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自作問題置き場 2023年1月

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とりあえず、自作の問題を置いておく。

問題

整数問題

次の式を満たす素数 $p,q$、整数 $l,k,n$ の組合せをすべて求めよ。
$$ p^{2l}+q^k=n^4 $$

解答と解説

こちらで想定した解法を示す。もっとよい解き方があるかもしれない。

問題1

再掲

次の式を満たす素数 $p,q$、整数 $l,k,n$ の組合せをすべて求めよ。
$$ p^{2l}+q^k=n^4 $$

$l,k,n$ の範囲を絞る

ある $n$ が与式の解に含まれるなら、その$n$$-n$に差し替えた五つ組も与式の解となるので、$n\geq 0$ についてだけ考えればよい。
また、与式の左辺の 2 項はどちらも 0 より大きいので、$n$$0$ ではない。すなわち、$n$ は自然数だけ考えればよい。
$l$ が負、$k$ が負でない場合、左辺 1 項目は非整数、左辺 2 項目は整数なので、左辺全体は非整数になる。しかし、右辺は自然数なので $l$ が負ならば、$k$ も負でなければならない。
ところで、左辺 1 項目は、$l$ に対して単調増加であるが、$l$ が負の範囲では $p$ に対して単調減少である。つまり、$l$ が負の場合、左辺 1 項目は $p=2,\;l=-1$ のときに最大値 $2^{-2}=1/4$ を取る。
同様に考えれば、$k$ が負のとき、左辺 2 項目は $p=2,\;k=-1$ のときに最大値 $2^{-1}=1/2$ を取る。
したがって、$l$ が負のとき、左辺の最大値はたかだか $3/4$ であり、整数値をとることはない。
つまり、$l$ は負ではない。同様に考えて $k$ も負ではないことがわかる。

$l$ が負のときを考えると、$p=2, l=-1$ が次に $k$ が負の場合、左辺が非整数になってしまうが、右辺は整数なの$k$ が左辺 2 項目は、$q=2, k=-1$ 次に $k$ が負の場合、左辺が非整数になってしまうが、右辺は整数なので $k \geq 0$ である。

以下、次の条件で考えてよいことになる。
$$ l \geq 0,\; k \geq 0,\; n > 0 \;. $$

平方の差を利用し、両辺が積の形になるように変換する

与式より、
$$ q^k = n^4 - ({p^l})^2 = (n^2+p^l)(n^2-p^l) \; \tag{1}. $$
$q$は素数なので、右辺の2項は $q$ のべきで表される。したがって、$0\leq m< k/2$ なる整数 $m$ を用いて次のように書ける。
$$ n^2+p^l = q^{k-m},\;\; n^2-p^l = q^m . \tag{2} $$

2式の差から、
$$ 2p^l = q^{k-m} - q^m = q^m(q^{k-2m} - 1) .\tag{3} $$
また、式 (2) より
$$ n^2 = p^l + q^m. \tag{4} $$

以下、$q^m$$1$$2$、それ以外の場合に分けて考える。

$q^m=1$ の場合

$q$ は素数なので、 $q^m=1$ ならば $m=0$ である。
式 (4) に $q^m=1$ を代入して整理すると、
$$ p^l = n^2 - 1 = (n+1)(n-1) $$
$p$ は素数なので、$0 \leq s < l/2$ なる整数 $s$ を用いて、次のように書ける。
$$ n+1 = p^{l-s}, \;\;n-1= p^s $$
2 式の差から、
$$ 2 = p^{l-s} - p^s = p^s(p^{l-2s} - 1) $$
したがって、右辺の 2 項は一方が $ 1$、他方が $2$ でなければならない。

もし $p^s=1,\;p^{l-2s} - 1 = 2$ ならば、$p^s=1$ より $s=0$
$p^{l-2s} = 3$ より、 $p=3,\;l-2s=l=1$
また、 $ n=p^s+1 = 2$ であるから、与式より、
$$ q^k = n^4 - p^{2l} = 2^4 - 3^2 = 16 - 9 = 7, \\ \therefore q=7,\; k = 1 \;. $$
つまり、$(p,l,q,k,n)=(3,1,7,1,2)$ は与式の解である。

もし $p^s=2,\;p^{l-2s} - 1 =1$ ならば、$p^s=2$ より $p=2,s=1$
$p^{l-2s} = 2$ より、 $l-2s=l-2=1$、すなわち、$l=3$
また、 $ n=p^s+1 =3$ であるから、与式より、
$$ q^k = n^4 - p^{2l} = 3^4 - 2^6 = 81 - 64 = 17, \\ \therefore q=17,\; k = 1 \;. $$
つまり、$(p,l,q,k,n)=(2,3,17,1,3)$ は与式の解である。

$q^m=2$ の場合

$q^m=2$ ならば、$q=2,\;m=1$
一方、式 (3) より、
$$ p^l = q^{k-2m} - 1 = 2^{k-2m} - 1= 2^{k-2} - 1, $$
式 (4) より
$$ p^l = n^2 -q^m = n^2 - 2, \tag{5} $$
であり、この 2 式が等しいので、
$$ 2^{k-2} = n^2 - 1 = (n+1)(n-1) . $$

$q^m=1$ のときと同様に、$0 \leq s < (2^{k-2} )/2$ なる整数 $s$ を用いれば、
$$ n = 2^s + 1, \tag{6} $$

$$ 2 = 2^s(2^{k-2-2s} - 1) . $$
この右辺の第 2 項は $2$ になり得ないので、$2^s=2,\;2^{k-2-2s}=2$
よって $s=1,\;k-2-2s=k-4=1$、つまり $k=5$
式 (6) より、
$$ n = 2^s + 1 = 2 + 1 = 3, $$
式 (5) より、
$$ p^l = n^2 -q^m = 3^2 - 2 = 9 - 2 = 7, \therefore p=7,\; l = 1 \;. $$
つまり、$(p,l,q,k,n)=(7,1,2,5,3)$ は与式の解である。

$q^m \geq 3$ の場合

式 (3) を再掲する。
$$ 2p^l = q^m(q^{k-2m} - 1) $$
$q=2$ と仮定すると、$q^{k-2m}$ は、$1$ もしくは $2$ 以上の偶数である。
ただ、$q^{k-2m}$$1$ だと、式 (3) の右辺が $0$ になってしまうので、$q^{k-2m}$ は偶数、すなわち、右辺第 2 項 $(q^{k-2m}-1)$ は奇数である。
なので、式 (3) の左辺 $2p^l$ に含まれる素因子 $2$ は、すべて $q^m$ に含まれている。
もし、$p \neq 2$ ならば、$2p^l$ に含まれる素因子 $2$ はひとつだけなので、$q^m=2$ となるが、これは $q^m \geq 3$ と矛盾するので、$p=2$ でなければならない。
したがって $2p^l=q^m$
式 (4) より、
$$ n^2 = p^l + q^m = p^l + 2p^l = 3p^l = 3 \cdot 2^l . $$
このような $n$ は存在しないので、$q=2$ という仮定が誤りである。

$q \neq 2$ ならば、$q^m \neq 1$ でもあるので、式 (3) の両辺を比べると、
$$ 2 = q^{k-2m} -1,\;\;p^l = q^m $$
の組み合わせにしかならない。
よって、$p = q = 3$
式 (4) より、
$$ n^2 = p^l + q^m = p^l + p^l = 2p^l = 2 \cdot 3^l . $$
このような $n$ は存在しない。
つまり、$q$$q=2$ でも $q \neq 2$ でもないので、 $q^m \geq 3$ で与式を見たす解は存在しない。

まとめ

以上より、与式を満たす五つ組は、
$$ (p,q,k,n) = (3,1,7,1,\pm 2),\; (2,3,17,1,\pm 3),\; (7,1,2,5,\pm 3) $$
の計 6 組である。
実際に、
$$ 3^{2\cdot1} + 7^1 = 9 + 7 = 16 = (\pm 2)^4, \\ 2^{3\cdot1} + 17^1 = 64 + 17 = 81 = (\pm 3)^4, \\ 7^{2\cdot1} + 2^5 = 49 + 32 = 81 = (\pm 3)^4, $$
となっている。

投稿日:2023116
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