p$のとき
$[2]2p\leqq a\leqq p+q$のとき
$[3]p+q\leqq a\leqq 2q$のとき
$[4]2q< a$のとき

それぞれのときで$y=f(x)$のグラフを使って共有点の個数を求めましょう。


$[1]a<2p$のとき
!FORMULA[36][1122069991][0] $a<2p$
グラフから、
共有点が0個なのは$D< f(p),f(q)< D$のときで、
共有点が1個なのは$f(p)\leqq D \leqq f(q)$のときで、
共有点が2個以上になることはない。

$f(x)=(2x-a)^2$$D=a^2-4b$を用いて$b$について整理すると、

2個1個0個
なし$aq-q^2\leqq b\leqq ap-p^2$$b< aq-q^2, ap-p^2< b$

$[2]2p\leqq a\leqq p+q$のとき
!FORMULA[45][589249581][0] $2p\leqq a\leqq p+q$
グラフから、
共有点が0個なのは$D<0,f(q)< D$のときで、
共有点が1個なのは$f(p)< D \leqq f(q)$のときで、
共有点が2個なのは$0\leqq D \leqq f(p)$のときで、
共有点が3個以上になることはないから、

2個1個0個
$ap-p^2\leqq b\leqq \frac{a^2}{4}$$aq-q^2\leqq b< ap-p^2$$b< aq-q^2, \frac{a^2}{4}< b$

$[3]p+q\leqq a\leqq 2q$のとき
!FORMULA[53][-579364842][0] $p+q\leqq a\leqq 2q$
グラフから、
共有点が0個なのは$D<0,f(p)< D$のときで、
共有点が1個なのは$f(q)< D \leqq f(p)$のときで、
共有点が2個なのは$0\leqq D \leqq f(q)$のときで、
共有点が3個以上になることはないから、

2個1個0個
$aq-q^2\leqq b\leqq \frac{a^2}{4}$$ap-p^2\leqq b< aq-q^2$$b< ap-p^2, \frac{a^2}{4}< b$

$[4]2q< a$のとき
!FORMULA[61][1080252572][0] $2q< a$
グラフから、
共有点が0個なのは$D< f(q),f(p)< D$のときで、
共有点が1個なのは$f(q)\leqq D \leqq f(p)$のときで、
共有点が2個以上になることはないから、

2個1個0個
なし$ap-p^2\leqq b\leqq aq-q^2$$b< ap-p^2, aq-q^2< b$

$[1],[2],[3],[4]$をまとめると、こうなります。

$x^2-ax+b=0$$p\leqq x \leqq q$の範囲に持つ解の個数と$a,b$の関係は、

2個1個0個
$a<2p$のときなし$Q\leqq b\leqq P$$b< Q, P< b$
$2p\leqq a\leqq p+q$のとき$P\leqq b\leqq \frac{a^2}{4}$$Q\leqq b< P$$b< Q, \frac{a^2}{4}< b$
$p+q\leqq a\leqq 2q$のとき$Q\leqq b\leqq \frac{a^2}{4}$$P\leqq b< Q$$b< P, \frac{a^2}{4}< b$
$2q< a$のときなし$P\leqq b\leqq Q$$b< P, Q< b$

ここで、$P=ap-p^2,Q=aq-q^2$とおいた。

最後まで読んでくださってありがとうございます。

投稿日:20211118

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投稿者

Omicron
Omicron
12
937
オミクロン株出てくる前からこの名前でした。

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