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多変数漸化式

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Ω={1,2,,k}から1つの元を取り出す試行を考える.
どの数が出る確率も1kとする.
くり返し行い(反復試行),j回目に出る数をXjとする.
X1++Xn1<mかつX1++Xnm
となる確率,要するに総和がn回目で初めてm以上となる確率をPn(m)と表すことにする.
この確率について調べよ.

k=2

P1(1)=1
P1(2)=12
P1(m)=0 (m>2)
P2(1)=0
P2(2)=12
P2(3)=34
P2(4)=14
P2(m)=0 (m>4)

以下k=2の場合を考える.
Nn(m)=2nPn(m)の値を表にすると以下のようになる.

m=1m=2m=3m=4m=5m=6m=7m=8
n=121000000
n=202310000
n=300254100
n=400027951

(1)Nn(m)=0 (m<n,2n<m)
(2)Nn(n)=2
(3)Nn(2n)=1
(4)Nn(m)=Nn1(m1)+Nn1(m2)

2,1
2,3,1
2,5,4,1
2,7,9,5,1,
2,9,16,14,6,1

a1(n)=2n1とおく.以下のように定める.
ai+1(n)=k=1nai(k)

a0(n)=2
a1(n)=2n1
a2(n)=(2n1)=n(n+1)n=n2
a3(n)=n2=16n(n+1)(2n+1)

ai+1(n)=(2n1)
=n=1ni回施す.

Pascal の恒等式

n=km(nk)=(m+1k+1)

ai(n)=(n+i1i)+(n+i2i)

a1(n)=2n1=2(n1)1
a2(n)=a1(n)=2(n1)1=2(n+12)(n1)
a3(n)=a2(n)=2(n+23)(n+12)
ai(n)=2(n+i1i)(n+i2i1)
ここで(NK)=(N1K)+(N1K1)を利用する.
ai(n)=(n+i1i)+(n+i2i)

n=2μを固定するとき,Nn(m)の値はm=n+μのとき最大となる.
この値は
Nn(n+μ)=N2μ(3μ)=aμ(μ+1)=(2μμ)+(2μ1μ)=3(2μ1μ1)
となる.また,
Pn(m)=Nn(m)2n=34μ(2μ1μ1)

a1(2)=3(10)=3,P2(3)=34
a2(3)=3(31)=9,P4(6)=916
a3(4)=3(52)=30,P6(9)=3064

34m+1(2m+1m)=3434562m+12m+2

ν=1(112ν)=0
したがってPn(m)の最大値はn0に収束する.

Gamma function

Γ(z)=1zn=1(1+1n)z1+zn
Γ(12)=2π

Γ(12)=2n=1nn+1112n=2limn1n+1k=1n(112k)1
よって
k=1(112k)=0

引用
第14回マスフェスタ<全国数学生徒研究発表会>2022年8月27日
横浜サイエンスフロンティア高等学校
<すごろくの確率分布に現れる「峠の移動」を定式化する>

投稿日:202295
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