1

重複組合せの分割

326
0

n人からk個取り出す組合せ総数 nHk
n人中k人~1人の中で選抜したr人からk個取り出す組合せ総数 r=1k(k1)C(r1)×nCr と同値です。(1,2,rk)   

n人中k~1人から選抜したr人からk個取り出す組合せ総数

r=1k (k1)C(r1)×nCr

n人からr人選抜した中からk個取り出す組合せ総数

(k1)C(r1)×nCr

証明

n人からk人取り出す組合せ総数は nCk
n個をk人に余りなく配る組合せ総数は (n1)C(k1)
これらの定理を使って

まずn人からr人に絞るためnCr
そしてr人から1人に対してk個中何個貰えるか割合の組合せを調べる
r人からk個貰うのはk個をr人に配ると同じだから(k1)C(r1)
掛け合わせて
(k1)C(r1)×nCr
これをr人から1人までの場合を数えると
r=1k(k1)C(r1)×nCr
になります。
そして
r=0kでも問題ありません。何故ならr0なら(k1)(r1)=(kr)k1より大きくなりその項は0となり、カウントしなくていいからです。
(k1r1)

(k1kr)と等価である事がわかる。
これにより
(k1kr)×(nr)
として、
下降冪二項定理から始めて
k!(n+(k1)k) =r=0k(kr)(n)r(k1)kr =r=0kk!r!(kr)!n!(nr)!(k1)!(k1)(kr)!
=k!r=0kn!r!(nr)!(k1)!(kr)!((k1)(kr))!

(n+(k1)k) =r=0k(nr) ((k1)(kr))
最初に示した通りに戻す(k1)(kr)=(r1)
((k1)(r1))
それにより
(n+k1k)=r=0k(nr) (k1r1)
ヴァンデルモンドの恒等式になります。

また
kHn=nH(k1) nk
r=1n(n1)C(r1)×kCr
になります。

例題

5人中2人選び3個取り出す組合せ
答え  (3-1)C(2-1)×5C2 =20
5人中3人から1人まで全員選んだ場合で3個取り出す組合せ
5H3=(5+31)C3=3Σr=1(31)C(r1)×5Cr
5H3
= (3-1)C(3-1)×5C3
+(3-1)C(2-1)×5C2
+(3-1)C(1-1)×5C1
 
5H3
=(○|○|○)←【●(●●●)●】
+(○○|○,○|○○)←【●●(●●)●】
+(○○○)←【●●(●)●●】
[【】の●中から選んだ()の●を、棒の間の○に入れるイメージ]

5H(31)=(51)C(31)×3C3+(51)C(32)×3C2+(51)C(33)×3C1

5H(31)=(,,,,,)×()+(,,,)×()+()×()
[【】の●の中から選んだ()の●を、棒の間の○に入れるイメージ]

この問題は「ヴァンデルモンドの畳み込み」の特殊な場合です。

5H3=2C0×5C3+2C1×5C2+2C2×5C1
(5+31)C3=(5+2)C3=r=032Cr×5C(nr)

今回示した式は、他の二項係数を応用した確率分布にもまた違った解釈を与える。

超幾何分布

超幾何分布K!k!Kk!NK!nk!NKnk!N!n!Nn!
赤玉K個、白玉NK個の計N個の玉を壺の中から、n個取り出すとき、赤玉がちょうどk個の確率

これを今回の公式で応用すると

k1!r1!k1r1!n!r!nr!n+k1!n!k1!
これを使ってn人からk個貰える時、
n人からr人選抜した確率が分かる。

負の二項分布

負の二項分布(n+k1n)pn(1p)k
n回の失敗までにk回の成功が起こる確率。これは、最初のn+k1回のうちk1回と、n+k回目の試行が失敗することを意味します。

(k1r1)(nr)pn(1p)k
これはn回の成功するまでにk回失敗する中で
連敗がr回の場合を示す。

まず最初に示した証明に分割数を使った新たな解釈を与える

分割数による公式2の別解釈

k1Cr1=(k1r1)
=k1!r1!(k1)(r1)!=k1!r1!kr!=r+(kr)1!r1!kr!=rHkr
r個の分割する足場となる1を作り、残りのkrをその上に重ねるイメージ
重ねた後(nr)を使いnカ所からr個の足場の数の組合せを数える。

(5131)=3H53
=(1+1+1)1(53)
(2+2+1),(2+1+2),(1+2+2),(1+1+3),(1+3+1),(3+1+1)
さらに(1+1+1)となる1×30×0の組合せ
(33)を掛けるがこの場合3か所に1が埋まっているため変わらない。なので6通り。
2H52(1+1+0)(52)を重ねて、
(3+2),(2+3),(4+1),(1+4)
さらに(1+1+0)による0×11×2の組合せ(32)を掛けて
(3+2+0),(3+0+2),(0+3+2),(2+3+0),(2+0+3),(0+2+3)
(4+1+0),(4+0+1),(0+4+1),(1+4+0),(1+0+4),(0+1+4)
12通り
1H51(1+0+0)(51)を重ねて、
(5)
さらに1+0+0による0×21×1の組合せ(31)
(5+0+0),(0+5+0),(0+0+5)
3通り

例題

(5131)(33)=(212)(××),(221)(××),(122)(××),(131)(××),(113)(××),(311)(××)
これは左から右に見るように、失敗(×)しても成功(○)したあと次の壁に進むことを表します最後は必ず成功で終わるので右はすべてに○です。
壁に到達したら〇になり、到到達前の成功を×にして同じ順番で表すと
(××××),(××××),(××××),(×××××),(×××××),(×××××)
連敗が3回発生してるのが見えます。

(5121)(32)
=(320)(×××)(302)(×××)(032)(×××)(230)(×××)(203)(×××)(023)(×××)
(140)(×××)(104)(×××)(014)(×××)(410)(×××)(401)(×××)(041)(×××)
これを上と同じように変換して同じ順番です。
(×××××)(×××××)(×××××)(×××××)(×××××)(×××××)
(×××××)(×××××)(×××××)(×××××)(×××××)(×××××)
連敗が二回起きる。
(5111)(31)
=(500)(××××)(050)(××××)(005)(××××)
(×××××)(×××××)(×××××)
連敗が一回となることが見てわかる。

以上が偶然見つけた重複組合せとヴァンデルモンド恒等式の関係性による分割です。

投稿日:20221014
更新日:114
OptHub AI Competition

この記事を高評価した人

高評価したユーザはいません

この記事に送られたバッジ

バッジはありません。
バッチを贈って投稿者を応援しよう

バッチを贈ると投稿者に現金やAmazonのギフトカードが還元されます。

投稿者

nakano
nakano
10
2233

コメント

他の人のコメント

コメントはありません。
読み込み中...
読み込み中
  1. 証明
  2. 例題
  3. 今回示した式は、他の二項係数を応用した確率分布にもまた違った解釈を与える。
  4. 超幾何分布
  5. 負の二項分布
  6. まず最初に示した証明に分割数を使った新たな解釈を与える