注意:本記事は2019年京都大学理学部特色入試第2問の解説記事ではありません. (が, ある程度の示唆を与えるとは思います. )
京都大学理学部特色入試の過去問を解いていて2019年の第2問の背景(特に恒等式の背景)がとても気になったので, 調べてみたところ少しだけ面白いことが分かったので紹介します.
以下の設問に答えよ. ただし,
(1)
(あ)次の式が
(い)
(2) 0以上の整数
また,
以上が実際の2019年京都大学理学部特色入試第2問です.
さてこの問題の背景についてですが、上記の問題の(2)の恒等式は次に示すVandermondeの恒等式の特殊な場合です.
ここで
であり, これは一般にPochhammer記号と呼ばれる. また,
であり, これは一般にGaussの超幾何級数と呼ばれる.
どうやらVandermondeの恒等式と呼ばれるものは複数存在するようですが, ここでのVandermondeの恒等式は上記の恒等式を指すものとします.
本記事では特色入試の恒等式の背景を説明するのが目的なので, Vandermondeの恒等式の証明は省略します. 気になる方は参考文献をご覧ください.
改めて本記事で示すのは以下の命題となります.
の下で,
はVandermondeの恒等式
で
とした場合の式である.
この命題の証明の見通しを良くするためにPochhammer記号についてのいくつかの補題を先に示しておきます.
ここで
以下
ちなみに, 後に式変形で使われるときの形は
この下で命題2を示します.
Vandermondeの恒等式
について, 補題3の後半の主張から
よって
左辺に補題4, 右辺に補題3を用いる(右辺で
ここで
なので