幾何学的なことを書かなかったので、特に面白みは無い記事です。よくありそうな不等式の基本的な証明問題ですが、ホイヘンスの名前を出して、日本語で、高校数学として解説しているものがあまりネットにないと感じたので証明を書いてみました。円周率の昔の計算に使われたようです。背景や幾何学的なことは参考文献[1]が詳しいと思います。また[3]が分かりやすいと思います。
すなわち、
が成り立つ。
この定理を証明する前に補題を用意します。
が成り立つ。
の証明に良く使われます。この極限から三角関数の導関数の公式が導かれます。補題の不等式を使わないで三角関数の導関数の公式を導くこともできるので、補題を証明する際に普通に微分、積分を使う方法が悪いとは言えません。しかし、循環論法に注意しながら考えたくないので、補題の証明は省略します。
が成り立つ。
が得られる。
上からの評価は
追記
東大の入試問題で
を使って確かめてみます。
任意の
が成り立つ。
は双曲線のパラメータ表示である。
任意の実数
等号は
また、
任意の
が成り立つ。特に、
任意の
と
が成り立つ。