20
高校数学解説
文献あり

Symmedianまとめ(類似中線)

4503
1

初めに

今回は競技数学の幾何の重要な知識のSymmedianについてまとめていきたいと思います.Symmedianは幾何の知識をフル活用する最高の題材です!!Symmedianはなかなか知識がまとめられているサイトが少なかったので少しでも参考になれば良いなと思います.(あくまでもまとめノートです.正確性は保証できませんので間違いがあったら訂正していただけると助かります.)

注意の見出し

本記事に修正、加筆を加えた 最新版 もぜひご覧ください。

Symmedianとは

Symmedian

中線の等角共役線をSymmedianと呼ぶ.図において,AM,ADはそれぞれ中線とSymmedianであり,BAM=CADである.

Symmedian-def Symmedian-def

Symmedianの作図

定規とコンパスだけで等角共役線を作図する一般的な方法はありません.まずはSymmedianを作図する方法を考えてみましょう.

2022/08/08追記:嘘つきました.等角共役線は作図可能です.

Symmedianの作図

三角形ABCの外接円のB,Cにおける接線の交点をPとすればAPは三角形ABCのSymmedianとなる.

Symmedian-作図1 Symmedian-作図1

まずは,これでSymmedianが作図できていることを確かめていきましょう.幾何の良い練習問題になると思うので知らない人は一度自分で考えてみてください!!

方針:三角形ABDと三角形AMCの相似を示す.

MBCの中点,HADの中点とする.
まずはわかる共円を発見するところから始めていきましょう。OBP=OCP=90°より,4点O,B,P,Cは共円である.また,中心と弦への中点を結ぶ直線と弦は垂直に交わるからOHA=90°である.したがって,B,P,C,H,Oは共円である.これより,CHP=COP=BACがしたがう.また,BHD=BACも得られる.一方で,円周角の定理より,BDH=BCAである.以上より,ABCHBDである.このことから,|BD|:|DH|=|BC|:|CA|が得られる.さらに,HADの中点,MBCの中点であることを利用すると,|BD|:|DA|=|MC|:|CA|が得られる.BDA=MCAより,ABDAMCとなる.したがって,APはSymmedianである.

Symmedian-作図2 Symmedian-作図2

折角なので,もうひとつ代表的なSymmedianの作図方法を見ていきましょう.

Symmedianの作図2

三角形ABCの外接円のAにおける接線と直線BCとの交点をKとする.Kから三角形
ABCの外接円へ引いた接線との接点をDとすると,ADはSymmedianである.

Symmedian-作図3 Symmedian-作図3

こちらも同様にSymmedianが作図できていることを確認していきましょう.

方針:定理1と同様の手法を用いる.

定理1より,BKは三角形BDAのSymmedianである.したがって,ABC=HBDである.また,円周角の定理より,BCA=BDHである.よってABDAMCが従う.|BD|:|DH|=|BC|:|CA|が得られる.また,M,Hが中点であることより,定理1の証明と同様にABCHBDである.したがって,ADはSymmedianである.

Symmedian-作図4 Symmedian-作図4

ちなみに,定理1を用いない証明も存在します.

Symmedianの基本性質

上の証明の途中でいくつか面白い性質が出てきましたね.いったんそれらをまとめていきたいと思います.

Symmedianの性質1

図において,ADはSymmedianである.このとき,以下の性質が成り立つ.
AD,B,Cの接線は共点である.
BHD=CHDである.(角の二等分線)
ADの中点HB,P,C,Oの5点は同一円周上にある.
BCは三角形ACD(三角形ABD)のSymmedianである.

Symmedian-性質1 Symmedian-性質1

ここでは,ADがSymmedianの時にこれらの性質が成り立つことを改めて示してみましょう.

ADはSymmedianなので,BAD=CAMである.また,円周角の定理より,ABC=ADCである.したがって,ABMADCである.よって,|AD|:|DC|=|AB|:|BM|である.また,M,Hは中点であるから|HD|:|DC|=|AB|:|BC|が得られる.このことから,ABCHDC従う.DHC=BAC=COM=COPが得られる.よって,5点O,H,C,P,Bは共円である.(3つ目の性質)

また,5点が共円であるから簡単な角度計算より,BHP=CHPである.(2つ目の性質)
さらに,三角形HBCにおいて,HPは角の二等分線であるから有名事実より,HPBCのうちOを含まないほうの中点を通るからADPを通る.(1つ目の性質)

4つ目の性質は定理1と定理2を用いることで容易に得られる.

もう少し,Symmedianの性質を見ていきましょう.

ADはSymmedianである.このとき,AD上に点Gを取ると|GH|:|GI|=|AB|:|AC|

ADはSymmedianであるからAGIAME,AGHAMFである.よって,|GH|:|GI|=|MF|:|ME|が得られる.Mは中点なのでABM=ACM.したがって,|AB||EM|=|AC||FM||MF|:|ME|=|AB|:|AC|である.

lemma-1 lemma-1

補題を示したのは下記の有名な定理のためです.

Symmedianの性質2/Steiner's Ratio Theorem

図において,ADをSymmedianとすると,|BD|:|CD|=|AB|2:|AC|2が成り立つ.

|BD|:|CD|=ABD:ACD=|AB||DF|:|AC||DE|.ここで,補題4より,|DF|:|DE|=|AB|:|AC|である.したがって,|BD|:|CD|=|AB|2:|AC|2.

Steiner's Ratio Theorem-2 Steiner's Ratio Theorem-2

Symmedianの性質3/antiparallel

Symmedianは逆平行線の中線である.

逆平行とは簡単に言うと,ABC=AFEとなるような状況のことを言います.

BCEFは逆平行なのでABC=AFE,ACB=AEFである.したがって,ABCAFEである.また,ADがSymmedianなのでEAN=CAMであるからACMAENである.|BC|:|MC|=|FE|:|NE|=2:1であるからNFEの中点である.

Antiparallel-1 Antiparallel-1

ここまでいろいろな面白い性質を紹介してきましたがSymmedianの性質は数えきれないほど存在します.あくまでもこれらは"基本"性質です.

類似重心(ルモアーヌ点)

一つの三角形に対して三つのSymmedianが存在しますがそれらは一点で交わるのでしょうか?実際に図を描いてみると交わりそうですね.

類似重心

三角形の三本のSymmedianは一点で交わる.これを類似重心と呼ぶ.

方針:チェバの定理の逆より|AF||FB||BD||DC||CE||EA|=1を示す.

ここで,Steiner's Ratio Theoremより|AF|:|FB|=|CA|2:|BC|2|AF||FB|=|BC|2|CA|2である.他の項に対しても同様の変形をすると,|AF||FB||BD||DC||CE||EA|=|BC|2|CA|2|CA|2|AB|2|AB|2|BC|2=1となって,3本のSymmedianは一点で交わることが示された.

類似重心-1 類似重心-1

この一点は類似重心やルモアーヌ点と呼ばれています.ルモアーヌ点の性質もたくさん存在しますが,今回は少しだけ面白い性質を紹介しておきます.

類似重心GからBC,CA,ABへ下ろした垂線の長さをx,y,zとすると,x:y:z=|BC|:|CA|:|AB|が成り立つ.

これは補題4が刺さりそうですね.

Gは3つのSymmedian上の点であるので、補題4より,x:y=|BC|:|CA|,y:z=|CA|:|AB|,z:x=|AB|:|BC|である.よって,x:y:z=|BC|:|CA|:|AB|

三角形ABCの内部の点PからAB,BC,CAへ下ろした垂線の長さをz,x,yとすると,x2+y2+z2が最小となるようなPは類似重心である.

|AB|=c,|BC|=a,|CA|=bとする.コーシーシュワルツの不等式より,(a2+b2+c2)(x2+y2+z2)(ax+by+cz)2が成り立つ.

       (x2+y2+z2)(ax+by+cz)2(a2+b2+c2)(x2+y2+z2)4S2(a2+b2+c2)
ここでの統合成立条件はa:b:c=x:y:zでありそのような点は類似重心である.

Symmedianの作図(応用編)

Symmedianの作図をもう少し深掘りしてみましょう.

直角三角形におけるSymmedian

直角三角形におけるSymmedianは対辺への垂線であることを示せ.

2本の接線は必ずしも一点で交わるとは限りません.そのようなケースを考えてみましょう.

BAD=CAMであり,CAM=ACMである.AMC=180°2MACであり,円周角の定理より,ABD=90°MACより,ADM=90°となる.従って,Symmedianは垂線である.

直角三角形におけるSymmedian 直角三角形におけるSymmedian

このことから,外接円の接線とSymmedianは一点で交わるか平行になるかの二択であるとわかりましたね.これは根心と似ていますね.

Symmedianの作図-応用編1

三角形ABCにおいて図のようにAB,ACを一辺とする正方形を考える.この時,三角形ADGの外心とAを結んだ直線はSymmedianとなることを示せ.

Symmedian-作図応用編1-1 Symmedian-作図応用編1-1

12BAC+90°+12DAG=180°より,BACの角の二等分線とDAGの角の二等分線は一致する.一方で,三角形DAGに注目すると,直線IAは外心を通る.外心と垂心は等角共役関係にあることから直線MAが垂心を通ることを示す.すなわち,直線MADGと直行することを示ば良い.Aを中心として三角形DAG270°回転した三角形HACを考える.中点連結定理より,AM//HCである.従って,直線MADGと直行する.これより,AIはSymmedianである.

Symmedian-作図応用編1-2 Symmedian-作図応用編1-2

Symmedian-作図応用編2

三角形ABCにおいて,辺AB,AC上にBC//DEとなるように点D,Eをとる.BECDの交点をFとする.三角形BDF,CEFの外接円の交点のうちFでないものをGとすると,AGはSymmedianであることを示せ.

Symmedian-作図応用編2-1 Symmedian-作図応用編2-1

とても自然な流れでSymmedianが登場しましたね...!

方針:補題4を使う

簡単なangle-chaseより,DBGCEGである.HBD,HCEGからBD,CEへと下ろした垂線の長さとする.ここで,補題4より,HBD:HCE=|AB|:|AC|を示せば良い.

|AB|:|AC|=|BD|:|CE|=DBG:CEG=HBD:HCEであるから題意は示された.

Symmedian-作図応用編2-2 Symmedian-作図応用編2-2

Symmedian-作図応用編3

三角形ABCにおいて,辺AB,AC上にBC//DEとなるように点D,Eをとる.三角形BEA,CDAの外接円の交点のうちAでないものをFとすると,AFはSymmedianであることを示せ.

Symmedian-作図応用編3-1 Symmedian-作図応用編3-1

方針:問題3を用いる

DBF=FEC,BDP=ECFであるからDBFCEFよりBFEDFCが従う.よって,4点B,D,G,FC,E,G,Fはそれぞれ共円である.ここで,問題3よりAFはSymmedianである.

Symmedian-作図応用編3-2 Symmedian-作図応用編3-2

三角形ABCにおいて辺AB,AC上に点D,EBC//DEとなるようにとる.Dを通りACに逆平行な直線とEを通りABに逆平行な直線の交点をPとしたとき,AFはSymmedianであることを示せ.

Symmedian-作図応用編4-1 Symmedian-作図応用編4-1

残りの逆平行線を引いてそこの中点を通ることを示していきましょう.

BAC=A,CBA=B,ACB=Cとする.DH,EGは逆平行線であるから,BDC=C,CEG=Bである.A+B+C=180°であるから,DHG=EGH=Aである.また,DE//GHなのでFDE=FED=Aである.従って,|FD|=|FE|である.ここで,Eを通りBCと逆平行な補助線を引く.すると,KDF=DKF=Cであり,|FK|=|FD|である.同様に,|FJ|=|FE|である.従って,EKJの中点である.従って,定理6よりAFはSymmedianである.

Symmedian-作図応用編4-2 Symmedian-作図応用編4-2

@I_______nu

三角形ABCの外接円をΩとして,2点B,Cについてのアポロニウスの円であってAを通るようなものをωとする.この時,以下の性質が成り立つ.

ωΩで反転させても不変である.
ωの中心,A,BCの中点を通る円をΩで反転させるとSymmedianとなる.

僕は反転を初等的に扱った経験があまりないので紹介だけです.申し訳ありません.

調和四角形

Vietnam TST

三角形ABCの外接円をΩとして,MBCの中点とする.円I1B,Mを通り,ABと接する円とする.円I2C,Mを通り,ACと接する円とする.この時,円Ω,I1,I2が一点で交わることを示せ.

I1I2の交点XABCの外接円上に存在することを示す.接弦定理より,ABC=BXM,ACB=CXMである.BAC+BXC=180°より四点ABXCは共円である.

調和四角形-1 調和四角形-1

さて,問題自体はこれで終わっても良いですがせっかくなのでSymmedianとの関係性も見ていきましょう.これはイメージ的には問題4の特殊な場合と考えれば良いですね.

Symmedianの確認

簡単なangle-chaseよりCDM=BDAであるからDAは三角形DBCDに関するSymmedianである.ここでAからBD,CDはと下ろした垂線の長さをd1,d2とすると,補題4より以下が成り立つ.d1:d2=|AB|:|AC|=|DB|:|CD|である.ここで,Dについて注目すると,補題4よりADは三角形ABCに関してのSymmedianである.

調和四角形-2 調和四角形-2

ちなみに,このような四角形は調和四角形と呼びます.ここで,調和四角形に関しての性質をいくつか見ていきましょう.

調和四角形

調和四角形

四角形ABCDが円に内接して,|AB||CD|=|BC||DA|を満たすとき調和四角形と呼ぶ.

調和四角形には以下の同値な言い換えが存在します.

調和四角形ABCDにおいてACは三角形ABDAにおけるSymmedianである.

まぁ,補題4より明らかですね.これはもちろん三角形ABCなどにも成り立ちます.

複比と調和点列

実践問題は難しい問題も含まれています.一旦ここでは事前準備として複比と調和点列について扱っていきます.あくまでもSymmedianについての記事なのでここでは軽くしか扱いませんので各自で調べることを推奨します.知っている人は飛ばしてもらって構いません.

複比

複比

四点A,P,B,Qに対してAPBP×BQAQを複比といい,(A,B;P,Q)と表す.

イメージとしては「比と比の掛け算」です.

一点Oを通る4つの直線と二つの直線がなす複比は等しい.

簡単なので証明は省略します.

調和点列

調和点列

(A,B;P,Q)=1となるような点列を調和点列という.

調和点列には同値な言い換えがいくつか存在しますが代表的なものを紹介しておきます.

四点A,P,B,Qが調和点列ならば|AM||AB|=|AP||AQ|である.ただし,MPQの中点である.

こちらも簡単なので証明は省略します.

実践問題

ここからは実践的な問題を通じてSymmedianの性質をさらに深掘りして行きたいと思います.Symmedianは何が嬉しい?という疑問も解決できるのではないかと思います.とりあえず簡単な問題から考えていきましょう.

Brilliant

三角形ABCOを中心とする円Ωに内接している.BCの中点をMとする. Ωに関するB,Cにおいての接線の交点をPとする.APΩの交点のうちAでないものをDとする.BDM=27°であったとき,AOCを求めよ.

四角形ABDCは調和四角形である.従って,ADは三角形DBCにおけるDのSymmedianである.従ってBDM=CDA=27°である.さらに円周角の定理より,CDA=CBA=12AOC=27°従って,AOC=54°である.

OMC087-A

円に内接する四角形ABCD|AB||CD|=|BC||DA|を満たします.線分BDの中点をMとします.|AB|=127,|AD|=129,|CM|=32であるとき,AMの長さを求めてください.

これは4eの水diffでした.

四角形ABCDは調和四角形である.従って,ACはSymmedianである.直線AMと三角形ABCの外接円との交点のうちAでない方をCとする.ACACは等角共役線なのでBAC=DACである.円周角の定理より,|BC|=|DC|.また,|BM|=|DM|である.BAC=DACであり,円周角の定理より,MDC=MBCである.従って,BMCDMCである.このことから,|CM|=|CM|が得られる.方べきの定理より,|BM|2=|AM||MC|=|AM||MC|である.さらに,中線定理より|AB|2+|AD|2=2(|BM|2+|AM|2)である.これらを併せて,以下の連立方程式を得る.

{|BM|2=32|AM|1272+1292=2(|BM|2+|AM|2)

これを整理すると,|AM|2+32|AM|(214+1)=0という二次方程式が出てきます.214+1の素因数分解に関してですが,これは214+1=484+14とみることでソフィージェルマン恒等式より,5×29×113とわかります.従って,|AM|=113です.Symmediaに気づくことで簡単に解ける問題でした.

実践問題2-1 実践問題2-1

@I_______nu

三角形ABCの垂心Hから中線AMへと下ろした垂線の足をPとする.PBCに関して対称移動させた点をAとすると,AAはSymmedianとなることを示せ.

Symmedianの対称性に着目してみましょう.

HPM=HDM=90°より,P,H,M,Dは共円.PH,MDの交点をXとすると方べきの定理より,|XH||XP|=|XD||XM|である.ここで,B,D,C,Xは調和点列なので|XC||XB|=|XD||XM|である.従って,方べきの定理の逆より,B,C,H,Pは共円である.一方で有名事実として,HBCに関して対称移動させた点はHは三角形ABCの外接円上にくる.三点BCHで定まる円とBCHで定まる円は対称だからAは三角形ABCの外接円上にくる.AMと三角形ABCの外接円の交点をYとすると,YMに関してPと点対称なのでBY=PCである.また,ABCに関して対称であるから,PC=ACである.従って,AAはSymmedianである.(この長さに着目した角度の比較はIMOクラスの問題だとよく見かけます.難しいです.)

実践問題3-1 実践問題3-1

@I_______nu

不等辺三角形ABCにおいて,その外接円をΩとし,Aを通ってBCに垂直な直線とΩの交点のうちAでない方をDとする.B,Cから対辺に下ろした垂線の足をそれぞれE,Fとし,三角形DEFの外接円とΩの交点のうちDでない方をAとする.B,Cも同様に定めるときにAA,BB,CCは一点で交わることを示せ.

引用元は こちら
ヒント:上の問題9と関連しています.

根心の存在性より,AD,FE,BCは一点Pで交わる.AMAHの交点をQとする.HQM=90°ならば問題9より,AAはSymmedianである.Symmedianは一点で交わるからHQM=90°であることを示せば良い.

ここで,AAが直径となるようにAをとる.すると,ABAB,ABCFであるからAB//CFである.同様にAC//BEであるから,四角形BACHは平行四辺形である.従って,その中心MA,Hは一直線上に並ぶ.ここで,直線MHΩの交点のうちAでないものをTとすると,ATATより,A,F,H,E,Tは共円である.特にこの円はAHを直径とする円である.この円とΩ,B,C,E,Fの外接円の根心を考えればA,T,Pは共線である.ここで,MTAP,AHMPより,Hは三角形AMPの垂心である.従って,PHAMであるから題意は示された.

実践問題4-1 実践問題4-1

実践問題4-2 (これエグいって...) 実践問題4-2 (これエグいって...)

@I_______nu

三角形ABCにおいて, Aから対辺に下ろした垂線の足をD, 垂心をHとし, AHを直径とする円と三角形ABCの外接円Ωとの交点をPAとする.PDΩとの交点をFとすると,AFはsymmedianであることを示せ.

同様の構図に関する問題です.AHを直径とする円は問題10におけるA,F,Q,H,Eの載る円である.問題10におけるTAAからBCへと下ろした垂線の足(これをHAとする.)が共線であることを示せば良い.さらに,示すべきことはQHAH=THAHと同値である.QHAH=HMQ=TMQ=TPQ=TPH=THAHであるから題意は示された.

問題5-1 問題5-1

この構図における点Qのことを"Humpty-point"というそうです.

有名構図

三角形ABCにおいてB,AA,Cへと移す相似拡大の中心をXとする.このとき,AXはSymmedianとなることを示せ.

まずは図を描いて答えを予想してみましょう.Xは回転相似の中心ですからBXA=AXCとなります.従って,BXD=CXDとなります.このような点に見覚えはないですか...?そうです,Symmedianの基本性質で扱いましたね. こちら ですね.つまり,XADの中点かなと予想がつくわけです.というわけで,ADの中点が回転相似の中心となることを示していきます.

実践問題6-1 実践問題6-1

ADの中点をXとする.Xが回転相似の中心であることを示せば良い.BOXCは共円である.Symmedianの性質より,BXA=AXCである.また,四角形ABDCは調和四角形であるから,BCは三角形BDAのSymmedianである.従って,DBC=ABXである.また,円周角の定理より,DBC=DACである.従って,BXAAXCである.|BX|:|AX|=|AX|:|CX|より,Xは回転相似の中心である. 

実践問題6-2 実践問題6-2

ちなみにこのような点を"Dumpty-point"と言うそうです."Humpty-point"と同様に有名な点です.では,この構図を使う問題を見ていきましょう.

USA-TST 2008 Problem7

三角形ABCの重心をGとする.辺BC上に点Pをとり,Q,RPQ//AB,PR//ACとなるようにとる.このとき,三角形AQRの外接円は常にSymmedian上の一点を通ることを示せ. 

AoPS

BA,ACとなるような回転相似変換Tを考える.問題12より,その中心はSymmedian上の点となる.ここで,RBPQPCABCであるから,RBAR=RBQP=RPQC=AQQCが従う.すなわち,R,QBA,ACを等しい比で内分する点であるから変換Tによって,RQに移る.従って,ARXCQXが得られる.このことから,ARX=CQXが従う.よって,4点A,R,X,Qは共円である.従って,題意は示された.

実践問題7-1 実践問題7-1

さて,ここまできた皆さんならば次の問題は簡単に解けるのではないでしょうか.

IMO2003-shortlist G2

一直線上に点A,B,Cがこの順で並んでいる.ACを通る円のうち,中心が線分AC上にないものをΓとする.点A,CにおけるΓの接線の交点をPとし,PBΓQで交わる.このとき,三角形AQCの角の二等分線とACの交点はΓの選び方に依らないことを示せ.

直線PQΓの交点のうち,QでないものをDとすると,四角形DAQCは調和四角形となる.従って,DQは三角形DACのSymmedianである.このことから,Steiner's Ratio Theoremより,|AB|:|CB|=|DA|2:|DC|2|AB|:|CB|=|DA|:|DC|である.また,四角形DAQCは調和四角形なので|DA||QC|=|AQ||CD|である.これを変形すると,|AQ||QC|=|AD||DC|=|AB||BC|となる.これは三角形AQCの角の二等分線とACの交点が円Γに依らないことを意味している.従って,題意は示された.

実践問題8-1 実践問題8-1

終わりに

長く拙い記事でしたが,ここまで読んでくださって本当にありがとうございました!少しでも皆さんがSymmedianと仲良くなってくれたらなと思います.行間が広すぎてわからない所やミス等の指摘があればtwitterのDMからいつでも質問してください.あと,高評価を押してくれるととっても嬉しいです!!本当にお願いします!!!

この記事の作成にあたって, 翁さん には大変お世話になりました.ありがとうございました!

参考文献

投稿日:202287
更新日:2024315
OptHub AI Competition

この記事を高評価した人

高評価したユーザはいません

この記事に送られたバッジ

バッジはありません。
バッチを贈って投稿者を応援しよう

バッチを贈ると投稿者に現金やAmazonのギフトカードが還元されます。

投稿者

自己満足

コメント

他の人のコメント

コメントはありません。
読み込み中...
読み込み中
  1. 初めに
  2. Symmedianとは
  3. Symmedianの作図
  4. Symmedianの基本性質
  5. 類似重心(ルモアーヌ点)
  6. Symmedianの作図(応用編)
  7. 調和四角形
  8. 複比と調和点列
  9. 実践問題
  10. 終わりに
  11. 参考文献