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高校数学解説
文献あり

JMO2015予選第6問の解説の解説

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$$\newcommand{C}[0]{\mathbb{C}} \newcommand{coloneqq}[0]{\mathrel{\mathop:}=} \newcommand{div}[0]{\mathrm{div}} \newcommand{division}[0]{÷} \newcommand{grad}[0]{\mathrm{grad}\ } \newcommand{N}[0]{\mathbb{N}} \newcommand{Q}[0]{\mathbb{Q}} \newcommand{R}[0]{\mathbb{R}} \newcommand{rot}[0]{\mathrm{rot}\ } \newcommand{Z}[0]{\mathbb{Z}} $$

数オリの解説の解説

数オリの解説が分かりにくすぎる!!!

ということで解説の解説と題して, 問題を解く思考過程なども加えた解説を書いていこうと思います.

JMO予選 2015 第6問

正の整数$a,b,c$が次の$4$つの条件を満たすとする:

  • $a,b,c$の最大公約数は$1$である.
  • $a,b+c$の最大公約数は$1$より大きい.
  • $b,c+a$の最大公約数は$1$より大きい.
  • $c,a+b$の最大公約数は$1$より大きい.

このとき, $a,b,c$のとりうる最小の値を求めよ.

解説
$\downarrow$
$\downarrow$
$\downarrow$
$\downarrow$
$\downarrow$
$\downarrow$
$\downarrow$
$\downarrow$
$\downarrow$
$\downarrow$
$\downarrow$
$\downarrow$
$\downarrow$
$\downarrow$
$\downarrow$
$\downarrow$
$\downarrow$
$\downarrow$

解説

[解答: 30]
$g_1=\gcd(a,b+c)$
$g_2=\gcd(b,c+a)$
$g_3=\gcd(c,a+b)$
とおく.
$g_1$$g_2$をともに割り切る素数$p$が存在したとすると, $a,b$はともに$p$で割りきれる. さらに$b+c$$p$で割り切れるので, $c$$p$で割りきれて, $a,b,c$の最大公約数が$1$であることに反する.
よって$g_1$$g_2$は互いに素である. 同様に$g_2$$g_3$, $g_3$$g_1$も互いに素であることがわかる.
以上と$g_1,g_2,g_3$$1$より大きいことより, $g_1g_2g_3\geqq2\cdot3\cdot5=30$となる. さらに$g_1$$a,b+c$をともに割りきるので, $a+b+c$を割りきる. 同様に$g_2,g_3$$a+b+c$を割りきるので, $g_1g_2g_3$$a+b+c$を割りきる.
よって$a+b+c\geqq g_1g_2g_3\geqq30$.
一方, たとえば$(a,b,c)=(2,3,25)$のとき問題の条件が成り立ち, $a+b+c=30$がみたされるので, 求める最小値は$30$である.

解説の解説

  1. とりあえず、わからないものを文字でおく.
    $g_1=\gcd(a,b+c)$
    $g_2=\gcd(b,c+a)$
    $g_3=\gcd(c,a+b)$
  • 互いに素っぽい!!
    $\rightarrow$互いに素でないことを仮定して背理法
    $g_1$$g_2$をともに割り切る素数$p$が存在したとすると, $a,b$はともに$p$で割りきれる. さらに$b+c$$p$で割り切れるので, $c$$p$で割りきれて, $a,b,c$の最大公約数が$1$であることに反する.
    よって$g_1$$g_2$は互いに素である. 同様に$g_2$$g_3$, $g_3$$g_1$も互いに素であることがわかる.

  • 最終目標の$a+b+c$の方向へもっていきたい
    $g_1|(a+b+c),\ g_2|(a+b+c),\ g_3|(a+b+c)$が成り立つ.
    $g_1$$g_2$, $g_2$$g_3$, $g_3$$g_1$が互いに素であったから, $g_1g_2g_3|(a+b+c)$である.

  • 最小値を求める問題で「割りきる」, 「積」が出てきたら不等式で下からおさえてみる.
    $2\cdot3\cdot5 = 30\leqq g_1g_2g_3\leqq a+b+c$

  • $2,3,5$を使っていろいろ試す.
    たぶん, 最小のときは$a$$b$, $b$$c$, $c$$a$は互いに素になりそう.
    $(a,b,c)=(2,3,5)$のときダメ.
    $(a,b,c)=(4,3,5)$もダメ.
    $(a,b,c)=(2,9,5)$もダメ.
    $(a,b,c)=(4,9,5)$もダメ.
    $(a,b,c)=(2,3,25)$のとき成り立つ.

したがって答えは$30$

重要なポイント

  • 互いに素は重要!
    $\rightarrow$割りきる素数$p$を仮定して背理法
  • $a$$X$を割りきる$\Rightarrow$ $a\leqq X$と評価
  • $1$より大きい整数の積は素数の積(小さい順)で評価してみる

参考文献

[1]
(公財)数学オリンピック財団, 数学オリンピック2015~2019, 日本評論社, 2019
投稿日:20211215

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wai572
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