0

隣接4項間の漸化式の数列にFibonacci が潜んでいた

47
0

第20回数学コンテスト/近畿大学主催
問題A-2
 次の4項間漸化式で定まる数列 {an} を考えます.
  a0=5,a1=5,a2=2,
  an+3=an+2an+1+2an+2 (n=0,1,2,)
 すべてのn=0,1,2,について,anは2つの平方数の和で表されることを示してください.ただし,平方数とは0,1,4,9,16,など,整数の2乗で表される数のことです. 

 与えられた初期条件と漸化式から,
  a0=a1=12+22, a2=12+12,
  a3=9=02+32 a4=17=12+42,
  a5=50=12+72, a6=125=22+112
  a7=333=32+182, a8=866=52+292
ここで,n=0,1,2,について,
異なる2つの0以上の整数b,c(b<c)で,
  b2+c2=(b,c)
とする.
  a0=a1=(1,2), a2=(1,1), a3=(0,3)
  a4=(1,4), a5=(1,7), a6=(2,11),
  a7=(3,18), a8=(5,29)
n=0,1,2,,8について,異なる0以上の整数の列 {fn}, {gn}を考える
 ただし,fn<gn とする.
  an=(fn,gn)
とすることができている.
n=2,3,4,5,6について,
  fn+2=fn+1+fn, gn+2=gn+1+gn
となっている.
(↑ここに潜んでいた)

 いまから,「数学的帰納法」を用いて,
n=2,3,について,整数の列 {fn}, {gn}を用いて,
  an=(fn,gn)
が成り立つことを示す.
[basis]n=2,3,,8について,
成り立っていることは確認済み.
[induction step]n=k,k+1,k+2 (k6)について成り立つと仮定する:
  ak=(fk,gk)=fk2+gk2,
  ak+1=(fk+1,gk+1)=fk+12+gk+12,
  ak+2=(fk+2,gk+2)=fk+22+gk+22
が成り立つと仮定する.

示したいことは,
  ak+3=(fk+2+fk+1)2+(gk+2+gk+1)2=fk+32+gk+32
が成り立つこと.

 与えられた漸化式から,
  ak+3=ak+2ak+1+2ak+2
  ak+3=(fk2+gk2)+2(fk+12+gk+12)+2(fk+22+gk+22)
右辺で,{fn}にかかわる方を計算すると,
   fk2+2fk+12+2fk+22
  =(fk+2fk+1)2+2fk+12+2fk+22
  =2fk+2fk+1+fk+12+fk+22=(fk+2+fk+1)2=fk+32
{gn}の方もいえるので,n=k+3のときも成り立つ.
[conclusion]
以上から,「数学的帰納法」によって,n2について,
異なる0以上の整数の列 {fn}, {gn}を用いて,
  an=(fn,gn)=fn2+gn2
と表せることが証明された.

最初に確認したnのときを含めて,問題は片付いた.□□

蛇足
最初は,「2平方の定理」を使う方針でした.

投稿日:225
OptHub AI Competition

この記事を高評価した人

高評価したユーザはいません

この記事に送られたバッジ

バッジはありません。
バッチを贈って投稿者を応援しよう

バッチを贈ると投稿者に現金やAmazonのギフトカードが還元されます。

投稿者

コメント

他の人のコメント

コメントはありません。
読み込み中...
読み込み中