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LaTeXの文章で定理番号を再利用(引用)する方法

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イントロ

こんにちはhyqutです.今回は題名にある通り,LaTeXで数学の文章を書く際に使えるワンポイントテクニックについて紹介します.
それは「定理番号を再利用する」方法についてです.

※今回紹介する内容は自分自身で考案したものではなく,検索している中で見つけた手法です.また若干その場しのぎのようにも感じる方もおられるかもしれませんので,その場合は異なる方法を模索するのがよいと思います.

想定している場面

次のような場面を考えます.


1 イントロ

そして次が本稿の主定理です.
定理 3.1 ABC = DEF.

また・・・(中略)

2 〇〇
3. △〇

以上の準備の下,次の定理が成り立ちます.
定理 3.1 ABC = DEF.

それでは早速,証明を行いましょう.まず・・・


この際に,イントロで「定理 3.1」と掲げる方法を以下に紹介します.

解決方法

再掲するためには「\newtheorem」というコマンドを用います.以下には実際のコードを掲載します.
なお,コマンドを上手く表示できなかったため,\(バックスラッシュ)を/(スラッシュ)に変更しています.

      /documentclass{jarticle}
/usepackage{amsthm}
/newtheorem{theorem}{定理}[section]

/begin{document}

/section{イントロ}
そして次が本稿の主定理です.

/newtheorem*{MainTheorem}{/rm/bf 定理~/ref{ABC theorem}}
/begin{MainTheorem}
    ABC = DEF.
/end{MainTheorem}
また・・・(中略)

/section{〇〇}

/section{△〇}
以上の準備の下,次の定理が成り立ちます.

/begin{theorem}/label{ABC theorem}
    ABC = DEF
/end{theorem}
それでは早速,証明を行いましょう.まず・・・

/end{document}
    

この中で注目してもらいたい箇所はこちらです:
/newtheorem*{MainTheorem}{/rm/bf 定理~/ref{ABC theorem}}

再掲(引用)したい定理番号を用いて新しい定理環境「MainTheorem」を定義することで,今回の問題を解決することができます.
ここで「\rm\bf」としている理由は

  • \rm 定理環境の「3.2」は斜体ではなくローマン体であるため
  • \bf 定理環境で出力される「定理 3.2」は太字であるため

となります.
この方法では定理番号を参照しているため,文章の修正によって(引用したい)定理の定理番号が変更されても対応できます.
しかしたくさんの定理を再掲載する際にはその都度,定理環境を定義する必要があります.

以上となります.お役に立てれば幸いです.

投稿日:202221
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hyqut
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専攻:低次元トポロジー

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