今回は少し前に解いたIMOの整数問題を解説していきます.
以下の等式をみたす整数の組$(x,y)$をすべて求めよ.
$1+2^x+2^{2x+1}=y^2$
初見はシンプルで解きやすそうな問題ですが,まあまあめんどくさいです.しかし,やはり整数問題は解けたときの快感がたまりません.では早速解説していきます.
$y$が解の時,$-y$も解になるので$y\gt 1$とします.(右辺は明らかに$1$より大きいので)
整数ではめんどくさいので正の整数であることを示しましょう.
便宜上$1+2^x+2^{2x+1}=y^2$を(*)と置きます.
次に$x \gt0$のときを考えますが流石シンプルな問題,やることは簡単です.
$x \gt 0$のとき
$2^x(1+2^{x+1})=(y+1)(y-1)$より
$$
\left\{
\begin{eqnarray}
y+1=A\cdot2^a \tag{1} \\
y-1=B\cdot2^b \tag{2}\\
a+b=x \tag{3}\\
AB=1+2^{x+1} \tag{4}
\end{eqnarray}
\right.
$$
とおける.但し,$a,b$は自然数,$A,B$は正の奇数である.
さらに,$\displaystyle (4) \iff 2^x = \frac{AB-1}{2}(4)'$となる.
$y+1$と$y-1$の最大公約数は$2$であるから$a,b$のいづれかは$1$である.
$b=1$のとき
$(3)$から$a=x-1$
$(1)+(2)$から$\displaystyle y=A \cdot 2^{a-1}+B=A\cdot 2^{x-2}+B=A\cdot \frac{AB-1}{8}+B(\because (4)')$
これを$(2)$に代入すれば
$A(AB-1)+8B-8=16B \iff (A^2-8)B=A+8$
これを満たす正の奇数$(A,B)$は簡単な不等式評価により$(3,11)$のみである.
このとき,$(2)$から$y=2B+1=23$であり,$(1)$から$a=3$が得られ,$(3)$から$x=4$が得られる.
以上から求めるべき値は$(x,y)=(0,\pm{2}),(4,\pm{23})$
いかがだったでしょうか??やはり因数分解は強力です.
場合分けでやることは同じでしたがいろんなところに代入したり結構大変だったのではないでしょうか.(別解や、より簡単な解き方があればぜひご教授ください)
ちなみに最初のほうに書いた落とし穴というのは$x$を最初から自然数で考えて$x=0$が抜けていました(非常に恥ずかしい間違いなので皆さんもぜひご注意を)