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4次関数の複接線

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f(x)=ax4+bx3+cx2+dx+e(a0)とします。
4次関数y=f(x)の複接線を求めます。

t=x+pとおいてf(x)tの4次式で表す。

f(x)=αt4+βt3+γt2+δt+ε
とおく。x=pのときt=0であるから、
 f(p)=ε
dtdx=1より、dfdx=dfdtdtdx=dfdtであるから
f(x)=4αt3+3βt2+2γt+δ
よって、
 f(p)=δ
同様にして
f(x)=12αt2+6βt+2γ,f(p)=2γ
f(x)=24αt+6β,f(p)=6β
f(x)=24α,f(p)=24α
が求まるので、
f(x)=f(p)24t4+f(p)6t3+f(p)2t2+f(p)t+f(p)(A)
となります。
ちなみに
f(x)=4ax3+2bx2+2cx+df(x)=12ax2+6bx+2cf(x)=24ax+6bf(x)=24aです。

β=0にする

f(x)=24ax+6bよりf(x)=0となるのはx=b4a(=kのときです。これとa=αであることから,(A)にp=kを代入して
f(x)=at4+γt2+δt+ε(B)t=x+k,γ=f(k)2,δ=f(k),ε=f(k)です。

今、4次式で(x+b4a)について整理しましたが、2次式で(x+b2a)について整理するのが平方完成で、3次式で(x+b3a)について整理するのが立方完成です。いずれも2番目に次数が大きい項の係数が0になります。

複接線を求める。

式(B)は次のように変形できます。
f(x)=a(t2+γ2a)2+δt+εγ24a2
よって
f(x)(δt+εγ24a2)=a(t2+γ2a)2
γ2a<0すなわちaγ<0のとき、a(t2+γ2a)2は異なる2つの2重解をもつので、
y=δt+εγ24a2y=f(x)と異なる2点で接します。つまり複接線になります。

ここで
 at4+γt2+δt+ε=a(t2+pt+q)2+mt+nとすると
右辺の3次の項は2pt3だから、p=0でなければならない。
ゆえに右辺の2次の項は2qt2だから、q=γ2でなければならない。
よって(m,n,p,q)は一意に定まる。

したがって、y=f(x)が複接線をもつための必要十分条件はaγ<0で、そのときの複接線はy=δt+εγ24a2になります。

投稿日:2022226
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Omicron
Omicron
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1636
オミクロン株出てくる前からこの名前でした。

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