はじめに
その1では、第I象限に限定して、第2種不完全楕円積分を用いて楕円弧長を求める方法を解説した。今回は、弧の存在範囲を、第I及び第IV象限(すなわち、楕円の右半分)に拡げる。楕円は、上下左右対称なので、第I象限での計算方法が分かれば、基本的には全てのケースで計算可能である。しかし、実際には拡張が必要になった時、短時間で対応する事が困難な事が多く、定式化しておく事は、無意味ではないと思われる。さらに、今回は幾つかの計算例を追加した。
離心率は、
その1と同様に、媒介変数
第2種不完全楕円積分
また、その1で言及しなかったが、第2種完全楕円積分
以下、場合分けして、
i)
その1と同一条件なので、明らかに、
である。
ii)
弧の範囲を
先に
となる。
次に
となる。以上から、
が得られる。
iii)
楕円の上下対称性を考慮すると明らかに
となる。
離心率は、
その1と同様に、媒介変数
また、2.と同様に変換関数を導入する。
以下、場合分けして、
i)
その1と同一条件なので、明らかに、
である。
ii)
弧の範囲を
先に
となる。
次に
となる。以上から、
が得られる。
iii)
楕円の上下対称性を考慮すると明らかに
となる。
まとめ
楕円を
と表す時、
とする。
A.
B.
計算例
以下では、角度の単位を数値表の表示に合わせて、「度(°)」とする。
1)
ケースA)-i)に該当する。
よって、
2)
ケースB)-i)に該当する。
よって、
3)シドニー-東京間の子午線距離を求める
(任意の子午線上の、シドニーの緯度の点から、東京の緯度の点までの距離を求める例で、シドニー-東京間の距離を求めるのではない。念の為。)
ここでは、
ネット上では、たとえば
a = 6378.137km, b = 6356.752km
シドニー:南緯33.868333
東京:北緯35.689556
ケースA)-ii)に該当する。
ここで、
これから、地心緯度は
シドニー:南緯33.690478
東京:北緯35.507398
となる。
よって、
この値は国土地理院の測地線に沿って2点間の距離を出してくれる
測量計算
サイトでの結果と完全に一致している。