2022年の大学入学共通テストで、こんな問題がありました。
$$ x^2 + px + q = 0 \hspace{2mm} \cdots\cdots\cdots \hspace{2mm} (1)$$
$$ x^2 + qx + p = 0 \hspace{2mm} \cdots\cdots\cdots \hspace{2mm} (2)$$
(1)または(2)を満たす実数$ x $の個数$ n $について調べよう!(超要約)
実際の問題では$ p = 4, q = -4 $のような特定の場合や$ p = -6 $に固定した場合のみを調べていました。
でも、せっかくなら全部調べたいですね。
この記事では、導出とともに、$ pq $平面を$ n $の値で分割した図を示します。
$ x^2 + px + q = 0 $について考えると、
$ p^2 - 4q > 0 $のとき$ 2 $個
$ p^2 - 4q = 0 $のとき$ 1 $個
$ p^2 - 4q < 0 $のとき$ 0 $個
であることは容易にわかります。
同様に、$ x^2 + qx + p = 0 $について考えると、
$ q^2 - 4p > 0 $のとき$ 2 $個
$ q^2 - 4p = 0 $のとき$ 1 $個
$ q^2 - 4p < 0 $のとき$ 0 $個
であることも容易にわかります。
上で求めた個数を足し合わせればいいかというと、そういうわけではありません。なぜなら、(1)と(2)に共通の解が含まれる可能性があるからです。この解を$ \alpha $とすると、
$ \alpha^2 + p \alpha + q = 0 $かつ$ \alpha^2 + q \alpha + p = 0 $なので
ここから$ \alpha^2 $を消去し$ p \alpha + q = q \alpha + p $
これを変形して$ (p - q)(\alpha - 1) = 0 $
が得られます(同様の推論が実際の問題でも行われています)。
このとき、$ p = q $または$ \alpha = 1 $ですが、$ p = q $のときは両方の方程式が同じになるケースです。$ \alpha = 1 $について考えると、このとき$ p + q + 1 = 0 $となることがわかります。
「片方だけ」で現れた境界と「両方合わせる」で現れた線を全て同一平面上に描くと、次の図が得られます。横軸が$ p $で、縦軸が$ q $です(最初の条件が$ p, q $に関して対称なので、図も右上がりの斜め線に関して対称です)。
$n\hspace{1mm}の値の境界線の候補$
これらの各領域およびその境界について考えると、最終的な色分けは次のようになります。$ n = 0 $は白、$ n = 1 $はオレンジ、$ n = 2 $は緑、$ n = 3 $は青、$ n = 4 $は赤で示されています。
$n\hspace{1mm}の値による\hspace{1mm}pq\hspace{1mm}平面の分類$
$ p = -6 $のとき、$ n = 3 $になるのが$ q = 5, 9 $のときだけであることが見て取れますね。