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関数方程式テクニック集

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はじめに

 お久しぶりです.めちゃくちゃ軽めの記事です.ノリで30分で作りました.今回は競技数学における関数方程式のテクニックを集めてみました.定義や定理ではないのでフワッとした表現が多々含まれています.わからない場合は例などを参照してください.

テクニック集

①全射性

$f(x)$が全射であるとき$f(x)$を含む塊を文字で置ける.

全射性

$f$が全射で,$f(f(x)+k)=f(x)+k$ならば$f(x)=x$である.

解説

$f$が全射なので,$f(x)+k$も全射である.従って,$f(x)+k$は任意の値をとるから$a=f(x)+k$などと置いても良い.$f(a)=a$であるから求める関数は$f(x)=x$である.


②特殊な等式

$f(0)f(f(0))=0$ならば$f(f(0))=0$である.

$f(0)=0$の場合は$f(f(0))=f(0)=0$である.$f(f(0))=0$の場合はそのまま$f(f(0))=0$である.どちらにせよ$f(f(0))=0$である.


③解の予想

まず$f(x)=ax+b$代入してみる.これを行うことによって,$f(x)=x+c$$f(x)=-x$などの可能性を見落とさなくなる.


④周期性

$f$が整数値に対して定義され,整数値を取る場合に周期性に着目すると良い.

周期性

$f(x+a)=●,f(x+b)=○$という二式を見たら$f(x+ab)$を考えると上手くいくことがある.


⑤部分的な単射性

関数全体に関して単射が言えなくても部分的に単射がいえる場合がある.難問に多い印象.

部分的な単射性

$f(x)=0$なる$x$がが一意に定まるとき$f(a)=f(b)=0$ならば$a=b$である.


⑥f(f(f(x)))のパターン

$f(f(x))=g(x)$の場合に$f(f(f(x)))=f(g(x))=g(f(x))$である.

3回合成

$f(f(x))=x+k$の場合に$f(f(f(x)))=f(x+k)=f(x)+k$である.


⑦定義域や値域を利用する

定義域や値域にはしっかりと重要な情報が含まれています.

定義域と値域

正整数値に対して定義され,正整数値をとる関数$f$が以下の式を満たすとき,広義短調増加である.
$$ f(x)+f(x^x)=f(x+1) $$

$f(x+1)-f(x)=f(x^x) \ge 0$であり$f$は広義短調増加である.


⑧依存する文字を考える

関数が依存する文字を考えれば嬉しいことがあるかも.$f(x)+f(y)=f(x+y)$という関数を例にとって考える.例えば以下の議論が成立する.

依存する文字

$f(x)+f(y+z)=f(x+y+z)$であり,$f(x+y)+f(z)=f(x+y+z)$であるので,$f(y+x)-f(x)=f(y+z)-f(z)$である.この式において$x,y$を固定した場合に$z$を動かしても左辺の値は一定であるから$f(y+x)-f(x)=g(y)$などと置ける.

これはシンプルな条件の関数方程式で役立つことがある.

投稿日:2022118

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