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約数に関する研究1

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d|n,d>0dx=nd(n)2x
d(n)nの正の約数の個数を表す.

dnの約数ならndnの約数であるから
d|n,d>0dx=d|n,d>0nxdx
より
d|n,d>0dx=d|n,d>0dxnxdx
    =d|n,d>0nx
    =nd(n)2x

自然数m,nに対し以下の不等式が成立する.
σ(m)σ(n)σ(mn)mσ(n)

  1. σ(m)σ(n)σ(mn)を示す.
    mnが互いに素であるときσ(m)σ(n)=σ(mn)となるから,素数pと自然数a,bを用いてm=pa,n=pbとなる場合で示せばよい.ここでabとしても一般性を失わない.
    σ(m)σ(n)<σ(mn)と仮定すると
    σ(m)σ(n)=σ(pa)σ(pb)=(pa+11)(pb+11)(p1)2
    σ(mn)=σ(pa+b)=pa+b+11p1
    より
    (pa+11)(pb+11)(p1)2<pa+b+11p1
    となる.これを計算していくと
    pa<pab+1
    を得るがp2より矛盾する.よって
    σ(m)σ(n)σ(mn)
  2. σ(mn)mσ(n)を示す.
    mnが互いに素であるときは明らか(このときm=1で等号が成立する).よって素数pと自然数a,bを用いてm=pa,n=pbとなる場合で示せばよい.
    σ(mn)=σ(pa+b)=pa+b+11p1
    mσ(n)=paσ(pb)=pa+b+1pap1
    となり
    σ(mn)mσ(n)が成立する.

以上より,σ(m)σ(n)σ(mn)mσ(n)が示せた.

自然数m,nと0または1以上の実数xに対し以下の不等式が成立する.
σx(m)σx(n)σx(mn)mxσx(n)

定理2と同様の手順で証明できるが,成立するxに範囲があることに気をつけなければならない.

自然数nσ(n)が互いに素であるとき,
nσ(n)nは一対一対応する.

異なる自然数m,n (n<m)σ(n)n=σ(m)mを満たしていると仮定する.
nσ(n)が互いに素であるとき,σ(n)nは既約分数となり,ある整数kを用いて
m=kn,σ(m)=kσ(n)
とかける.すなわち
σ(kn)=kσ(n)
定理2より,k=1となるがmnと矛盾する.

2以上の自然数nに対し以下の不等式が成立する.
σ(n)φ(n)n21
φ(n)はオイラー関数,等号成立はnが素数のときである.

nが素数のとき,
σ(n)φ(n)=(n+1)(n1)=n21
となり等号が成立する.よって2以上の自然数nσ(n)φ(n)<n2が成立することを証明すればよく,σ(n)φ(n)n2が乗法的関数であることから素数pと自然数aを用いてn=paとなる場合で示せばよい.
σ(n)φ(n)=σ(pa)φ(pa)=pa+11p1(p1)pa1=p2apa1p2a1<(pa)2=n2
となり2以上の自然数nで成立する.

以下の不等式が成立する.
d|nσ(d)σ(nd(n)22)σ(n)

証明には定理1と定理2を使う.
d|nσ(d)=σ(1)(d(n)2)σ(n)
であるから
σ(1)(d(n)2)σ(n)σ(nd(n)22)σ(n)
となる.よって
d|nσ(d)σ(nd(n)22)σ(n)
が示せた.

因みに,定理2からnd(n)22nは互いに素ではないので
σ(nd(n)22)σ(n)>σ(nd(n)2)
となるが,評価はできるだけ正確な方が良い.

投稿日:2022312
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約数関数、数列関係の記事を中心に書いていきます。 記事の内容に間違いがあれば教えてくれるとありがたいです。

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