2
エンタメ解説
文献あり

4×4のラテン方格の数え方

788
0
$$$$

ラテン方格とは

ラテン方格とは、以下の表のことを言います。

1234
2341
3412
4123

ただし、条件があります。

・同じ列に同じ数字は入らない
・同じ行に同じ数字は入らない

これはあるパズルに似てますよね。

そう、ナンプレです。

ただ、ナンプレと違い、ブロック内に同じ数が入らない、という条件はないです。

この4×4のラテン方格の数え方がよくわからなかったので、ここにまとめたいと思います。

自分が犯したミス

自分は以下のように考えました。

1.まず1行目に1を入れ、次に2行目に1を入れ、3行目に1を入れ、最後に1を入れる。

この時のパターンは

$4×3×2×1 = 24$

1
1
1
1

2.次に、1行目の空いたマスに2を入れ、同じ列に1が入っていない行(下の表で言えば2行目か3行目)の空いたマスに2を入れる。

残りは自動的に2が入る。

この時のパターンは

$3×2 = 6$

12
21
12
12

3.最後に、空いたマスに3を入れると自動的に3が入る。

この時のパターンは

$2$

123
231
312
123

4.自動的に4が入る。

1.~4.から、4×4のラテン方格の総数は

$24×6×2 = 288$

どこが間違いか

しかし、上記は間違っています。

なぜなら、以下のパターンがあるからです。

12
21
12
21

この表の場合、1.2.までは正しいです。

この時、3を入れるパターンは

$2×2=4$

となります。

なので、上記の僕の考えは間違いとなります。

正しい計算方法

以下のPDFの「Why is so hard?」の章を参考にしましたが、英語でわかりづらかったので要約します。
Latin Squares

手順は以下の通りです。

1.まず1行目を埋める。

このときのパターンは

$4! = 4・3・2・1 = 24$

1234

2.2行目を埋める時、パターンを(a b c d)の場合と、(a b)(c d)の場合に分ける。

例えば(1 2 3 4)は、1を2に、2を3に、3を4に、4を1にする置換を表します。

$σ=(1 2 3 4)$とすると

$σ(1)=2、σ(2)=3、σ(3)=4、σ(4)=1$

となるので、(1 2 3 4)の場合は

1234
2341

となります。

一方で(1 2)(3 4)は、1を2に、3を2する置換を表します。

$σ=(1 2 3 4)$とすると

$σ(1)=2、σ(2)=1、σ(3)=4、σ(4)=3$

となるので、(1 2)(3 4)の場合は

1234
2143

となります。

3.(a b c d)のパターン数を数える。
例えば(1 2 3 4)の場合は以下の通りでした。

1234
2341

この場合、例えば3行目の1列目か3列目に3を入れると、残りが自動で決まります。

他の(a b c d)のパターンも同じように考えます。

(a b c d)は

(1 2 3 4)、(1 2 4 3)、(1 3 2 4)、(1 3 4 2)、(1 4 2 3)、(1 4 3 2)

の6通りあるので

$6×2=12$

となります。

4.(a b)(c d)のパターンを数える。
例えば(1 2)(3 4)の場合は以下の通りでした。

1234
2143

この場合、例えば3行目の1列目か2列目に3を入れるので、2通りあります。

例えば、3行目の1列目に3を入れると、2列目が自動的に決まりますが、3列目、4列目がまだ決まりません。

1234
2143
34
43

ここでさらに2通りあります。

(a b)(c d)は

(1 2)(3 4)、(1 3)(2 4)、(1 4)(2 3)

の3通りあるので

$3×2×2=12$

となります。

5.1.-4.をまとめる。
まず、1.で24通りあり、3.4.でそれぞれ12通りずつあるので、4×4のラテン方格の総数は

24×(12+12) = 576

となります。

参考文献

投稿日:202211
OptHub AI Competition

この記事を高評価した人

高評価したユーザはいません

この記事に送られたバッジ

バッジはありません。
バッチを贈って投稿者を応援しよう

バッチを贈ると投稿者に現金やAmazonのギフトカードが還元されます。

投稿者

あーく
あーく
111
209465
使える数学、面白い数学の分かりやすい解説を心がけています。

コメント

他の人のコメント

コメントはありません。
読み込み中...
読み込み中
  1. ラテン方格とは
  2. 自分が犯したミス
  3. どこが間違いか
  4. 正しい計算方法
  5. 参考文献