下図のように
たすきがけ概念図
学生に対して、指導を行う際に「たすきがけ」を取り組ませた場合に、
僅かな訓練で達成できる人と、十分な時間を割いても難しいままで終わる人に分かれる。
これを考察した結果、私としては、現在のたすきがけ法には以下の難点があると考えた。
・問題点1
・問題点2
分解した約数を
・問題点3
たすきがけの課程で、四則演算を複数回かつ複雑に処理する能力が求められること。
そこで、今回は「たすきがけ」とは視点を変えた独自考案の因数分解法について述べていきたい。
まずは、「たすきがけ可能な2次方程式」という条件付きにおいて、成立する内容について述べておく。
たすきがけ可能、すなわち整数係数
問題文の条件より、
仮に
よって、
今回の新たな因数分解法のコンセプトとしては、
ということを先に述べておく。ここで
次に、
整数
略
この補題を利用すると、
これは、以降の解説の根拠になる定理になる。
整数係数
ただし、
略
これだけでは、理解が困難だと思われるので、具体的な問題の解説により運用方法を解説する。
解法:
&&&
17 | 1| 8 | 9 | 72 |60| | 17 | 3 | 7 | 10 | 70 |60| | 17 | 5 | 6 | 11 | 66 |60| | 17 | 7 | 5 | 12 | 60 | 60| この方法を運用するにあたって、初めに注意することとしては、表の水色のところを見ると もちろん、 そして、 ここまで計算したときに、定理4の形式に代入すれば ちなみに、赤色で着色したマイナス記号は、|B|の係数についているマイナスと対応している。 &&& このように、約数の組み合わせに関する論理を回避して、因数分解を行うことは可能である。 しかし、これだけだと実用においては記法が煩雑なため、次は可能な限り省略していこうと思う。 &&&exc 因数分解(たすきがけ可能) &&& 解法: ここで、以下のルールによって記法を簡略化する。 1) 2) すると以下のように簡略化できる。比較のため、簡略化前のものも併記しておく。 &&& 初行は | | --- | --- | --- | | 15 | 15 | 225 | | 14 | 16 | 224 | | 13 | 17 | 221 | | 12 | 18 | 216 | 以上より、 &&& 参考:簡略化前 | | --- | --- | --- | --- | --- | --- | | 30 | 0| 15 | 15 | 225 |216| | 30 | 2 | 14 | 16 | 224 |216| | 30 | 4 | 13 | 17 | 221 |216| | 30 | 6 | 12 | 18 | 216 | 216| ### あとがき 以上のように計算方法は、実用上の利点以外にも、コンピュータのアルゴリズムとして、たすきがけの可否を判定するのにも役立つと考えられる。また、現時点で上げられるこの計算手法の問題点としては、 ※一応、独自に開発したものですが、先駆者様がいらっしゃったらご一報ください。 |