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高校数学解説
文献あり

東大理系 2009 1を解く(?)

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データ保存し忘れて完成間際にやつが全部消えました.かなり萎えました.なので,雑に記述しているところがあるかもしれないです.ご了承下さい.

目次

1.Problem
2.簡単な解答の方針
3.(2)の解答
4.(3)の解答
5.ちょっとした考察
6.感想

Problem

問題のリンクはこちら

(1)は有名な性質であるため,証明は省略します.

簡単な解答の方針

❶「全ての自然数」に刺さる解法を考えましょう.
❷(2)を(3)に活かしましょう.

2の解答

数学的帰納法により示す.$k=1$のとき明らか.以下,$k=l$のときに題意の成立を仮定する.
$$(l+1)^m-(l+1)=\sum_{i=0}^{m} \binom{m}{i}l^i -(l+1)=(l^m-l)+\sum_{i=1}^{l-1}\binom{m}{i}l^i$$
帰納法の仮定及び$d_m$の定義から$(l+1)^m-(l+1)$$d_m$の倍数.よって$n=l+1$のときも成立.
よって題意は示された.(証明終)

3の解答

(2)式において,$k=d_m-1$とおき,$m$が偶数であることを考慮すると
$$(d_m-1)^m-(d_m-1) \equiv (-1)^m-(-1) \equiv 2 \equiv 0\; (\mathrm{mod}\;d_m)$$
これが成立するのは$d_m$$1$または$2$の場合に他ならない.(証明終)

ちょっとした考察

 ただの解答だけではつまらないので,少し考察をしていきましょう.

 まず,(2)について,$m$が素数のときはFermatの小定理そのものになります.

Fermatの小定理

$p$を素数,$a$$p$と互いに素な自然数とする.このとき,
$$a^{p-1}\equiv 1 \; (\mathrm{mod}\; p)$$
が成立する.


 (3)について,$d_m$$1$となる条件は何だろう.と考えてみたところ,以下の結論を得ました.

東大理系数学 2009 1

$\{a_k\}_{k=1,\cdots,n}(n\geq2)$はそれぞれ相異なる素数列とする.$m= \prod a_i$のとき,
$$d_m=1$$

証明は考えてみるといいかもしれません.

系の証明
$1 \leq i \leq n$を満たすある自然数$i$において,
$$\binom{m}{a_i}=\frac{m\cdot(m-1)\cdots (m-a_i+1)}{a_i!} $$
これは$a_i$の倍数になり得ない.よって$a_i \mathrel{\not\mid} d_m$がわかる.
同様の議論を行うことにより,$k=1,\cdots ,n$において$a_k \mathrel{\not\mid} d_m$が成立.
上の条件を満たし,かつ$d_m \mathrel{\mid} m$を満たすのは$d_m=1$のみである.(証明終)

感想

 東大数学の1番の中では方針を立てにくい問題でした.僕は解くのに40分かかりました.(2)で数学的帰納法以外の証明技法を使えるのかを試してみたのですが,僕にはきつかったです.他の解答が思いついた方は教えて頂きたいです.

参考文献

投稿日:20221215
OptHub AI Competition

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投稿者

pqr_mgh
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