グラフの多次元への一般化をしてみよう!
ちょっと書きかけ
次を満たす1次元閉路集合$C \in \mathcal{C}(G)$を2次元面と呼ぶ。
(極小な閉路を面とみなす。)
グラフ$G$の2次元面の集合$F^2$があるとき、$G=(V(G),E(G),F^2)$を2次元面付きグラフと呼ぶ。
この$F^2$を$F^2(G)$と書く。
2次元面付きグラフはグラフとしても扱う。
2次元面付きグラフ$G$に対し、$\mathcal{F}^2(G):=2^{F^2(G)}$に頂点空間や辺空間と同様に和とスカラー倍を定義したものを$G$の「2次元面空間」と呼ぶ。
$F^2(G)$の元の1点集合全体を$\mathcal{F}^2(G)$の標準基底と呼ぶ。
$F^2_{G}: E(G) → \mathcal{F}^2(G)$
$F^2_{G}(e)=\{f \in F^2(G)\ |\ e \in f\}$
($e$を含む$F^2(G)$内の2次元面全体)
$B_{G}^2:\mathcal{F}^2(G) → \mathcal{E}(G)$
$$B_{G}^2(F^2):=\sum_{f_2 \in F^2}f_2$$
$^tB_{G}^2:\mathcal{E}(G) → \mathcal{F}^2(G)$
$$^tB_{G}^2(E):=\sum_{e \in E}F^2_{G}(e)$$
$B_G^2$を2次元境界写像、$^tB_G^2$を2次元余境界写像と呼ぶ。
同様に
$C \in \ker(B_{G}^2)$が3次元面とは
$G$の3次元面の族$F^3$を取り、$G=(V(G),E(G),F^2(G),F^3(G))$とおく。
$\mathcal{F}^3(G):=2^{F^3(G)}$を$G$の「3次元面空間」と呼ぶ。
(多面体空間と呼んでもいいかもしれない。)
$F^3(G)$の元の1点集合の族を$\mathcal{F}^3(G)$の標準基底と呼ぶ。
$F^3_{G}: F^2(G) → \mathcal{F}^3(G)$
$F^3_{G}(f_2)=\{f_3 \in F^3(G)\ |\ f_2 \in f_3\}$
($f_2$を含む$F^3(G)$内の3次元面全体)
$B_{G}^3:\mathcal{F}^3(G)→\mathcal{F}^2(G)$
$F^3 \subset F^3(G)$に対し、$$B_{G}^3(F^3):=\sum_{f_3 \in F^3}f_3$$
$^tB_{G}^3:\mathcal{F}^2(G) → \mathcal{F}^3(G)$
$$^tB_{G}^3(F^2):=\sum_{f_2 \in F^2}F^3_G(f_2)$$
これを繰り返して$n\geq2$に対して$n$次元面空間が定義出来る。
$F^n(G)$が空でなければ、$G$の$n+1$次元面の個数は$n$次元面の個数未満である。
$F_i$として$i$次元面全体を取る。
$F^n$が空でなければ、
$$\dim(\mathcal{F}^n(G)) > \dim(\mathcal{F}^{n+1}(G))$$
になって、どこかで0空間になるんだったらその直前の$n$を$G$の次元として定義できそう。
同じ方法で頂点空間から辺空間を構成することが出来る。
$B_G^0:\mathcal{V}(G) → \mathbb{F}_2;V ↦ 0$と定める。
$C \in \ker(B_G^0)が$1次元面とは
$F^1$を1次元面の集合とする。
$F^1$に対し、$\mathcal{E}(G)=\mathbb{F}_2^{F^1}$とおく。
これは$F^1$を辺集合とした辺空間ということができる。
このとき$B_G^1$の定義は上の定義と一致する。
この意味でグラフとはハイパーグラフであって「極小」なものを辺としているものであると思える。
$G$:グラフ
$v \in V(G)$
$\deg_G(v) := |E_G(v)|$
$\deg_G(v)$を$v$の次数と呼ぶ。
これは$v$に接続している辺の個数のこと。
全ての頂点の次数が$k$であるグラフを$k$-頂点正則グラフと呼ぶ。
2-頂点正則グラフ$G$に対し、$G$の辺双対を次で定める。
$L_1(G):=(E(G),\{E_G(v) \ |\ v \in V(G) \})$
$V(G)$と$E(L_1(G))$は一対一に対応する。
$E(G)$と$V(L_1(G))$は一対一に対応する。
$d_v:V(G)→E(L_1(G));v ↦ E_G(v)$
$d_e:E(G)→V(L_1(G));e ↦ e$
とすると$d_v,d_e$は全単射。
$\mathcal{V}(L_1(G)) \simeq \mathcal{E}(G)$
$\mathcal{E}(L_1(G)) \simeq \mathcal{V}(G)$
閉路の辺双対は同じ閉路
$L_1(C_n) \simeq C_n$
$C_n$の頂点の次数は全て2。
$C_n=(\{v_0,v_1,...,v_{n-1}\},\{\{v_0,v_1\},\{v_1,v_2\},...,\{v_{n-1},v_0\}\})$とおく。
$v_i=v_{i \mod n} \ (i \geq n)$とする。
$\phi:V(C_n)→V(L_1(C_n))$
$\phi(v_i)=\{v_i,v_{i+1}\}$
と定める。
任意の$\{v_i,v_{i+1}\} \in E(G)$に対し、$\phi(\{v_i,v_{i+1}\})=\{\{v_i,v_{i+1}\},\{v_{i+1},v_{i+2}\}\}=E_G(v_{i+1}) \in E(L_1(G))$
よって、これはグラフ準同型。
$\psi:V(L_1(C_n))→V(C_n)$
$\psi(\{v_i,v_{i+1}\})=v_i$
と定める。
任意の$\{\{v_i,v_{i+1}\},\{v_{i+1},v_{i+2}\}\} \in E(L_1(G))$に対し、$\psi(\{\{v_i,v_{i+1}\},\{v_{i+1},v_{i+2}\}\})=\{v_i,v_{i+1}\} \in E(G)$
よって、これもグラフ準同型。
$\phi$と$\psi$は互いに逆写像。
よって、$L_1(C_n) \simeq C_n$
連結成分ごとにとってもok
$G=H_1 \sqcup H_2 ⇒ L_1(G)=L_1(H_1) \sqcup L_1(H_2)$
$G=(V(G),E(G))=(V(H_1) \sqcup V(H_2), E(H_1) \sqcup E(H_2))$とする。
$L_1(G)=(E(G),\{E_G(v) \ |\ v \in V(G) \})$
$L_1(H_1)=(E(H_1),\{E_{H_1}(v) \ |\ v \in V(H_1) \})$
$L_1(H_2)=(E(H_2),\{E_{H_2}(v) \ |\ v \in V(H_2) \})$
[頂点集合が非交和になっていること]
$V(L_1(G))=E(G)=E(H_1) \sqcup E(H_2)=V(L_1(H_1)) \sqcup V(L_1(H_2))$
[辺集合が非交和になっていること]
$e \in E(L_1(G))$をとる。
$v=d_v^{-1}(e) \in V(G)$とおく。
$V(G)=V(H_1) \sqcup V(H_2)$だから、$v$は$V(H_1)$と$V(H_2)$のどちらか一方に入っている。
よって、$e$は$E(L_1(H_1))$と$E(L_1(H_1))$のどちらか一方に入っている。
ゆえに、$E(L_1(G))=E(L_1(H_1)) \sqcup E(L_1(H_1))$
$L_1(G) \simeq G$
全ての頂点の次数が2だから、$G$はいくつかの閉路の非交和で表される。(ここ非自明)
補題より$L_1(G) \simeq G$
$G$:2次元面付きグラフ
$e \in E(G)$に対し、$e$の$F^2(G)$に関する次数を次で定める。
$\deg_{G}(e):=|F^2_{G}(e)|$
全ての辺の次数が$k$である2次元面付きグラフを$k$-辺正則グラフと呼ぶ。
$G,G'$:2次元面付きグラフ
$\phi:V(G)→V(G')$が2次元面付きグラフ準同型とは、
$\phi(E(G)) \subset E(G')$
$\phi(F^2(G)) \subset F^2(G')$
が成り立つこと。
$\phi$の像の像や像の像の像を取っていることに注意。
互いに逆な2次元面付きグラフ準同型があるとき、2次元面付きグラフとして同型という。
全ての頂点の次数が1以上である2-辺正則グラフ$G$に対して、$G$の2次元面双対を次で定める。
$V'=F^2(G)$
$E'=\{F^2_{G}(e) \ |\ e \in E(G) \}$
$F^2\\'=\{F^2_{G}(E_G(v)) \ |\ v \in V(G) \}$
$L_2(G):=(V',E',F^2\\')$
$v \in V(G)$に対し、$F^2_{G}(E_G(v))$は$L_2(G)$の2次元面
つまり2次元面双対の定義はwell-defined
$v \in V(G)$をとる。
$E=F^2_{G}(E_G(v)) \in \mathcal{E}(L_2(G))$とおく。
[$E \in \ker(B_{L_2(G)}^1)$]
$f \in V(L_2(G))$をとる。
$$[f \in B_{L_2(G)}^1(E)]=\sum_{e^* \in E(L_2(G))}[e^* \in E][f \in e^*]$$
$f \in e^*$とすると、$e^*$はもう一つ異なる面を持つ。その面を$f'$とおく。
$\{f,f'\}=e^*$である。
[$E$は極小]
$C_0,C_1 \in \ker(B_{L_2(G)}^1),E=C_0+C_1$とする。
??????
$V(G)$と$F^2(L_2(G))$は一対一に対応する。
$E(G)$と$E(L_2(G))$は一対一に対応する。
$F^2(G)$と$V(L_2(G))$は一対一に対応する。
$L_2(L_2(G)) \simeq G$
$V(L_2(G))=F^2(G)$
$E(L_2(G))=\{F^2_{G}(e) \ |\ e \in E(G) \}$
$F^2(L_2(G))=\{F^2_{G}(E_G(v)) \ |\ v \in V(G) \}$
$V(L_2(L_2(G)))=F^2(L_2(G))$
$E(L_2(L_2(G)))=\{F^2_{L_2(G)}(e) \ |\ e \in E(L_2(G)) \}$
$F^2(L_2(L_2(G)))=\{F^2_{L_2(G)}(E_{L_2(G)}(v)) \ |\ v \in V(L_2(G)) \}$
$\phi:V(G)→V(L_2(L_2(G)))$
$v ↦ F^2_{G}(E_G(v))$
と定める。
任意の$\{v_0,v_1\} \in E(G)$に対し、
\begin{align}
\phi(\{v_0,v_1\}) &= \{\phi(v_0), \phi(v_1)\} \\
&= \{F_{G}^2(E_G(v_0)),F_{G}^2(E_G(v_1))\} \\
&= \{F_{G}^2(\{e_0,...,e_{n-1}\}),F_{G}^2(\{e_0',...,e_{m-1}'\})\} \\
&= \{\{F_{G}^2(e_0),...,F_{G}^2(e_{n-1})\},\{F_{G}^2(e_0'),...,F_{G}^2(e_{m-1}')\}\} \\
&= \{\{\{f_{00},f_{01}\},...,\{f_{n-10},f_{n-11}\}\},\{\{f_{00}',f_{01}'\},...,\{f_{n-10}',f_{m-11}'\}\}\} \\
&= \{\{e_{L0},...,e_{Ln-1}\},\{e_{L0}',...,e_{Lm-1}'\}\}\} \\
&???\\
&\in E(L_2(L_2(G)))
\end{align}
任意の$f=\{e_0,e_1,...,e_{n-1}\} \in F^2(G)$に対し、
全ての辺の$F^2$に関する次数が2であるような$F^2$は存在すればただ一つ。
$\mathcal{C}(L_2(G)) \simeq \mathcal{B}(G)$
$\mathcal{B}(L_2(G)) \simeq \mathcal{C}(G)$
$G:=(V(G),E(G),F^2(G),F^3(G),...,F^n(G))$
$\deg_{G}(f_{n-1})=|F_{G}^n(f_{n-1})|$
$G,G'$:$n$次元面付きグラフ
$\phi:V(G)→V(G')$
$\phi(E(G)) \subset E(G')$
$\phi(F^2(G)) \subset F^2(G')$
...
$\phi(F^n(G)) \subset F^n(G')$
$C \in CC(G)$の$V(C)$に対応する$G$の頂点集合を$V_C$と表す。
$G$の頂点連結成分空間とは
$\mathcal{VCC}(G) \leq \mathcal{V}(G)$:$V_C$全体で生成されるベクトル空間のこと
$V_C$全体は1次独立だから、
$\dim(\mathcal{VCC}(G))=|CC(G)|$
$C \in CC(G)$に対し、
$^tB_G^1(V_C)=0$
$C$に含まれない辺は$^tB_G^1(V_C)$に含まれない。
$C$に含まれる辺は、両端点が$C$に含まれるから、1+1=0で$^tB^1(V_C)$に含まれない。
$\mathcal{VCC}(G)=\ker(^tB_G^1)$
[示すこと:$\mathcal{VCC}(G) = \ker(^tB_G^1)$]
$C \in CC(G)$の$E(C)$に対応する$G$の辺集合を$E_C$と表す。
$G$の辺連結成分空間とは
$\mathcal{ECC}(G) \leq \mathcal{E}(G)$:$E_C$全体で生成されるベクトル空間のこと。
1点だけ孤立した連結成分$C$に対する$E_C$はゼロベクトル。
それ以外の$E_C$は1次独立。
よって、
$\dim(\mathcal{ECC}(G)) \leq |CC(G)|$