電卓を用意してもらう
(暗算でできるなら暗算でよい)
適当な数を思い浮かべてもらう
2.の数に1.25をかけてもらう
3.の結果に2.56をかけてもらう
4.の結果に0.125をかけてもらう
5.の結果を言ってもらう
6.の数に2.5をかけると元の数字となる
会場が湧く
さて、これを暗算でできるでしょうか。
熟練者でなくては難しいと思います。
おそらく、熟練者でも匙を投げると思います。
なぜなら、計算は分数の方が圧倒的有利だからです。
計算は分数で行うのが計算を速くするコツです。
熟練者が小数を見て匙を投げるのは、分数の方が計算が簡単だからです。
小数でも計算はできますが、分数の方が簡単です。
例えば、以下の二つで計算しやすいのはどちらでしょうか?
$1. 0.125×4.5$
$2. \frac{1}{8}×\frac{9}{2}$
ちなみに、どちらも同じ数で、表現が小数か分数かの違いだけです。
圧倒的に2.の方が計算しやすいですよね。
分数の掛け算の場合分子同士と分母同士をかけるだけだからです。
割り算の場合は分子分母を変える必要がありますが、負担になりません。
小数は2つに分けられます。
有理数
分数の形に直せるのはこちらです。
そもそも、分数の形に直せるものを有理数と呼びます。
無理数
無理数は、e、π、$\sqrt{2}$などのことで、こちらは分数に直すのは無理っす。
あ、ダジャレじゃなくて。
以下、有理数についてお話します。
有理数は循環小数とそうでない小数に分けられます。
例えば、0.333...は循環小数です。
これを分数に直しましょう。
$x=0.333...$
$10x=3.333...$
$10x-x=9x=3$
$x=\frac{1}{3}$
循環と言うことを利用し、小数点以下を引いて消してしまう、というのがポイントです。
循環しない小数は割り切れるので、10の累乗で割りましょう。
$0.1=\frac{1}{10}$を使うのがポイントです。
例えば、0.125の場合
$0.125=\frac{125}{1000}$
$=\frac{25}{200}$
$=\frac{5}{40}$
$=\frac{1}{8}$
だからと言って、小数は無駄かと言われるとそうではありません。
例えば、以下の数値の大きさはどのくらいでしょうか?
$1. 4.725$
$2. \frac{189}{40}$
1.の方がピンときますよね?
なので、小数の方が大きさを実感しやすいと言えます。
例えば、理科では有効数字をつけ、小数で回答することが多いです。
計算は分数の方が簡単なので、計算は分数で行い、結果は小数で回答、というパターンが多いでしょう。
ちなみに、小学生の時に習う帯分数でも大きさは分かると思いますが、計算しにくいのでやはり仮分数の方が計算に向いていると言えます。
冒頭の手品を分数に直しましょう。
$x×1.25×2.56×0.125$
上記「小数から分数に直す方法」で
$0.125=\frac{1}{8}$
はわかっています。
$1.25=0.125×10=\frac{1}{8}×10$
$=\frac{5}{4}$
$2.56=\frac{256}{100}$
$=\frac{64}{25}$
$(与式)=x×\frac{5}{4}×\frac{64}{25}×\frac{1}{8}$
$=\frac{2}{5}x$
さらに$2.5(=\frac{5}{2})$をかければ
$\frac{2}{5}x×\frac{5}{2}$
$=x$
と元の数に戻る、ということでした。