数オリの問題を解いていて面白い解法を見つけたので書いておきます.
とすると
から任意の自然数に対してがの倍数であることがわかり,特にはの倍数である.
がと互いに素なときを考えると,がの倍数であることがわかる.
また,という多項式を考えることで最小値がであることがわかる.
(ラグランジュ補間と因数定理を組み合わせると簡単に解けるのですが気付かなかったことにします)
この問題を一般化してみます.
を正の整数とし,を相異なる整数とする.次の条件をみたす最小の正整数を求めよ.
条件: どのような整数に対してもある整数係数多項式が存在してとなる.
補題を用意します.
でがモニック多項式であるとき,の無限遠点における留数は整数である.
無限遠点での留数については参考文献をご覧ください.(記事下にあります)
とする.
はモニックなのでが存在してとなる.
原点を中心とする半径の円周を反時計周りに周する積分路をとすると,となるのでの無限遠点での留数はのでのLaurent展開の係数として与えられることがわかる.
ここで,となり,これは整数係数なので,の無限遠点での留数が整数になることがわかる.
を,において有限個の点を除いて正則な関数とするとき,
に補題1を適用すると,これの無限遠点での留数は整数であり,補題2より,は整数です.
これより,はの公倍数とわかります.(これは自明ではないけどここでは説明を省略します)
また,ラグランジュ補間による構成を考えると,が最小公倍数のときに最小値を実現することがわかります.
参考文献
リーマン球面と無限遠点 -高校数学の美しい物語
https://manabitimes.jp/math/2663