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IMO2006の整数問題

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 今回は少し前に解いたIMOの整数問題を解説していきます.

2006年IMO P4

以下の等式をみたす整数の組(x,y)をすべて求めよ.
1+2x+22x+1=y2

 初見はシンプルで解きやすそうな問題ですが,まあまあめんどくさいです.しかし,やはり整数問題は解けたときの快感がたまりません.では早速解説していきます.
 yが解の時,yも解になるのでy>1とします.(右辺は明らかに1より大きいので)
 整数ではめんどくさいので正の整数であることを示しましょう.
便宜上1+2x+22x+1=y2を(*)と置きます.

  • x<0のとき
    y>1なので1<y2=1+2x+22x+1<4となり,そのようなyは存在しない.
  • x=0のとき
    y2=4よりy=2

 次にx>0のときを考えますが流石シンプルな問題,やることは簡単です.

  • x>0のとき
    2x(1+2x+1)=(y+1)(y1)より
    {(1)y+1=A2a(2)y1=B2b(3)a+b=x(4)AB=1+2x+1
    とおける.但し,a,bは自然数,A,Bは正の奇数である.
    さらに,(4)2x=AB12(4)となる.
    y+1y1の最大公約数は2であるからa,bのいづれかは1である.

    • a=1のとき
      (3)からb=x1
      (1)+(2)からy=A+B2b1=A+B2x2=A+BAB18((4))
      これを(1)に代入すれば
      8A+B(AB1)+8=16AA(B28)=B8A=B8B28
      これを満たす正の奇数(A,B)は簡単な不等式評価により(1,1)のみでありこの時,y=2A1=1となり,そのような(*)は存在しない.
  • b=1のとき
    (3)からa=x1
    (1)+(2)からy=A2a1+B=A2x2+B=AAB18+B((4))
    これを(2)に代入すれば
    A(AB1)+8B8=16B(A28)B=A+8
    これを満たす正の奇数(A,B)は簡単な不等式評価により(3,11)のみである.
    このとき,(2)からy=2B+1=23であり,(1)からa=3が得られ,(3)からx=4が得られる.

以上から求めるべき値は(x,y)=(0,±2),(4,±23)

 いかがだったでしょうか??やはり因数分解は強力です.
場合分けでやることは同じでしたがいろんなところに代入したり結構大変だったのではないでしょうか.(別解や、より簡単な解き方があればぜひご教授ください)
 ちなみに最初のほうに書いた落とし穴というのはxを最初から自然数で考えてx=0が抜けていました(非常に恥ずかしい間違いなので皆さんもぜひご注意を)

投稿日:2022816
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