今回紹介するのは
の一般項についてです.
一番有名な表示は,ベルヌーイ数を使った次の公式ですね
この公式については他の方がたくさん解説しているので特にここでは扱いません.
今回扱うのは,以下に示す,下降階乗冪
の総和公式を用いた方法です.連続する整数の積の総和が連続する整数の積として表現できることは有名なので知っている方も多いと思います.それを定式化したのが以下の公式です.
この公式は数列における階差や総和を,関数の微積分に関連づけて扱うという「和差分法」の考え方が背景にあるのですが,和差分については本記事では割愛します.気になる方は調べてみてください.
であるから,
実はこれを使えば,その場で特定の次数の累乗和の公式を作ることは簡単にできます.
例を見ていきましょう.
だんだん下降階乗冪の和で表すのが辛くなってきますが,そういうときは,
のようにおいて方程式を解きましょう.なんと驚くことに
下降階乗冪の和で表すこの方法,教科書に載っている「
特定の次数の累乗和の公式を作ることができるようになりましたが,やはり人は一般化したくなるものです.そこで,べき乗を下降階乗冪の和で表す時,その係数がどのような値になるかを見ていきましょう.
結論から言うとこれは以下に述べる「第二種スターリング数」というものになります.
区別できる
第二種スターリング数は,べき乗を下降階乗冪の和として表したときの展開係数として現れる.
一見驚きですが,下降階乗冪を順列の総数
一方,この
(区別できる
であるから,
すなわち,次の等式が成り立つ
よって
展開係数が第二種スターリング数になることが分かったので,あとは第二種スターリング数を与える計算式を用意すればOKです.
第二種スターリング数には,次の漸化式が成立する.
特定の1つが単独で1つのグループに入るか否かで場合分けすれば導くことができます.
区別できる
以上より,
こんな感じで表を書いていけばわかりやすいですね.
1 | ||||||
1 | 1 | |||||
1 | 3 | 1 | ||||
1 | 7 | 6 | 1 | |||
1 | 15 | 25 | 10 | 1 | ||
1 | 31 | 90 | 65 | 50 | 1 |
これらを踏まえると,第二種スターリング数を用いた次の累乗和の公式が得られます.
ただし
公式2(下降階乗冪の総和)より,
よって