の2次方程式が、偏角がである虚数解を持つような実定数に対して次が成り立ちます。
が0でない有理数のとき、以下の2条件は同値である。
1.を満たす(0でない項を持つ)周期実数列が存在する。
2.である。
これを示していきます。
周期数列について
ここでは、ある自然数が存在して、任意の自然数に対して、となる数列を周期数列と呼ぶことにします。
の解は虚数であるので、というふうに置くことができます。(このとき、は解の絶対値になります。)
すると、次が成り立ちます。
①を満たす全ての数列の一般項は
と表せる。
ただし、は任意の実定数とする。
①は隣接3項間漸化式であるのでその特性方程式の解をとおくと、の一般項はと表せます。(このことの証明は省略させていただきます。)
今回の話においては解は虚数であるのでであり、(逆でもよい)であるから、
ここで、
は共役複素数だから、これらは実数。それぞれとおくと、
実数のとり方によっても任意の実数値をとる。
次に、求めた一般項を使って周期数列になるための条件を求めます。
は実数列とする。
が0でない有理数のとき、ある実定数が存在して、
が(0でない項をもつ)周期数列となるための必要十分条件は、である。
とおくと、である。
は有理数なので、それをとおくと、
であるから、
よって数列は周期数列である。
ここで、とおき、
とおく。
②より、であるから、
のとき、となり、は周期数列にならない。
のとき、となるが、
は0でない項をもつので、この場合もは周期数列にならない。
ゆえに、が周期数列ならば、である。
逆に、とするとであるので、は周期数列である。
2次方程式の虚数解について、次が成り立ちます。
の2次方程式(は実定数)が虚数解を持つとき、その虚数解の絶対値はである。
③を解くと、
③は虚数解を持つので、判別式は負であるから、
これの絶対値は、
補題4より、です。(虚数解を持つから常に)
補題3より、であるので、、すなわちです。これで定理1が示されました。
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