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席替えで同じ席になっちゃう人は平均何人?

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まえがき

席替えで同じ席になっちゃう人いますよねぇ。平均して何人が同じ席になっちゃうの?というのがこの話です。結論から言ってしまうと、1人です。クラスの人数が何人であろうと、平均すると1人になります。

モンモール数

こんなサイトを好き好んで見ているような方々ならご存じかと思いますけど、後で出てくるので一応説明しておきます。モンモール数という数(列)があります。いろんな言い方ができますけれど、ここでのシチュエーションにあった言い方をすれば「誰も同じ席にならないような席替えの総数」を表す数(列)です。次の式で表されます。$n$は人(席)の数です。
$$ a_n=n!\sum_{k=0}^{n}\frac{(-1)^k}{k!} $$
導出はそこらじゅうで見つかりますし多分ご存じでしょうから書きません。席替えの総数は$n!$なので、席替えで誰も同じ席にならない確率はネイピア数の逆数$\frac1e$に近づくことになりますね。これだけで十分面白いですけどね。

証明

さて、じゃあ早速ですが本題の証明に入ります。ここで言っている平均とは確率変数の平均(期待値)のことです。$n$人のクラスで席替えを行って席が変わらなかった人の数を$X$とするとき、$X$の平均が$n$によらず$1$であることを示します。
$i\ (0\leq i\leq n)$人の席が変わらないような場合の数は、$n$人のうち$i$人の選び方の総数${}_n\mathrm{C}_{i}$と、$n-i$人の席が変わるような席替えの仕方の総数$a_{n-i}$の積で求めることができます。したがって$X$の平均は、
$$ \sum_{i=0}^{n}\frac{i{_n\mathrm{C}_i}a_{n-i}}{n!}=\sum_{i=0}^{n}\frac{i}{i!}\sum_{k=0}^{n-i}\frac{(-1)^k}{k!}=\sum_{i=1}^{n}\sum_{k=0}^{n-i}\frac{(-1)^k}{(i-1)!k!}=\sum_{i=0}^{n-1}\sum_{k=0}^{n-i-1}\frac{(-1)^k}{i!k!} $$
という式で求められます。なんかちょっとフクザツな式で、これがほんとに$1$になっているのか?と疑いたくなりますが、とりあえず$n=1$を代入してみると、ちゃんと$1$になっています。そして、
$$\begin{align} \sum_{i=0}^{n}\sum_{k=0}^{n-i}\frac{(-1)^k}{i!k!}&=\sum_{i=0}^{n-1}\sum_{k=0}^{n-i}\frac{(-1)^k}{i!k!}+\frac1{n!}\\&=\sum_{i=0}^{n-1}\sum_{k=0}^{n-i-1}\frac{(-1)^k}{i!k!}+\sum_{i=0}^{n-1}\frac{(-1)^{n-i}}{i!(n-i)!}+\frac1{n!}\\&=\sum_{i=0}^{n-1}\sum_{k=0}^{n-i-1}\frac{(-1)^k}{i!k!}+\frac1{n!}\sum_{i=0}^{n}(-1)^{n-i}{_n\mathrm{C}_i}\\&=\sum_{i=0}^{n-1}\sum_{k=0}^{n-i-1}\frac{(-1)^k}{i!k!} \end{align}$$
なんかちょっとわかりにくい変形ばっかりで申し訳ないですけど、よく見ればわかると思います(投げやり)。これで帰納的にすべての正の整数$n$$1$になることがわかりました。

あとがき

席替えで同じ席になる人数の平均がクラスの人数によらないというのは面白いですよねぇ。15人の少人数教室でも1人。100人の大教室でも1人。咳をしても一人。読んでいただきありがとうございました。

投稿日:20221231

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投稿者

furumichi
furumichi
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数学科でもないしロクな大学受かったわけでもないしガッコーのお勉強なんかむしろサボりまくってるけれどちょっと面白い話がしたかっただけの一般人です。

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