自ブログにて、1乗と2乗の場合を考察したので、一般化を試みる。
問題
調和数列の積の冪の部分分数分解
非負整数、正の整数、複素数について、であるとき、とは。
複素関数の微分などカジュアルにやっているが、を実数として見ても問題ないような記述になっているはず。
Heavisideの方法
なる整数およびなる整数について、の係数をHeavisideの方法により求める。すなわち、両辺にを掛けたもののにおける階微分係数を求める。
右辺について、であるが、この右辺の総和部は微分結果にが因数として残るから、となる。
また、左辺について、と表せる。
以上より、両辺を比較すると、
という問題に帰着するので、これを解く。
準備
各種、文字を定義してゆく。
まず、と定義する。すると、当該の問題は、
と書き直すことができる。また、であり、と定義する。
さらに、と定義すると、その階導関数は、となる。
一般化調和数
を非負整数、を正の整数として、番目の次一般化調和数を、
で定める。
ここで、であり、を正の整数として、と定義する。
したがって、と表される。
具体例
ひたすら手計算をがんばったよ。
導関数
順次、前の結果の1階微分を機械的に計算してゆけばよい。
機械ではないので、ここで力尽きる。
一般化
準備
Bell多項式
非負整数について、Bell多項式を、と定義する。ただし、の非負整数の解全体にわたって和をとる。
Bell多項式
のとき、
の非負整数解はのみだから、である。
のとき、
の非負整数解はないから、である。
のとき、
の非負整数解はのみだから、である。
のとき、
の非負整数解はのみだから、である。
のとき、
の非負整数解はのみだから、である。
完全Bell多項式
非負整数について、次完全Bell多項式を、と定義する。
Faà di Brunoの公式 - Bell多項式による表示
適当な複数回微分可能な関数について、が成り立つ。ただし、は非負整数。
Faà di Brunoの公式 - 完全Bell多項式による表示
Faà di Brunoの公式について、とすると、が成り立つ。
証明
さて、上記の導関数の具体例たちをよく見ると、Bell多項式で表すことができそうであり、実際に次の補題が成立する。
まず、と定義する。このとき、である。また、と表すことができ、すなわち、となるから、非負整数について、が成り立つことがわかる。
ここで、Faà di Brunoの公式の例より、となり、示された。
結論
以上の議論から、次の公式が証明された。
調和数列の積の冪の部分分数分解
非負整数、正の整数、複素数について、が成り立つ。ただし、である。