ラテン方格とは、以下の表のことを言います。
1 | 2 | 3 | 4 |
2 | 3 | 4 | 1 |
3 | 4 | 1 | 2 |
4 | 1 | 2 | 3 |
ただし、条件があります。
・同じ列に同じ数字は入らない
・同じ行に同じ数字は入らない
これはあるパズルに似てますよね。
そう、ナンプレです。
ただ、ナンプレと違い、ブロック内に同じ数が入らない、という条件はないです。
この4×4のラテン方格の数え方がよくわからなかったので、ここにまとめたいと思います。
自分は以下のように考えました。
1.まず1行目に1を入れ、次に2行目に1を入れ、3行目に1を入れ、最後に1を入れる。
この時のパターンは
$4×3×2×1 = 24$
1 | |||
1 | |||
1 | |||
1 |
2.次に、1行目の空いたマスに2を入れ、同じ列に1が入っていない行(下の表で言えば2行目か3行目)の空いたマスに2を入れる。
残りは自動的に2が入る。
この時のパターンは
$3×2 = 6$
1 | 2 | ||
2 | 1 | ||
1 | 2 | ||
1 | 2 |
3.最後に、空いたマスに3を入れると自動的に3が入る。
この時のパターンは
$2$
1 | 2 | 3 | |
2 | 3 | 1 | |
3 | 1 | 2 | |
1 | 2 | 3 |
4.自動的に4が入る。
1.~4.から、4×4のラテン方格の総数は
$24×6×2 = 288$
しかし、上記は間違っています。
なぜなら、以下のパターンがあるからです。
1 | 2 | ||
2 | 1 | ||
1 | 2 | ||
2 | 1 |
この表の場合、1.2.までは正しいです。
この時、3を入れるパターンは
$2×2=4$
となります。
なので、上記の僕の考えは間違いとなります。
以下のPDFの「Why is so hard?」の章を参考にしましたが、英語でわかりづらかったので要約します。
Latin Squares
手順は以下の通りです。
1.まず1行目を埋める。
このときのパターンは
$4! = 4・3・2・1 = 24$
1 | 2 | 3 | 4 |
2.2行目を埋める時、パターンを(a b c d)の場合と、(a b)(c d)の場合に分ける。
例えば(1 2 3 4)は、1を2に、2を3に、3を4に、4を1にする置換を表します。
$σ=(1 2 3 4)$とすると
$σ(1)=2、σ(2)=3、σ(3)=4、σ(4)=1$
となるので、(1 2 3 4)の場合は
1 | 2 | 3 | 4 |
2 | 3 | 4 | 1 |
となります。
一方で(1 2)(3 4)は、1を2に、3を2する置換を表します。
$σ=(1 2 3 4)$とすると
$σ(1)=2、σ(2)=1、σ(3)=4、σ(4)=3$
となるので、(1 2)(3 4)の場合は
1 | 2 | 3 | 4 |
2 | 1 | 4 | 3 |
となります。
3.(a b c d)のパターン数を数える。
例えば(1 2 3 4)の場合は以下の通りでした。
1 | 2 | 3 | 4 |
2 | 3 | 4 | 1 |
この場合、例えば3行目の1列目か3列目に3を入れると、残りが自動で決まります。
他の(a b c d)のパターンも同じように考えます。
(a b c d)は
(1 2 3 4)、(1 2 4 3)、(1 3 2 4)、(1 3 4 2)、(1 4 2 3)、(1 4 3 2)
の6通りあるので
$6×2=12$
となります。
4.(a b)(c d)のパターンを数える。
例えば(1 2)(3 4)の場合は以下の通りでした。
1 | 2 | 3 | 4 |
2 | 1 | 4 | 3 |
この場合、例えば3行目の1列目か2列目に3を入れるので、2通りあります。
例えば、3行目の1列目に3を入れると、2列目が自動的に決まりますが、3列目、4列目がまだ決まりません。
1 | 2 | 3 | 4 |
2 | 1 | 4 | 3 |
3 | 4 | ||
4 | 3 |
ここでさらに2通りあります。
(a b)(c d)は
(1 2)(3 4)、(1 3)(2 4)、(1 4)(2 3)
の3通りあるので
$3×2×2=12$
となります。
5.1.-4.をまとめる。
まず、1.で24通りあり、3.4.でそれぞれ12通りずつあるので、4×4のラテン方格の総数は
24×(12+12) = 576
となります。